2級建築施工管理技士 建築学 一問一答・四肢択一(全12問)|音響

1問ずつ解いて記録できます演習モードで解く ›

2級建築施工管理技士 第一次検定「建築学」のうち、音響の問題です(重要度A)。一問一答8問 → 四肢択一4問の順に解き、解答・解説は各問題の下を開いて確認してください。

一問一答(○×)

重要度:A 難易度:★★☆

問1:音の強さのレベルがそれぞれ70dBである2つの音源が同時に発生したとき、合成された音の強さのレベルは約76dBとなる。

解答を見る

正解:×

音のレベル(dB)はそのまま足し算できず、音のエネルギーを合計してからレベルに直します。レベルが等しい2つの音を合成すると、10log10(2)≒3dBだけ上がるので、70dB+70dBは約73dBです(10log10(10^7.0+10^7.0)≒73.0dB)。約6dBは、点音源からの距離が2倍になったときの減衰量と混同しやすい値です(東京都環境科学研究所「騒音の基礎知識」、厚生労働省検討会資料ほか)。


重要度:A 難易度:★★☆

問2:無指向性の点音源から10m離れた点で音の強さのレベルが60dBであるとき、音源から20m離れた点の音の強さのレベルは約54dBとなる。ただし、反射や空気による吸収は考えないものとする。

解答を見る

正解:○

点音源では、音の強さが距離の2乗に反比例するため、距離が2倍になるとレベルは20log10(2)≒6dB下がります。60−20log10(20/10)≒60−6.0=54.0dBで、約54dBとなります(東京都環境科学研究所「騒音の基礎知識」、厚生労働省検討会資料ほか)。


重要度:A 難易度:★☆☆

問3:壁などの透過損失の値が小さいほど、その壁の遮音性能は高い。

解答を見る

正解:×

透過損失は、透過率(透過した音のエネルギー÷入射した音のエネルギー)の逆数を10log10で表した値(dB)です。透過する音が少ないほど値が大きくなるため、透過損失の値が大きいほど遮音性能が高いことになります(熊本県立大学 建築環境工学II講義資料、MIT OCW 4.401ほか)。


重要度:A 難易度:★★☆

問4:一重壁の透過損失は、質量則によれば、同じ壁では低い周波数の音ほど大きくなる。

解答を見る

正解:×

質量則によれば、一重壁の透過損失は、面密度(単位面積当たりの質量)が大きいほど、また周波数が高いほど大きくなります。したがって、同じ壁では低い周波数の音ほど透過損失は小さく、低音は遮りにくくなります(カナダ国立研究機構 CBD-239、MIT OCW 4.401ほか)。


重要度:A 難易度:★☆☆

問5:板状の材料を背後に空気層を設けて張った板振動型の吸音構造は、主に低音域の吸音に効果がある。

解答を見る

正解:○

板振動型の吸音構造は、板の共振によって主に低音域の音を吸収します。これに対し、グラスウールなどの多孔質材料は中・高音域の吸音に効果があります(熊本県立大学 建築環境工学II講義資料、カナダ国立研究機構 CBD-92)。


重要度:A 難易度:★☆☆

問6:室内の総吸音力が同じであれば、室容積が大きい室ほど残響時間は長くなる。

解答を見る

正解:○

セイビンの式(T=0.161V/A、V:室容積、A:総吸音力)によれば、残響時間は室容積に比例し、総吸音力に反比例します。総吸音力が同じなら、室容積が大きい室ほど残響時間は長くなります(熊本県立大学 建築環境工学II講義資料、カナダ国立研究機構 CBD-92)。


重要度:A 難易度:★☆☆

問7:フラッターエコーは、平行に向かい合う反射性の高い壁面の間で、音が往復して多重反射を繰り返すことにより生じる現象である。

解答を見る

正解:○

記述のとおりです。フラッターエコーは、平行で反射性の高い面(壁と壁、床と天井など)の間で音が往復して反射を繰り返し、音が連続して繰り返し聞こえる現象で。代表的な例として「鳴き竜」があります(熊本県立大学 建築環境工学II講義資料、カナダ国立研究機構 CBD-92ほか)。


重要度:A 難易度:★☆☆

問8:吸音率は、材料に入射した音のエネルギーに対する、反射されなかった音のエネルギーの割合である。

解答を見る

正解:○

記述のとおりです。吸音率は(入射音のエネルギー−反射音のエネルギー)÷入射音のエネルギーで表され、入射した音のうち反射して戻らなかった部分の割合です。反射された音の割合ではない点に注意が必要です(日本建築総合試験所「わかりやすい試験シリーズ 音-07」、熊本県立大学 建築環境工学II講義資料)。

四肢択一

重要度:A 難易度:★★☆

問9:音に関する記述として、最も不適当なものはどれか。

  1. 人が聞くことのできる音の周波数の範囲は、おおむね20Hzから20kHzまでである。
  2. コインシデンス効果とは、壁に入射する音の周波数が特定の値になると、透過損失が質量則による値よりも大きくなり、遮音性能が高まる現象である。
  3. マスキング効果とは、ある音が、別の音が存在することによって聞き取りにくくなる現象である。
  4. 床衝撃音レベルの遮音等級(L値)は、値が小さいほど床衝撃音の遮断性能が高い。
【第9問:正解と解説】

正解:2

正解は2です。コインシデンス効果は、入射する音の波と壁の曲げ振動の波が一致する特定の周波数で、壁が振動しやすくなって音がよく透過し、透過損失が質量則による値よりも低下する現象です。透過損失が大きくなり遮音性能が高まるとした選択肢2が不適当です(熊本県立大学 建築環境工学II講義資料、カナダ国立研究機構 CBD-239)。

