1級土木施工管理技士 第一次検定のうち、濁水・水質汚濁と処理の問題です(分野:施工管理法・重要度A)。一問一答11問 → 四肢択一7問の順に解き、解答・解説は各問題の下を開いて確認してください。
本問題集は2026年10月10日時点の内容で作成しています。技術基準・仕様書等は各問題に示した版・対象によります。試験実施機関が示す法令等の基準日とは異なる場合があります。
一問一答(○×)
難易度:★★☆
問1:国交省の建設工事公衆災害防止対策要綱(土木工事編)による場合、掘削排水の水質が数値基準に合えば、河川・下水道等への排水に必要な届出・許可は省略できる。
解答を見る
正解:×
正解は×です。水質調査と、法に基づく届出・許可を事前に行うことは別の要件です。
根拠:建設工事公衆災害防止対策要綱(土木工事編) 土木編第55第1項(PDF32頁)。
難易度:★☆☆
問2:凝集沈殿は、凝集剤で形成した凝集物を沈降分離する工程であり、pHを測定するだけの工程ではない。
解答を見る
正解:○
正解は○です。凝集・沈殿による分離と、pH測定を区別します。
根拠:建設工事における自然由来重金属等含有土砂への対応マニュアル(2023年版) 4.4(3)排水処理(冊子150〜152・PDF160〜162頁)。
難易度:★☆☆
問3:流入体積V=A×r×cとする独自モデルで、集水面積Aと流出割合cが同じなら、降雨深さrが2倍になると流入体積も2倍になる。
解答を見る
正解:○
正解は○です。与えた積の式でrに比例します。実現場の設計降雨や流出係数を一律に決める問題ではありません。
根拠:A独自の計算モデル M07-5(m²×m=m³)。
難易度:★☆☆
問4:自然由来重金属等を含む排水の処理で生じた沈殿物は、上澄水を処理したことだけで処分不要となる。
解答を見る
正解:×
正解は×です。沈殿物の処分も必要です。必要に応じ脱水後に処分する工程があります。
根拠:建設工事における自然由来重金属等含有土砂への対応マニュアル(2023年版) 4.4(3)(冊子150・PDF160頁)。
難易度:★★☆
問5:自然由来重金属等を含む排水は、対象物質や基準超過の状況によらず、凝集沈殿だけで必ず基準を満たせる。
解答を見る
正解:×
正解は×です。凝集沈殿だけで基準を満たさない場合等は、対象物質に応じ別の処理を検討します。
根拠:建設工事における自然由来重金属等含有土砂への対応マニュアル(2023年版) 4.4(3)排水処理(冊子150〜152・PDF160〜162頁)。
難易度:★★☆
問6:水質汚濁防止法上の排出水で、排水基準省令別表2の適用対象である平均排水量50m³/日以上の工場・事業場から、海域以外へ排出する。備考の除外と条例の上乗せがない一律基準では、pHがちょうど8.6なら、このpHの許容範囲内である。
解答を見る
正解:○
正解は○です。海域以外の許容範囲は5.8以上8.6以下です。この1項目だけで全ての排水条件に適合したとは判定しません。
根拠:排水基準を定める省令 別表2・備考1〜4;水質汚濁防止法 第2条第6項、第3条。
難易度:★☆☆
問7:薬液注入工法の暫定指針の適用対象工事では、薬液注入終了と同時に、その後の地下水等の水質監視を全て打ち切ってよい。
解答を見る
正解:×
正解は×です。注入前・中・後の監視を規定しています。終了だけで事後監視が不要とはなりません。
根拠:薬液注入工法による建設工事の施工に関する暫定指針 第四章 地下水等の水質監視・四―三;建設工事公衆災害防止対策要綱(土木工事編) 第52(PDF31頁)。
難易度:★☆☆
問8:薬液注入工法の暫定指針が適用される工事で、工事着手前の採水回数は、同指針四―三によれば2回である。
解答を見る
正解:×
正解は×です。着手前は1回です。工事中の毎日1回以上や、事後監視の回数と区別します。
根拠:薬液注入工法による建設工事の施工に関する暫定指針 四―三(一)。
難易度:★☆☆
問9:薬液注入工法の暫定指針が適用される工事で、工事中の採水回数は、同指針四―三によれば毎日1回以上である。
