2級建築施工管理技士 第一次検定「建築学」のうち、木材の問題です(重要度A)。一問一答7問 → 四肢択一4問の順に解き、解答・解説は各問題の下を開いて確認してください。
一問一答(○×)
重要度:A 難易度:★☆☆
問1:木材の圧縮強さは、繊維に直交する方向に加力した場合のほうが、繊維方向に加力した場合よりも大きい。
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正解:×
木材の強度は繊維方向(繊維に平行な方向)で最も大きく、繊維に直交する方向では小さくなります。圧縮強さも、繊維方向に加力したほうが大きいため、記述は誤りです(一般的な工学知識:米国連邦道路庁 FHWA-HRT-04-097、Auburn University 講義資料「Wood as an Engineering Material」)。
重要度:A 難易度:★☆☆
問2:木材の含水率が繊維飽和点から気乾状態に至るまでの範囲では、含水率が低下するにつれて木材の強度は大きくなる。
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正解:○
繊維飽和点(含水率約30%)より低い範囲では、細胞壁の中の結合水が抜けるにつれて、木材の強度や剛性は大きくなります。したがって、記述は正しいです(一般的な工学知識:Auburn University 講義資料「Wood as an Engineering Material」、Almeida ほか BioResources 15(3)(2020))。
重要度:A 難易度:★☆☆
問3:木材の乾燥収縮率は、年輪の半径方向のほうが、年輪の接線方向よりも大きい。
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正解:×
木材の乾燥収縮率は年輪の接線方向が最も大きく、半径方向はその約半分、繊維方向はごくわずかです(接線方向>半径方向>繊維方向)。半径方向と接線方向の大小が逆になっているため、記述は誤りです(一般的な工学知識:Purdue University Extension FNR-163、Oregon State University Extension EM 8600)。
重要度:A 難易度:★☆☆
問4:一般に、心材は辺材に比べて腐朽しにくい。
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正解:○
辺材(樹皮に近い外側の部分)は、樹種にかかわらず腐朽に対する天然の抵抗性をもちません。心材は抽出成分を含むため、一般に辺材より腐朽しにくくなります(耐朽性の程度は樹種によって異なります)。したがって、記述は正しいです(一般的な工学知識:University of Kentucky「Wood Preservation」、Penn State Extension「What is Heartwood in Trees?」)。
重要度:A 難易度:★☆☆
問5:一般に、気乾比重が小さい木材ほど、強度は大きい。
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正解:×
木材の強度は比重(密度)と相関があり、一般に比重が大きい木材ほど強度は大きくなります。「比重が小さいほど」が誤りです(一般的な工学知識:Auburn University 講義資料、九州大学農学部演習林報告(太田, 1952))。
重要度:A 難易度:★☆☆
問6:木材の節は、その周辺に応力集中を生じさせ、木材の強度を低下させる要因となる。
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正解:○
節は木材の強度を低下させる欠点です。節の周辺では応力集中が生じ、強度の低下の程度は節の大きさや位置によって異なります。したがって、記述は正しいです(一般的な工学知識:米国連邦道路庁 FHWA-HRT-04-097、Auburn University 講義資料)。
重要度:A 難易度:★★☆
問7:日本農林規格(JAS)において、合板は、切削した単板を、主としてその繊維方向を互いにほぼ平行にして積層接着した木材とされている。
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正解:×
日本農林規格(JAS 0233 合板)では、合板は、切削した単板を主としてその繊維方向を互いにほぼ「直角」にして3枚以上積層接着した木材とされています。単板の繊維方向をほぼ平行にして積層接着したものは単板積層材(LVL、JAS 0701)です。
四肢択一
重要度:A 難易度:★★☆
問8:木材の含水率に関する記述として、最も適当なものはどれか。
- 木材の繊維飽和点は、含水率がおよそ15%の状態である。
- 含水率が繊維飽和点以上の範囲では、含水率が変化しても、木材の強度はほとんど変わらない。
- 含水率が繊維飽和点から気乾状態に至るまでの範囲では、含水率が低下するにつれて、木材の強度は小さくなる。
- 木材の乾燥収縮は、主に含水率が繊維飽和点を上回っている範囲で生じる。
【第8問:正解と解説】
正解:2
正解は2です。含水率が繊維飽和点以上の範囲では、細胞の内腔にある自由水が増減するだけなので、木材の強度などの力学的性質はほとんど変わりません。したがって、2が適当です(一般的な工学知識:Almeida ほか BioResources 15(3)(2020)、米国連邦道路庁 FHWA-HRT-04-097)。
1:不適当です。繊維飽和点は、多くの樹種で含水率およそ30%(25〜30%程度)です(Purdue University Extension FNR-163、Auburn University 講義資料)。15%前後は、日本の大気中で木材が平衡に達したときの含水率の年平均程度の値(森林総合研究所 東北支所の研究成果)で、繊維飽和点ではありません。
2:適当です。繊維飽和点以上では、含水率が変化しても強度はほぼ一定です(一般的な工学知識:Almeida ほか BioResources 15(3)(2020)、米国連邦道路庁 FHWA-HRT-04-097)。