1:適当です。人の可聴周波数の範囲は、一般におおむね20Hz〜20kHzとされます(環境省 低周波音資料、東京都環境科学研究所「騒音の基礎知識」)。

2:不適当です。コインシデンス効果が生じる周波数では、透過損失は質量則による値より低下し、遮音性能が落ちます。

3:適当です。マスキング効果は、妨害する音があることで目的の音が聞き取りにくく(または聞こえなく)なる現象です(高知工科大学・東京大学の公開資料)。

4:適当です。L値は値が小さいほど床衝撃音の遮断性能が高い等級です(例:L-45はL-65より優れる)(建築研究所 令和5年度講演会資料、北海道立総合研究機構 林産試験場資料)。


重要度:A 難易度:★★★

問10:無指向性の点音源が1つあり、音源から5m離れた点Pで音の強さのレベルが80dBであった。この音源と同じ音源をもう1つ同じ位置に置き、2つの音源を同時に発生させたとき、音源から10m離れた点Qにおける音の強さのレベルとして、最も適当なものはどれか。ただし、反射や空気による吸収は考えず、log10(2)=0.30として計算し、答えは整数で示すものとする。

  1. 約71dB
  2. 約74dB
  3. 約77dB
  4. 約83dB
【第10問:正解と解説】

正解:3

正解は3です。同じレベルの音源が2つになると、レベルは10log10(2)=3dB上がります。また、点音源では距離が2倍(5m→10m)になるとレベルは20log10(2)=6dB下がります。したがって、80+3−6=77dBとなり、約77dBが正しいです(東京都環境科学研究所「騒音の基礎知識」、厚生労働省検討会資料ほか)。

1:誤りです。音源2つの合成(+3dB)を逆に−3dBとし、距離減衰(−6dB)と合わせた80−3−6=71dBに当たる値です。

2:誤りです。音源2つの合成(+3dB)を考慮せず、距離減衰(−6dB)だけを計算した80−6=74dBに当たる値です。

3:正しいです。80+10log10(2)−20log10(10/5)=80+3−6=77dBです。

4:誤りです。音源2つの合成(+3dB)だけを計算し、距離が5mから10mになることによる減衰(−6dB)を考慮していない値です。


重要度:A 難易度:★★☆

問11:建築物の遮音・吸音に関する次の記述a〜dのうち、適当なものの組合せとして、正しいものはどれか。
a.子どもの飛び跳ねなどによる重量床衝撃音を遮断するには、床スラブを厚くして質量や剛性を大きくすることが有効である。
b.スプーンの落下などによる軽量床衝撃音を低減するには、床の仕上げ材を硬い材料にすることが有効である。
c.グラスウールなどの多孔質材料は、一般に、低音域よりも中・高音域の吸音に効果がある。
d.一重壁の面密度が2倍になると、質量則(理論)によれば、透過損失は約3dB大きくなる。

  1. a と c
  2. a と b
  3. b と d
  4. c と d
【第11問:正解と解説】

正解:1

正解は1です。適当なものは a と c です。重量床衝撃音は主に床の構造躯体で性能が決まり、床スラブを厚くすることが有効です(a)。多孔質材料は中・高音域の吸音に効果があります(c)。軽量床衝撃音には柔らかい床仕上げ材が有効であり(b は不適当)、質量則では面密度が2倍で透過損失は約6dB(20log10(2)≒6.0dB)大きくなります(d は不適当)(建築研究所 令和5年度講演会資料、北海道立総合研究機構 林産試験場資料、カナダ国立研究機構 CBD-239・CBD-92、熊本県立大学講義資料)。

1:正しいです。a・c ともに適当です。

2:誤りです。a は適当ですが、b は不適当です。軽量床衝撃音の低減には、カーペットなど柔らかい床仕上げ材で衝撃を緩和することが有効です。

3:誤りです。b・d ともに不適当です。d は、質量則(理論)では面密度が2倍で透過損失は約6dB大きくなります。

4:誤りです。c は適当ですが、d は不適当です(面密度2倍で約6dB)。


重要度:A 難易度:★★☆

問12:室内の残響に関する次の記述a〜dのうち、適当なものはいくつあるか。
a.セイビンの式によれば、総吸音力が同じまま室容積を2倍にすると、残響時間は約2倍になる。
b.残響時間とは、音源が停止してから、室内の音のエネルギー(音圧レベル)が60dB減衰するまでの時間をいう。
c.室容積が同じ室で、内装を吸音率の大きい材料に替えて総吸音力を大きくすると、残響時間は長くなる。
d.講演を主な用途とする室は、音楽の演奏を主な用途とする室よりも、長い残響時間が適している。

  1. 1つ
  2. 2つ
  3. 3つ
  4. 4つ
【第12問:正解と解説】

正解:2

正解は2です。適当なものは a と b の2つです。セイビンの式(T=0.161V/A)では残響時間は室容積に比例し(a)、残響時間は音が60dB減衰するまでの時間と定義されます(b)。総吸音力を大きくすると残響時間は短くなり(c は不適当)、言葉の明瞭さが求められる講演用の室は音楽用の室より短い残響時間が適します(d は不適当)(熊本県立大学 建築環境工学II講義資料、カナダ国立研究機構 CBD-92)。

1:誤りです。適当なものは a・b の2つです。

2:正しいです。a・b が適当で、c・d は不適当です。

3:誤りです。c は、総吸音力が大きくなると残響時間は短くなるため不適当です。

4:誤りです。c・d は不適当です。d は、講演用の室は音楽用の室より短い残響時間が適します。

「建築学」の他の論点

この論点を演習モードで解く1問ずつ解いて、結果がブラウザに残ります
タイトルとURLをコピーしました