2級建築施工管理技士 第一次検定「建築学」のうち、地盤・基礎構造の問題です(重要度A)。一問一答7問 → 四肢択一4問の順に解き、解答・解説は各問題の下を開いて確認してください。
一問一答(○×)
重要度:A 難易度:★☆☆
問1:独立フーチング基礎やべた基礎は、建築物の荷重を基礎スラブから直接、支持地盤に伝える直接基礎に分類される。
解答を見る
正解:○
独立フーチング基礎やべた基礎は、基礎スラブ(基礎版)から荷重を直接、支持地盤に伝える直接基礎です。これに対し、杭基礎は杭を介して荷重を地盤に伝える形式で、支持層が深い場合に用いられます(国の機関の基礎設計資料:農林水産省「土地改良事業計画設計基準」頭首工・ポンプ場の基礎の章)。
重要度:A 難易度:★☆☆
問2:建築基準法施行令によれば、建築物には、原則として、異なる構造方法による基礎を併用してはならない。
解答を見る
正解:○
建築基準法施行令第38条第2項により、建築物には異なる構造方法による基礎を併用してはなりません。ただし、国土交通大臣が定める基準に従った構造計算によって構造耐力上安全であることが確かめられた場合は、この規定は適用されません(同条第4項)。このため「原則として」併用してはならない、という記述は正しいです。
重要度:A 難易度:★☆☆
問3:摩擦杭は、杭先端を良質な支持層に到達させ、主として杭先端の支持力によって建築物の荷重を支える杭である。
解答を見る
正解:×
記述は支持杭の説明です。摩擦杭は、荷重の大部分を杭周面の摩擦抵抗(周面摩擦力)で支える杭で、支持層が深く支持杭とすることが困難・不経済な場合などに用いられます。支持杭は、杭先端を良質な支持層に到達させ、主として先端の支持力で荷重を支えます(国の機関・地方公共団体の杭基礎設計資料)。
重要度:A 難易度:★☆☆
問4:圧密沈下が生じるおそれのある地盤を貫いて設けた杭では、周囲の地盤が沈下することにより、杭周面に下向きの摩擦力(負の摩擦力)が作用することがある。
解答を見る
正解:○
圧密沈下が生じるおそれのある層を貫いて設けた杭では、周囲の地盤が沈下すると、杭周面と地盤との摩擦により杭に下向きの力が働きます。これが負の摩擦力(ネガティブフリクション)で、支持力としては期待できず、逆に杭への荷重として作用します。このため、杭の支持力・杭体の応力・杭頭の沈下量について、その影響を考慮して検討します(国の機関・地方公共団体の杭基礎設計資料)。
重要度:A 難易度:★☆☆
問5:地震時の液状化は、地下水位が低く、よく締まった砂質地盤で生じやすい。
解答を見る
正解:×
液状化は、地下水位が高く(地下水で満たされ)、締まりの緩い(N値の低い)砂地盤で、地震時に生じやすい現象です。地下水位が低い地盤やよく締まった地盤は、液状化が生じにくくなります(国土交通省 北陸地方整備局・埼玉県の液状化に関する公開資料)。
重要度:A 難易度:★★☆
問6:粘土質地盤の沈下は、主として荷重を加えた直後に生じる即時沈下であり、長期間にわたって進行する圧密沈下は、主として砂質地盤で問題となる。
解答を見る
正解:×
記述は砂質地盤と粘土質地盤が逆です。圧密沈下は、粘土の間隙から水が徐々に絞り出されることで長期間にわたって進行する沈下で、粘土質地盤で問題となります。砂質地盤の沈下は、主として載荷とほぼ同時に生じる即時沈下です(農林水産省「土地改良事業計画設計基準」頭首工・ポンプ場の基礎の章、建築研究所の講演会資料)。
重要度:A 難易度:★☆☆
問7:建築基準法施行令第93条の表によれば、地盤の長期に生ずる力に対する許容応力度は、密実な砂質地盤では200kN/m²、粘土質地盤では20kN/m²である。
解答を見る
正解:○
