重要度:A 論点:相殺
問96:悪意による不法行為に基づく損害賠償債権を受働債権とする相殺は許されるか。差押えを受けた債権を受働債権とする相殺はどうか。
解答を見る
悪意による不法行為に基づく損害賠償債務、人の生命・身体の侵害による損害賠償債務の債務者は、相殺をもって債権者に対抗できない。ただし、債権者がその損害賠償債権を他人から譲り受けた場合は、この制限はない。被害者側からの相殺はできる。差押え後に取得した債権による相殺は原則として差押債権者に対抗できないが、その債権が差押え前の原因に基づいて生じたものであるときは対抗できる。ただし、差押え後に他人の債権を取得した場合は除く。差押え前に取得した債権による相殺は対抗できる。
重要度:B 論点:債務引受
問97:併存的債務引受と免責的債務引受の違いと、それぞれの成立要件を述べよ。
解答を見る
併存的=引受人が債務者と連帯して同一内容の債務を負う(債務者は残る)。①債権者と引受人の契約、または②債務者と引受人の契約に債権者が引受人に対して承諾することにより成立する。①は債務者の意思に反してもよい。免責的=引受人のみが債務を負い、債務者は免責される。債権者と引受人の契約+債権者から債務者への通知、または債務者と引受人の契約+債権者の引受人に対する承諾で成立する(令和2年改正で明文化)。
重要度:C 論点:契約総論
問98:契約当事者の地位を第三者に移転するには、何が必要か。不動産賃貸人の地位の移転の特則は何か。
解答を見る
契約上の地位を移転するには、契約当事者の一方と第三者との間の地位移転の合意に加え、契約の相手方の承諾が必要である。不動産賃貸借では、対抗要件を備えた賃貸借の目的不動産が譲渡されると、賃貸人たる地位は賃借人の承諾なく当然に譲受人へ移転する。また、譲渡人と譲受人の合意によっても、賃借人の承諾なく賃貸人たる地位を移転できる。これらの地位の移転を賃借人に対抗するには、所有権移転登記が必要である。
重要度:B 論点:売買
問99:数量に関する契約不適合や、移転した権利の契約不適合(他人の地上権付きだった等)の場合、種類・品質の不適合と扱いは異なるか。
解答を見る
買主の救済手段(追完・代金減額・損害賠償・解除)は共通だが、「不適合を知った時から1年以内の通知」という期間制限は種類・品質の不適合にのみ適用され、数量・権利の不適合には適用されない(消滅時効の一般原則のみ)。期間制限の適用範囲の違いが核心。
重要度:B 論点:請負
問100:請負契約における注文者の解除権と、仕事完成前の報酬について述べよ。
解答を見る
注文者は、仕事の完成前であればいつでも損害を賠償して契約を解除できる。仕事が完成しなかった場合でも、注文者の受ける利益の割合に応じて報酬(割合的報酬)を請求できる場合がある(改正で明文化)。請負の担保責任は売買の契約不適合責任の規定が準用され、注文者の供した材料・指図による不適合は原則追及不可。

コメント