解答を見る
正解:○
正解は○です。工事中の採水回数です。地下水等の監視を工事終了後にも行うこととは別に、頻度を確認します。
根拠:薬液注入工法による建設工事の施工に関する暫定指針 四―三(二)。
難易度:★☆☆
問10:薬液注入工法の暫定指針が適用される工事で、工事終了後2週間を経過した後の、四―三(三)(ロ)に定める監視期間中の採水回数は、月1回以上である。
解答を見る
正解:×
正解は×です。同項の採水回数は月2回以上です。この問いは頻度だけを対象とし、半年の起算日や最終採水日を計算するものではありません。
根拠:薬液注入工法による建設工事の施工に関する暫定指針 四―三(三)(ロ)。
難易度:★★☆
問11:コンクリート打設等の影響でアルカリ性が高くなった工事排水のpH中和剤には、希硫酸や炭酸ガスを用いる例がある。希硫酸の添加量は、過剰添加による酸性化も考慮して管理する。
解答を見る
正解:○
正解は○です。東北地整の公表するトンネル設計資料も、両薬剤と希硫酸の過剰添加による強酸性化の危険を説明します。すべての湧水が高アルカリであるとはせず、原水の性状や水質目標に応じて処理を計画します。
根拠:
東北地方整備局 トンネル工事 濁水処理技術資料:5.5.1(5)(6)、冊子5-59〜61/PDF194–196
https://www.thr.mlit.go.jp/road/kouji/kouji-tunnel/10_R13_kaneyama/data_10.PDF
四肢択一
難易度:★★☆
問12:公衆災害防止対策要綱(土木工事編)によって、掘削工事で土粒子を含む水を河川へ排水する。水処理と手続の順序として適当なものはどれか。必要な届出・許可の対象となる排水とする。
- 水質を調査して必要な届出・許可を事前に行い、少なくとも沈砂・ろ過施設等を経て排水する。
- 沈砂・ろ過施設等を経て排水し、必要な届出・許可は最初の排水後に行う。
- 必要な届出・許可を事前に行い、水質調査は沈砂・ろ過施設の設置をもって代える。
- 水質調査と手続を事前に行い、沈砂・ろ過施設等は放流先で土粒子を回収するために設置する。
【第12問:正解と解説】
正解:1
正解は1です。事前の水質調査・法定手続と、排水前の土粒子処理をともに行います。
根拠:建設工事公衆災害防止対策要綱(土木工事編) 土木編第55第1項(PDF32頁)。
1:正しい。事前の水質調査・法定手続と、排水前の土粒子処理をともに行います。
2:誤り。必要な届出・許可は排水前に行うもので、初回放流後ではありません。
3:誤り。水処理施設の設置と水質調査は別の対応です。
4:誤り。土粒子を含む水は沈砂・ろ過施設等を経てから排水します。放流後の回収を代わりにするものではありません。
難易度:★★☆
問13:国交省が公開した胆沢ダムの濁水処理設備の例では、炭酸ガス式中和装置を用いている。この中和処理とSSの管理の区別として、正しいものはどれか。
- 炭酸ガス中和:SSだけの沈降分離/浮遊物質の分離:中和済みなら除去確認は不要
- 炭酸ガス中和:pHの処理/浮遊物質の分離:SSの除去を確認
- 炭酸ガス中和:pHの処理/浮遊物質の分離:中和済みなら除去確認は不要
- 炭酸ガス中和:SSだけの沈降分離/浮遊物質の分離:SSの除去を確認
【第13問:正解と解説】
正解:2
正解は2です。公開設備の例でのpH中和と、浮遊物質の分離・管理を区別します。薬剤量の全国一律値を設けません。
根拠:胆沢ダムで働く機械たち・濁水処理設備:濁水処理設備(公表年月未特定。胆沢ダム工事の紹介。炭酸ガス中和の公開事例だけに限定、掲載数値を現行一律基準に転用しない。)
https://www.thr.mlit.go.jp/isawa/jyuki/2.html
東北地方整備局 トンネル工事 濁水処理技術資料:5.5.1(5)(6)、冊子5-59〜61/PDF194–196(指定資料の版・条件による)
