2級建築施工管理技士 第一次検定「建築学」のうち、構造力学(応力度・材料の力学的性質)の問題です(重要度B)。一問一答4問 → 四肢択一4問の順に解き、解答・解説は各問題の下を開いて確認してください。
一問一答(○×)
重要度:B 難易度:★☆☆
問1:断面積400mm²の部材に、軸方向の引張力20kNが作用している。このとき、部材に生じる垂直応力度は50N/mm²である。ただし、応力度は断面に一様に生じるものとする。
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正解:○
垂直応力度は、軸方向力を断面積で除して求めます。20kN=20,000Nなので、σ=20,000N÷400mm²=50N/mm²となり、記述は正しいです(東京理科大学『材料の強さと使い方』、北海道大学『構造力学2』講義資料)。
重要度:B 難易度:★☆☆
問2:ひずみ度は、部材の伸びや縮みの量をもとの長さで除した値であり、応力度と同じくN/mm²の単位をもつ。
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正解:×
ひずみ度は、変形量(伸び・縮み)をもとの長さで除した値です。長さを長さで割るため単位はなく(無次元)、N/mm²の単位をもつのは応力度やヤング係数です(東京理科大学『材料の強さと使い方』、北海道大学『構造力学2』講義資料)。
重要度:B 難易度:★★☆
問3:長柱の弾性座屈荷重は、材料・断面・材端の支持条件が同じであれば、座屈長さが2倍になると1/2になる。
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正解:×
オイラーの座屈荷重はPk=π²EI/lk²(E:ヤング係数、I:断面二次モーメント、lk:座屈長さ)で、座屈長さの2乗に反比例します。座屈長さが2倍になると、座屈荷重は1/2²=1/4になります(東京理科大学『材料の強さと使い方』、北海道大学『構造力学2』講義資料)。
重要度:B 難易度:★☆☆
問4:材料・断面・部材の長さが同じ柱の座屈長さは、両端がピン(回転端)の場合は部材の長さに等しく、一端が固定端で他端が自由端の場合は部材の長さの2倍である。
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正解:○
座屈長さは材端の支持条件で異なり、両端ピンでは部材の長さ(l)、一端固定・他端自由では部材の長さの2倍(2l)です。なお、両端固定では0.5l、一端固定・他端ピンでは約0.7lです(材端の水平移動が拘束された場合)(東京理科大学『材料の強さと使い方』、北海道大学『構造力学2』講義資料)。
四肢択一
重要度:B 難易度:★★☆
問5:幅120mm、せい(高さ)300mmの長方形断面の梁が、せいを鉛直方向にして置かれ、鉛直荷重による曲げモーメント9kN・mを受けている。このとき、梁の断面に生じる最大曲げ応力度(縁応力度)の大きさとして、正しいものはどれか。ただし、梁は弾性範囲にあるものとし、断面係数は図心を通る水平軸まわりの値を用いる。
- 5.0N/mm²
- 10.0N/mm²
- 12.5N/mm²
- 25.0N/mm²
【第5問:正解と解説】
正解:1
正解は1です。長方形断面の断面係数はZ=bh²/6です。Z=120mm×(300mm)²÷6=1,800,000mm³(1.8×10⁶mm³)。曲げモーメントを単位換算すると、9kN・m=9×10⁶N・mmです。最大曲げ応力度はσ=M/Z=9×10⁶N・mm÷1.8×10⁶mm³=5.0N/mm²となります(東京理科大学『材料の強さと使い方』、北海道大学『構造力学2』講義資料)。
1:正しい。Z=120×300²÷6=1.8×10⁶mm³、σ=9×10⁶÷1.8×10⁶=5.0N/mm²です。
2:誤り。断面係数を bh²/12(=9.0×10⁵mm³)として計算した値です。長方形断面の断面係数は bh²/6 です。
3:誤り。幅とせいを取り違え、Z=300×120²÷6=7.2×10⁵mm³として計算した値です。2乗するのは曲げの方向の寸法であるせい(300mm)です。
4:誤り。幅とせいを取り違えたうえ、断面係数を b²h/12(=3.6×10⁵mm³)として計算した値です。
重要度:B 難易度:★★☆
問6:材料の応力度とひずみ度に関する記述として、誤っているものはどれか。ただし、部材は比例限度以下の範囲にあるものとする。
