この単元で身につけること
このUnitでは、タックスプランニングの入口として、税金を複数の分類軸から整理します。所得税は国税、個人住民税は地方税であること、直接税と間接税の違い、所得・消費・資産への課税という見方、申告納税方式と賦課課税方式の基本を区別できることを目標とします。
全体像
税金は1つの基準だけで分類するわけではありません。「国と地方のどちらの税か」「納税義務者と実質的な負担者の関係はどうか」「何を課税対象とするか」「税額を誰が計算・決定するか」など、複数の軸があります。
FP3級では、細かな租税法理論よりも、代表的な分類を混同しないことが重要です。
用語の説明
- 国税:国に納める税。
- 地方税:都道府県や市区町村など地方公共団体に納める税。
- 直接税:納税義務者と実質的な税負担者が原則として一致する税。
- 間接税:納税義務者と実質的な税負担者が異なり得る税。
- 所得課税:所得を課税対象として捉える分類。
- 消費課税:財・サービスの消費等を課税対象として捉える分類。
- 資産課税:資産の取得・保有・移転等を課税対象として捉える分類。
- 申告納税方式:納税者の申告を基本として税額を確定する方式。
- 賦課課税方式:課税する側が税額を決定し、納税者へ通知する方式。
基本ルール
国税と地方税
所得税は国税です。個人住民税は地方税です。名称が似ている税や、同じ所得に関連する税でも、国税・地方税の分類は異なることがあります。
ここでは、所得税と個人住民税の基本的な所属を確実に区別します。
直接税と間接税
直接税では、納税義務者と実質的な税負担者が原則として一致します。
間接税では、納税義務者と実質的な税負担者が異なることがあります。「誰が納めるか」だけでなく、「最終的に誰が負担するか」という観点で整理します。
課税対象による分類
税は、何に対して課税するかという観点から、所得課税・消費課税・資産課税などに分けて考えることができます。
この分類は国税・地方税の分類とは別の軸です。「国税か地方税か」と「所得・消費・資産のどれに課税するか」は別々に判断します。
重要な数字
D01では暗記すべき税率・控除額・期限などの固定数値はありません。
このUnitでは数値より、分類軸を正しく選ぶことが重要です。具体的な税率や控除額はD02以降で扱います。
具体例
「所得税は国税、個人住民税は地方税」という分類は、国と地方のどちらに属する税かという軸です。
一方、「直接税か間接税か」は、納税義務者と実質的負担者の関係を見る軸です。
さらに「所得課税・消費課税・資産課税」は、何を課税対象としているかを見る軸です。同じ税でも、どの軸で問われているかを確認してから答えます。
計算のしかた
このUnitには計算問題はありません。
問題を解くときは、まず問われている分類軸を確認します。
- 国税・地方税か
- 直接税・間接税か
- 所得・消費・資産のどれを課税対象とするか
- 申告納税・賦課課税のどちらか
分類軸を混ぜないことが正答への近道です。
よくある間違い
第一の誤りは、所得税と個人住民税をどちらも国税と考えることです。
第二の誤りは、直接税・間接税を「国税・地方税」と同じ分類だと考えることです。
第三の誤りは、所得課税・消費課税・資産課税という課税対象による分類を、税を納める相手による分類と混同することです。
第四の誤りは、申告納税方式と賦課課税方式を直接税・間接税の意味と取り違えることです。
試験での出題のされ方
D01のS001はEX-D-001「所得税の基本・課税方式」に接続します。EX-D-001は2024~2026 CBT公表分で3/3、Frequency_Rate 100、Past_Exam_Frequency=Aです。
S002とS003はUNVERIFIEDです。UNVERIFIEDは当該Question_Slotへ過去問頻度を直接付与していない管理状態であり、出題なし・低頻度という意味ではありません。
まとめ
- 所得税は国税。
- 個人住民税は地方税。
- 直接税は納税義務者と実質的負担者が原則一致。
- 間接税は両者が異なり得る。
- 所得・消費・資産課税は「何を課税対象とするか」という分類。
- 申告納税・賦課課税は「税額をどう確定するか」という分類。
- 複数の分類軸を混同しない。
練習のしかた
税の名称を見たら、すぐ暗記した分類を答えるのではなく、「今は何の軸で分類する問題か」を確認してください。
所得税と個人住民税の国税・地方税、直接税と間接税の定義を説明できれば、D01の基礎は完成です。
FP2級へのつながり
FP2級では、各税目の納税義務者、課税標準、申告・納付、地方税の具体的仕組みなどをより詳しく扱います。
FP3級ではまず、税制全体を整理するための分類軸を身につけることが、D02以降の所得税学習の土台になります。

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