https://www.thr.mlit.go.jp/road/kouji/kouji-tunnel/10_R13_kaneyama/data_10.PDF
胆沢ダムで働く機械たち・濁水処理設備:濁水処理設備・中和処理装置(公表年月未特定。胆沢ダム工事の紹介。炭酸ガス中和の公開事例だけに限定、掲載数値を現行一律基準に転用しない。)
https://www.thr.mlit.go.jp/isawa/jyuki/2.html
1:誤り。公開設備の例でのpH中和と、浮遊物質の分離・管理を区別します。薬剤量の全国一律値を設けません。
2:正しい。公開設備の例でのpH中和と、浮遊物質の分離・管理を区別します。薬剤量の全国一律値を設けません。
3:誤り。公開設備の例でのpH中和と、浮遊物質の分離・管理を区別します。薬剤量の全国一律値を設けません。
4:誤り。公開設備の例でのpH中和と、浮遊物質の分離・管理を区別します。薬剤量の全国一律値を設けません。
難易度:★★☆
問14:独自の水量収支モデルで、集水面積800m²に降雨深さ0.015mの雨が降り、流出割合は1、他の流入はない。水量は面積×降雨深さ×流出割合とし、全量を貯留後、一定処理能力4m³/hで処理する。損失・能力変化・放流制約は考えない。全量処理の時間はどれか。端数処理は不要とする。
- 200時間
- 0.003時間
- 3時間
- 12時間
【第14問:正解と解説】
正解:3
正解は3です。正しい。800×0.015×1=12m³、12÷4=3時間です。
根拠:A独自の計算モデル M07-5(水量収支);A独自の計算モデル M07-5(m²×m=m³)。
1:誤り。面積を処理能力で割るだけでは単位が一致しません。
2:誤り。流入量は12m³で、処理時間は12÷4です。
3:正しい。800×0.015×1=12m³、12÷4=3時間です。
4:誤り。12は流入水量m³で、処理時間ではありません。
難易度:★★☆
問15:環境省の公開説明会資料「土壌汚染対策法に定める特定有害物質の種類」(PDF5頁)で、ベンゼン、鉛及びその化合物、チウラムの分類として適当な組合せはどれか。全対象物質数や濃度基準は問わない。
- ベンゼン:第二種/鉛及びその化合物:第一種/チウラム:第三種
- ベンゼン:第一種/鉛及びその化合物:第三種/チウラム:第二種
- ベンゼン:第三種/鉛及びその化合物:第二種/チウラム:第一種
- ベンゼン:第一種/鉛及びその化合物:第二種/チウラム:第三種
【第15問:正解と解説】
正解:4
正解は4です。具体的な物質と、第一種・第二種・第三種の分類を対応させます。
根拠:土壌汚染対策法施行規則:第4条第3項第2号イ・ロ、別表2(2026-10-10施行状態、2026-10-11照合 414M60001000029_20260701_508M60001000019)
https://laws.e-gov.go.jp/law/414M60001000029_20260701_508M60001000019
環境省 改正土壌汚染対策法の説明会:PDF5 特定有害物質の種類(H29年4月施行クロロエチレンを含む公表図。具体例3物質のみ採用)
https://www.env.go.jp/content/900541347.pdf
1:誤り。ベンゼンと鉛の分類を逆にしています。
2:誤り。鉛とチウラムの分類を逆にしています。
3:誤り。ベンゼンとチウラムの分類を逆にしています。
4:正しい。公開図の3物質の対応です。
難易度:★★☆
問16:水質汚濁防止法上の排出水で、排水基準省令別表2の適用対象である平均排水量50m³/日以上の工場・事業場から、海域以外へ排出する。備考の除外と条例の上乗せがない一律基準では、pH・SSの許容限度とSSの日間平均の組合せはどれか。
- pH5.8〜8.6、SS200mg/L、SS日間平均150mg/L
- pH5.8〜8.6、SS200g/L、SS日間平均150g/L
- pH5.0〜9.0、SS200mg/L、SS日間平均150mg/L