建築基準法施行令第93条の表では、長期に生ずる力に対する地盤の許容応力度を、密実な砂質地盤200kN/m²、粘土質地盤20kN/m²と定めています。地盤の許容応力度は原則として地盤調査の結果に基づいて定めますが、同条ただし書により、表の地盤については表の数値によることができます。
四肢択一
重要度:A 難易度:★★☆
問8:建築基準法施行令第93条の表に定める地盤の許容応力度に関する記述として、最も不適当なものはどれか。
- 岩盤の長期に生ずる力に対する許容応力度は、1,000kN/m²である。
- 堅いローム層の長期に生ずる力に対する許容応力度は、100kN/m²である。
- 砂質地盤(地震時に液状化のおそれのないものに限る。)の長期に生ずる力に対する許容応力度は、100kN/m²である。
- 短期に生ずる力に対する許容応力度は、長期に生ずる力に対する許容応力度の数値の2倍である。
【第8問:正解と解説】
正解:3
正解は3です。建築基準法施行令第93条の表では、砂質地盤(地震時に液状化のおそれのないものに限る。)の長期に生ずる力に対する許容応力度は50kN/m²です。100kN/m²は、堅い粘土質地盤・堅いローム層の数値です。したがって、選択肢3が最も不適当です。
1:適当です。令第93条の表で、岩盤の長期許容応力度は1,000kN/m²です。
2:適当です。令第93条の表で、堅いローム層の長期許容応力度は100kN/m²です(ローム層は50kN/m²)。
3:不適当です。令第93条の表で、砂質地盤(地震時に液状化のおそれのないものに限る。)の長期許容応力度は50kN/m²です。200kN/m²の「密実な砂質地盤」とも区別が必要です。
4:適当です。令第93条の表で、短期に生ずる力に対する許容応力度は、長期の数値の2倍とされています。
重要度:A 難易度:★★☆
問9:建築基準法施行令第38条に定める建築物の基礎に関する記述として、最も適当なものはどれか。
- 異なる構造方法による基礎は、国土交通大臣が定める基準に従った構造計算によって構造耐力上安全であることが確かめられた場合であっても、併用してはならない。
- 打撃、圧力又は振動により設けられる基礎ぐいは、それを設ける際に作用する打撃力その他の外力に対して構造耐力上安全なものでなければならない。
- 建築物の基礎に木ぐいを使用する場合は、平家建の木造の建築物に使用する場合であっても、その木ぐいが常水面下にあるようにしなければならない。
- 建築物の基礎は、建築物に作用する荷重及び外力を安全に地盤に伝えるものであればよく、地盤の沈下又は変形に対する構造耐力上の安全性は求められていない。
【第9問:正解と解説】
正解:2
正解は2です。建築基準法施行令第38条第5項により、打撃・圧力・振動により設けられる基礎ぐいは、設ける際に作用する打撃力その他の外力に対して構造耐力上安全なものでなければなりません。したがって、選択肢2が最も適当です。
1:不適当です。異なる構造方法による基礎の併用禁止(令第38条第2項)は、国土交通大臣が定める基準に従った構造計算で構造耐力上安全であることが確かめられた場合には適用されません(同条第4項)。
2:適当です。令第38条第5項の規定どおりです。
3:不適当です。木ぐいを常水面下にあるようにする規定(令第38条第6項)は、平家建の木造の建築物に使用する場合が除かれています。
4:不適当です。令第38条第1項により、基礎は荷重・外力を安全に地盤に伝え、かつ、地盤の沈下又は変形に対して構造耐力上安全なものとしなければなりません。
重要度:A 難易度:★★☆
問10:地盤及び基礎に関する次の記述a〜dのうち、適当なものの組み合わせはどれか。
