この単元で身につけること
個人住民税の仕組みについて次の状態を目標とします。
- 原則としてその年1月1日の住所地で前年の所得を基に課されることを説明できる。
- 所得割・均等割のほか、利子割・配当割・株式等譲渡所得割があることを挙げられる。
- 所得割の標準税率が合計10%であることを答えられる。
- 均等割の標準額と、併せて徴収される森林環境税の額を答えられる。
- 特別徴収と普通徴収の違い、徴収の期間を判断できる。
金額・税率はすべて法令基準日2026-04-01時点の現行制度によります。自治体が独自に定める細かな取扱いは扱いません。
全体像
個人住民税は、都道府県民税と市区町村民税を合わせた呼び方で、地域の行政サービスの費用を住民が分担する地方税です。所得税が原則としてその年の所得に課されるのに対し、個人住民税は前年の所得を基に課され、課税する自治体は原則としてその年1月1日時点の住所地で決まります。
税額は所得割と均等割から構成され、ほかに利子割・配当割・株式等譲渡所得割の区分もあります。税率や均等割の額には標準となる水準がありますが、自治体の区分により内訳などが異なる場合があります。
用語の説明
所得割:前年の所得金額を基に計算される個人住民税。
均等割:所得の多少にかかわらず一定額を等しく負担する個人住民税。
利子割・配当割・株式等譲渡所得割:利子・配当・上場株式等の譲渡による所得等に課される個人住民税の区分。
森林環境税:均等割と併せて徴収される国税。地方税である個人住民税とは税目が異なります。
特別徴収・普通徴収:前者は給与等の支払者が給与から住民税を差し引いて納入する方法、後者は納税者が納税通知書により自分で納付する方法。
基本ルール
課税のしくみ:原則としてその年1月1日の住所地の自治体が前年の所得を基に課税します。年の途中で転居しても、その年度の課税は原則1月1日時点の住所地が行います。
税の区分:所得割・均等割のほか、利子割・配当割・株式等譲渡所得割があります。
所得割の標準税率:都道府県民税と市区町村民税を合計して10%です。内訳は自治体の区分により異なり、たとえば東京都では都民税4%と区市町村民税6%、指定都市等では内訳が異なる場合があります。全国一律として押さえるのは合計10%までであり、内訳を全国共通の数字として覚えないでください。
均等割と森林環境税:均等割の標準額は年4,000円です(東京都の例では都民税1,000円と区市町村民税3,000円)。これと併せて森林環境税が年1,000円徴収されます。森林環境税は令和6年度からの徴収で、地方税ではなく国税である点が重要です。
徴収方法:給与所得者は原則6月から翌年5月までの間、毎月の給与から差し引かれる特別徴収によります。事業所得者などは納税通知書により自分で納付する普通徴収によります。普通徴収の納期は東京都の標準的な取扱いで年4回ですが、回数は自治体により異なる場合があります。
重要な数字
本単元の重要数字は次のとおりです(2026-04-01基準)。
・賦課の基準:原則その年1月1日の住所地/前年の所得を基に課税 ・所得割の標準税率:合計10%(東京都の例は都民税4%+区市町村民税6%。内訳は自治体区分により異なる) ・均等割の標準額:年4,000円(東京都の例は都民税1,000円+区市町村民税3,000円) ・森林環境税:年1,000円(令和6年度から均等割と併せて徴収される国税) ・特別徴収の期間:原則6月から翌年5月まで ・普通徴収の納期:東京都の標準例で年4回
内訳と納期回数は例示であり、自治体により異なります。
具体例
会社員のHさんがある年の12月に他県へ転居した場合を考えます。
・翌年度の個人住民税は、原則として1月1日時点の住所地の自治体が課税します。12月の転居であれば転居後の住所地が課税することになります。 ・課税の対象は、転居前も含めた前年1年間の所得です。 ・Hさんが給与所得者であれば、住民税は原則6月から翌年5月まで毎月の給与から差し引かれます。
一方、個人で事業を営むIさんは納税通知書により自分で納付します。この普通徴収の納期は東京都の標準例で年4回です。
計算のしかた
所得割の計算の考え方を確認します(数値は例示用)。課税所得金額180万円に標準税率10%を適用する場合。
- 求めるもの:所得割の額
- 使用するルール:課税所得金額×所得割の標準税率(合計10%)
- 数値代入:180万円×10%
- 計算:180,000円
- 単位確認:円単位で180,000円
- 結果:所得割の額は180,000円
実際に納める個人住民税にはこれに均等割が加わり、森林環境税も併せて徴収されます。税額控除や自治体ごとの取扱いにより負担額は異なる場合があります。
よくある間違い
- 課税年度の取り違え:個人住民税は前年の所得を基に課されます。その年の所得に課される所得税と混同しないこと。
- 賦課の基準日の誤り:課税自治体は原則その年1月1日時点の住所地で決まり、年度途中の転居で変わるわけではありません。
- 内訳の全国一律化:全国共通に押さえるのは所得割の標準税率の合計10%までです。
- 森林環境税を地方税と誤解:均等割と併せて徴収されますが国税です。
- 特別徴収期間の誤り:原則6月から翌年5月までです。4月から翌年3月までではありません。
- 普通徴収の納期回数の一般化:年4回は東京都の標準的な取扱いです。
試験での出題のされ方
本単元は、当該Unitおよび全Question_Slotについて過去問頻度を直接付与していない管理状態(UNVERIFIED)にあります。これは管理上の状態であり、出題可能性の否定ではありません。前年所得課税・賦課の基準日・所得割の標準税率・徴収方法を基本事項として整理します。
学習では、全国共通に押さえる水準と、自治体により異なり得る事項(内訳・納期回数)を区別して整理すると有効です。
まとめ
・原則としてその年1月1日の住所地の自治体が、前年の所得を基に課税します。 ・所得割・均等割のほか、利子割・配当割・株式等譲渡所得割があります。 ・所得割の標準税率は合計10%。内訳は自治体区分により異なり、東京都の例は都民税4%+区市町村民税6%です。 ・均等割の標準額は年4,000円、併せて徴収される森林環境税は年1,000円で国税です。 ・給与所得者は原則6月から翌年5月まで特別徴収、事業所得者等は普通徴収(東京都の標準例で年4回)。
練習のしかた
- 個人住民税は、原則としてその年1月1日の住所地の自治体が前年の所得を基に課税する。○か×か。
- 所得割の標準税率は、都道府県民税と市区町村民税を合計して何%か。
- 均等割の標準額は年いくらか。
- 均等割と併せて徴収される森林環境税は、地方税と国税のどちらか。
- 給与所得者の特別徴収は、原則としていつからいつまで行われるか。
(答え:1 ○/2 10%/3 4,000円/4 国税/5 6月から翌年5月まで)
FP2級へのつながり
FP2級では所得税と個人住民税の所得控除の金額の違い、税額控除の取扱い、非課税となる場合などが詳細に問われます。FP3級では本単元の課税のしくみ・標準税率・均等割と森林環境税・徴収方法を正確に押さえることが土台になります。

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