3:不適当です。繊維飽和点より低い範囲では、結合水が抜けるにつれて強度は「大きく」なります(一般的な工学知識:Auburn University 講義資料「Wood as an Engineering Material」、Almeida ほか BioResources 15(3)(2020))。
4:不適当です。収縮は、含水率が繊維飽和点を下回ってから生じます。繊維飽和点を上回っている範囲で自由水が抜けても、寸法はほとんど変わりません(一般的な工学知識:Purdue University Extension FNR-163、Oregon State University Extension EM 8600)。
重要度:A 難易度:★★☆
問9:日本農林規格(JAS)に定める木質材料に関する記述として、最も不適当なものはどれか。
- 集成材は、ひき板、小角材等を、その繊維方向を互いにほぼ平行にして、厚さ、幅及び長さの方向に集成接着した木材である。
- 単板積層材は、切削した単板を、主としてその繊維方向を互いにほぼ平行にして積層接着した木材である。
- 直交集成板は、ひき板又は小角材を並べた層(プライ)を、主としてその繊維方向を互いにほぼ平行にして積層接着し、3層以上の構造をもたせた木材である。
- 構造用集成材は、集成材のうち所要の耐力を目的としたもので、主として構造物の耐力部材として用いられる。
【第9問:正解と解説】
正解:3
正解は3です。直交集成板(CLT)は、ひき板又は小角材を繊維方向をほぼ平行にして並べた層(プライ)を、主としてその繊維方向を互いにほぼ「直角」にして積層接着し、3層以上の構造をもたせた木材です(JAS 3079 直交集成板)。「ほぼ平行にして積層接着」が誤りのため、3が不適当です。
1:適当です。集成材は、ひき板・小角材等の繊維方向をほぼ平行にそろえて集成接着した木材です(JAS 1152 集成材)。
2:適当です。単板積層材(LVL)は、単板の繊維方向を主としてほぼ平行にして積層接着した木材です(JAS 0701 単板積層材)。
3:不適当です。直交集成板は、プライどうしの繊維方向を主としてほぼ直角にして積層接着します(JAS 3079 直交集成板)。
4:適当です。構造用集成材は、所要の耐力を目的とした集成材で、主として構造物の耐力部材に用いられます(JAS 1152 集成材)。
重要度:A 難易度:★★☆
問10:木材に関する次の記述a〜dのうち、適当なものの組合せとして、最も適当なものはどれか。
a.一般に、心材は辺材に比べて腐朽しにくい。
b.含水率が繊維飽和点以上の範囲では、含水率が低下するにつれて、木材の強度は著しく大きくなる。
c.一般に、気乾比重が大きい木材ほど、強度は大きい。
d.含水率が繊維飽和点から気乾状態に至るまでの範囲では、含水率が低いほど、木材の強度は小さい。
- a と b
- a と c
- b と d
- c と d
【第10問:正解と解説】
正解:2
正解は2です。適当なものは a と c です。b は、繊維飽和点以上では含水率が変化しても強度はほとんど変わらないため不適当です。d は、繊維飽和点より低い範囲では含水率が低いほど強度が大きくなるため不適当です。
1:不適当です。b は、繊維飽和点以上では強度がほぼ一定のため不適当です。
2:適当です。a(辺材は樹種にかかわらず腐朽への天然の抵抗性をもたず、心材は一般に腐朽しにくい:一般的な工学知識:University of Kentucky「Wood Preservation」、Penn State Extension「What is Heartwood in Trees?」)と c(一般に比重が大きいほど強度が大きい:一般的な工学知識:Auburn University 講義資料、九州大学農学部演習林報告(太田, 1952))が適当で、b(繊維飽和点以上では強度はほぼ一定:一般的な工学知識:Almeida ほか BioResources 15(3)(2020)、米国連邦道路庁 FHWA-HRT-04-097)と d(繊維飽和点以下では含水率が低いほど強度は大きい:一般的な工学知識:Auburn University 講義資料「Wood as an Engineering Material」、Almeida ほか BioResources 15(3)(2020))は不適当です。
3:不適当です。b と d はいずれも不適当です。
4:不適当です。d は、繊維飽和点より低い範囲では含水率が低いほど強度が大きくなるため不適当です。
重要度:A 難易度:★★☆
問11:木材に関する次の記述a〜dのうち、適当なものはいくつあるか。
a.年輪の接線方向の乾燥収縮率は、半径方向のおよそ2倍である。
b.繊維方向の乾燥収縮率は、接線方向や半径方向に比べて著しく小さい。
c.木材の引張強さは、繊維に直交する方向のほうが、繊維方向よりも大きい。
d.一般に、辺材は心材に比べて腐朽に対する抵抗性が大きい。
- 1つ
- 2つ
- 3つ
- 4つ
【第11問:正解と解説】
正解:2
正解は2です。適当なものは a と b の2つです。c は、引張強さは繊維方向が最も大きく、繊維に直交する方向は小さいため不適当です。d は、辺材は腐朽への天然の抵抗性をもたず、一般に心材のほうが腐朽しにくいため不適当です。
1:不適当です。適当なものは a・b の2つです。
2:適当です。a(接線方向の収縮率は半径方向の約2倍)と b(繊維方向は0.1〜0.2%程度とごくわずか)が適当です(一般的な工学知識:Purdue University Extension FNR-163、Oregon State University Extension EM 8600)。c(繊維方向のほうが強い:一般的な工学知識:米国連邦道路庁 FHWA-HRT-04-097、Auburn University 講義資料「Wood as an Engineering Material」)と d(心材のほうが腐朽しにくい:一般的な工学知識:University of Kentucky「Wood Preservation」、Penn State Extension「What is Heartwood in Trees?」)は不適当です。
3:不適当です。c と d は不適当です。
4:不適当です。c と d は不適当です。
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