a.支持層が深く、杭先端を支持層に到達させることが困難な場合などには、主として杭周面の摩擦力で荷重を支える摩擦杭が考慮される。
b.杭に負の摩擦力が作用する場合、その摩擦力は杭の支持力としては期待できず、杭に作用する荷重として扱う。
c.粘性土地盤は、緩い砂地盤に比べて、地震時に液状化が生じやすい。
d.圧密沈下は、砂質地盤において間隙水が短時間で抜けることにより、荷重を加えた直後に完了する沈下である。
- a と b
- a と c
- b と d
- c と d
【第10問:正解と解説】
正解:1
正解は1です。適当なものは a と b です。摩擦杭は荷重の大部分を杭周面の摩擦力で支える杭で、支持層が深い場合などに考慮されます。負の摩擦力は、周囲の地盤の沈下により杭周面に下向きに作用する力で、支持力として期待できず、杭への荷重として作用します。c は液状化しやすい地盤が逆、d は圧密沈下の説明が誤りです(国の機関・地方公共団体の杭基礎・液状化に関する公開資料)。
1:正しい組み合わせです。a・bともに適当です。
2:誤りです。c が不適当です。液状化は地下水位の高い緩い砂地盤で生じやすく、粘性土地盤では液状化の可能性はほとんどありません。
3:誤りです。d が不適当です。圧密沈下は粘土の間隙から水が徐々に絞り出されて長期間にわたり進行する沈下で、粘土質地盤で問題となります。載荷とほぼ同時に生じるのは即時沈下です。
4:誤りです。c・dともに不適当です(c:液状化は緩い砂地盤で生じやすい。d:圧密沈下は粘土質地盤で長期間にわたり進行する)。
重要度:A 難易度:★★☆
問11:地盤及び基礎に関する次の記述a〜dのうち、適当なものはいくつあるか。
a.直接基礎は、建築物の荷重を基礎スラブから直接、支持地盤に伝える基礎であり、支持層が深い場合には杭基礎が用いられる。
b.建築基準法施行令第93条の表によれば、ローム層の長期に生ずる力に対する許容応力度は、50kN/m²である。
c.建築基準法施行令第93条によれば、地盤の許容応力度は、原則として、国土交通大臣が定める方法による地盤調査の結果に基づいて定める。
d.建築基準法施行令第93条の表に定める砂質地盤の許容応力度の数値は、地震時に液状化のおそれのある砂質地盤にも用いることができる。
- 1つ
- 2つ
- 3つ
- 4つ
【第11問:正解と解説】
正解:3
正解は3です。適当なものは a・b・c の3つです。d は、令第93条の表の「砂質地盤」が「地震時に液状化のおそれのないものに限る」とされているため不適当です。
1:誤りです。適当なものは a・b・c の3つです。
2:誤りです。適当なものは a・b・c の3つです。
3:正解です。a:直接基礎は基礎スラブから直接支持地盤に荷重を伝え、支持層が深い場合は杭基礎とします(国の機関の基礎設計資料)。b:令第93条の表でローム層は50kN/m²です。c:令第93条本文のとおりで、表の数値によれるのはただし書によるものです。d:表の砂質地盤(50kN/m²)は液状化のおそれのないものに限られるため不適当です。
4:誤りです。d は不適当です。令第93条の表の砂質地盤は、地震時に液状化のおそれのないものに限られます。
「建築学」の他の論点
- 換気
- 伝熱・断熱・結露
- 日照・日射
- 採光・照明
- 音響
- 色彩
- 木造の構造
- 鉄筋コンクリート構造
- 鉄骨構造
- 鉄骨の接合
- 荷重・外力
- 構造力学(反力・せん断力)
- 構造力学(応力図)
- 構造力学(応力度・材料の力学的性質)
- セメント・コンクリート
- 鋼材
- 木材
- 石材・タイル・セメント系材料
- 防水材料・シーリング材
- 建具・ガラス
- 内装材料