- 同じ大きさの軸方向力を受ける場合、部材の断面積が2倍になると、垂直応力度は1/2になる。
- ポアソン比は、縦ひずみ度を横ひずみ度で除した値(絶対値)である。
- 長さ2,000mmの部材が引張力を受けて1.0mm伸びたとき、ひずみ度は5×10⁻⁴である。
- 比例限度以下では応力度はひずみ度に比例し、その比例定数をヤング係数という。
【第6問:正解と解説】
正解:2
正解は2です。ポアソン比は、縦ひずみ度に対する横ひずみ度の比、すなわち横ひずみ度を縦ひずみ度で除した値(絶対値)です。選択肢2は分子と分母が逆になっているため誤りです(東京理科大学『材料の強さと使い方』、北海道大学『構造力学2』講義資料)。
1:正しい。垂直応力度は軸方向力÷断面積なので、断面積が2倍になると1/2になります。
2:誤り。ポアソン比は横ひずみ度÷縦ひずみ度(絶対値)です。分子と分母が逆です。
3:正しい。ひずみ度=伸び÷もとの長さ=1.0mm÷2,000mm=5×10⁻⁴(単位なし)です。
4:正しい。比例限度内では応力度=ヤング係数×ひずみ度(σ=Eε)の関係(フックの法則)が成り立ちます。
重要度:B 難易度:★★★
問7:長柱の弾性座屈に関する次の記述a〜dのうち、正しいものはいくつあるか。ただし、各記述で比べる柱は、記述に示す条件以外(材料・断面・部材の長さなど)は同じとし、自由端を除き、材端の水平移動は拘束されているものとする。
a ヤング係数が大きい材料の柱ほど、弾性座屈荷重は大きい。
b 断面二次モーメントが2倍になると、弾性座屈荷重は2倍になる。
c 両端が固定端の柱の座屈長さは、両端がピン(回転端)の柱の座屈長さより長い。
d 両端がピン(回転端)の柱の弾性座屈荷重は、一端が固定端で他端が自由端の柱の弾性座屈荷重の4倍である。
- 1つ
- 2つ
- 3つ
- 4つ
【第7問:正解と解説】
正解:3
正解は3です。弾性座屈荷重はPk=π²EI/lk²で、ヤング係数Eと断面二次モーメントIに比例し、座屈長さlkの2乗に反比例します(a・bは正しい)。座屈長さは、両端ピンで部材の長さl、両端固定で0.5l、一端固定・他端自由で2lです。cは、両端固定のほうが短い(0.5l)ため誤りです。dは、両端ピン(lk=l)と一端固定・他端自由(lk=2l)の座屈荷重の比が (2l)²/l²=4 となるため正しいです。正しいものはa・b・dの3つです(東京理科大学『材料の強さと使い方』、北海道大学『構造力学2』講義資料)。
1:誤り。正しいものは3つ(a・b・d)です。
2:誤り。正しいものは3つ(a・b・d)です。
3:正しい。a・b・dが正しく、cが誤りです(両端固定の座屈長さは0.5lで、両端ピンのlより短い)。
4:誤り。cは誤りです。材端の拘束が強いほど座屈長さは短くなります。
重要度:B 難易度:★★☆
問8:幅b、せい(高さ)hの長方形断面について、図心を通り幅の辺に平行な軸まわりの断面二次モーメント及び断面係数に関する次の記述a〜dのうち、正しいものの組合せとして、正しいものはどれか。
a 幅bを変えずにせいhを2倍にすると、断面二次モーメントは8倍になる。
b 幅bを変えずにせいhを2倍にすると、断面係数は4倍になる。
c せいhを変えずに幅bを2倍にすると、断面二次モーメントは4倍になる。
d b=100mm、h=200mmのとき、断面二次モーメントは約6.67×10⁵mm⁴である。
- a と c
- a と b
- b と d
- c と d
【第8問:正解と解説】
正解:2
正解は2です。この軸まわりの断面二次モーメントはI=bh³/12、断面係数はZ=bh²/6です。せいhを2倍にすると、Iは2³=8倍(a正しい)、Zは2²=4倍(b正しい)になります。幅bはIの式で1乗なので、bを2倍にしてもIは2倍です(c誤り)。b=100mm、h=200mmのとき、I=100×200³÷12≒6.67×10⁷mm⁴で、6.67×10⁵は断面係数Z=100×200²÷6≒6.67×10⁵mm³の値です(d誤り)。正しいものの組合せはaとbです(東京理科大学『材料の強さと使い方』、北海道大学『構造力学2』講義資料)。
1:誤り。cは誤りです(幅を2倍にしても断面二次モーメントは2倍)。
2:正しい。aはI∝h³で8倍、bはZ∝h²で4倍です。
3:誤り。dは誤りです。6.67×10⁵mm³は断面係数の値で、断面二次モーメントは約6.67×10⁷mm⁴です。
4:誤り。c・dとも誤りです。
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