- pH5.8〜8.6、SS150mg/L、SS日間平均200mg/L
【第16問:正解と解説】
正解:1
正解は1です。正しい。放流先・項目・日間平均・単位を区別します。
根拠:排水基準を定める省令 別表2・備考1〜4;水質汚濁防止法 第2条第6項、第3条。
1:正しい。放流先・項目・日間平均・単位を区別します。
2:誤り。SSの単位はmg/Lです。
3:誤り。5.0〜9.0は海域の場合のpH範囲です。
4:誤り。SSの許容限度と日間平均の値を逆にしています。
難易度:★★☆
問17:水質汚濁防止法上の排出水で、排水基準省令別表2の適用対象である平均排水量50m³/日以上の工場・事業場から、海域以外へ排出する。備考の除外と条例の上乗せがない一律基準では、適当な記述はいくつあるか。
ア:pH9.0はpHの基準内である。
イ:SS200mg/Lは、日間平均を別に確認する前提で、SSの許容限度内である。
ウ:SSの日間平均150mg/Lは、日間平均の許容限度内である。
- 1個
- 2個
- 3個
- 0個
【第17問:正解と解説】
正解:2
正解は2です。アは誤り。海域以外の上限は8.6です。 イは正しい。許容限度は200mg/Lです。 ウは正しい。日間平均の許容限度は150mg/Lです。
根拠:排水基準を定める省令 別表2・備考1〜4;水質汚濁防止法 第2条第6項、第3条。
1:誤り。適当な記述は2個です。
2:正しい。適当な記述は2個です。
3:誤り。適当な記述は2個です。
4:誤り。適当な記述は2個です。
難易度:★★☆
問18:薬液注入工法の暫定指針が適用される工事で、工事終了後2週間を経過するまでの採水について、四―三の原則と例外に合うものはどれか。
- 原則は毎日1回以上。地下水の状況に著しい変化がなく、回数を減らしても監視目的を十分達成できると判断される場合は、週1回以上。
- 原則は週1回以上で、地下水に変化があった場合だけ毎日採水する。
- 工事が終了したという事実だけで、月1回に減らすことができる。
- 地下水の状況に著しい変化がないと認められれば、監視目的の達成を判断せず採水を終了できる。
【第18問:正解と解説】
正解:1
正解は1です。原則は毎日1回以上です。週1回以上にするには、地下水の変化と監視目的達成に関する二つの判断が必要です。
根拠:薬液注入工法による建設工事の施工に関する暫定指針 四―三(三)(イ)。
1:正しい。原則の頻度と、回数を減らせる条件・下限を満たします。
2:誤り。原則と例外を逆にしています。
3:誤り。終了だけは回数を減らす理由にならず、例外も週1回以上です。
4:誤り。監視目的を十分達成する判断も必要で、採水終了の規定ではありません。
「施工管理法」の他の論点(32)
- 施工計画・事前調査・調達計画
- 仮設計画と工事中の安定
- 施工体制台帳・施工体系図・関係機関手続
- 原価・出来高・実行予算
- 工程表の種類・進捗・工程管理曲線
- ネットワーク工程表・余裕・工期計算
- 安全衛生管理体制・教育・資格
- 保護具・異常気象時の安全
- 墜落防止と足場の安全
- 明り掘削・土砂崩壊防止
- 解体工事の施工と安全
- 車両系建設機械の災害防止
- 移動式クレーン・玉掛け
- 埋設物・架空線と公衆災害防止
- 酸素欠乏・硫化水素の防止
- 健康管理と粉じん・有害業務対策
- 品質管理の基本と統計量
- 土工の品質・締固め・支持力管理
- レディーミクストコンクリートの受入れ
- コンクリート施工品質・非破壊検査
- 道路舗装の品質・出来形管理
- 建設工事の騒音・振動対策
- 土壌汚染と汚染土壌の扱い
- 建設リサイクル・分別解体・再資源化
- 産業廃棄物・マニフェスト・石綿
- 建設発生土・資源有効利用・搬出先管理
- 周辺地盤の変状と環境管理
- 鉄筋と継手の品質検査
- 型枠支保工の組立て・解体と安全
- 熱中症予防と異常時の対応
- 管理図・工程能力と品質データの判断
- プレキャスト部材の接合品質と検査