社会保険労務士 労働基準法 択一式(応用) 第31問〜第32問|総合

論点:総合

問31:労働基準法に定める災害補償に関する次の記述のうち、正しいものはどれか。

  • A:労働者が業務上負傷した場合であっても、使用者に故意又は過失がなければ、使用者は災害補償責任を負わない。
  • B:休業補償は、労働者が業務上の負傷又は疾病の療養のため労働できず賃金を受けない場合、休業第4日目から平均賃金の100分の60を支払えば足りる。
  • C:労働者が業務上負傷し、又は疾病にかかり、治った場合において、その身体に障害が存するときは、使用者は、その障害の程度に応じて障害補償を行わなければならない。
  • D:労働者が業務上死亡した場合の遺族補償の額は、平均賃金の1200日分である。
  • E:労災保険法に基づき労働基準法上の災害補償に相当する給付が行われるべき場合であっても、使用者は同一の事由について労働基準法上の補償を重ねて行わなければならない。
【第31問:正解と解説】

正解:C

・A
【選択肢解説】労基法上の災害補償責任は、使用者の故意・過失を要件としない無過失責任である。

・B
【選択肢解説】労基法76条の休業補償には3日間の待期はなく、療養のため労働できず賃金を受けない期間について補償する。労災保険の休業(補償)等給付が第4日目から支給されることと区別する。

・C
【論点】障害補償の要件(労基法77条)。【考え方】障害補償は、業務上の負傷又は疾病が「治った」後に身体障害が残った場合に、その障害等級に応じ、平均賃金に別表所定の日数を乗じた額を支給する制度である。療養中に行う補償ではない点が重要である。【選択肢解説】治癒後に身体障害が残った場合には障害補償を行うため、本記述は正しい。

・D
【選択肢解説】遺族補償は平均賃金の1000日分である(労基法79条)。1200日分は打切補償である。

・E
【選択肢解説】同一の事由について労災保険法等による相当給付が行われるべき場合、使用者はその限度で労基法上の災害補償責任を免れる(労基法84条1項)。


論点:総合

問32:労働基準法に定める退職時等の証明及び金品の返還に関する次の記述のうち、誤っているものはどれか。

  • A:労働者が退職の場合に使用期間、業務の種類、事業における地位、賃金又は退職の事由について証明書を請求したときは、使用者は遅滞なくこれを交付しなければならない。
  • B:退職時等の証明書には、労働者が請求していない事項を記入してはならない。
  • C:解雇予告がされた日から退職の日までの間に、労働者が解雇の理由について証明書を請求したときは、使用者は遅滞なくこれを交付しなければならない。
  • D:解雇予告後に、労働者が当該解雇とは別の事由により退職した場合であっても、使用者は退職の日以後に解雇理由証明書を交付しなければならない。
  • E:労働者の死亡又は退職に際して賃金又は金品に争いがある場合、使用者は、権利者の請求の日から7日以内に異議のない部分を支払い、又は返還しなければならない。
【第32問:正解と解説】

正解:D

・A
正しい(=正解肢ではない)。【選択肢解説】労基法22条1項のとおりであり、使用者は請求された事項について遅滞なく証明書を交付しなければならない。

・B
正しい(=正解肢ではない)。【選択肢解説】証明書には労働者が請求しない事項を記入してはならない(労基法22条3項)。

・C
正しい(=正解肢ではない)。【選択肢解説】解雇予告日から退職日までの間に解雇理由証明書を請求された場合、使用者は遅滞なく交付しなければならない(労基法22条2項)。

・D
【論点】解雇理由証明書の交付義務がなくなる場合(労基法22条2項ただし書)。【考え方】解雇予告後であっても、労働者がその解雇とは別の事由で退職した場合には、退職後まで当該解雇理由の証明義務を負わせる必要がないため、退職の日以後は交付を要しない。退職前に請求された場合の義務と区別する。【選択肢解説】別事由で退職した場合、退職の日以後は解雇理由証明書を交付する必要がないため、本記述は誤りであり、これが正解肢となる。

・E
正しい(=正解肢ではない)。【選択肢解説】争いがある場合でも、異議のない部分は権利者の請求から7日以内に支払い、又は返還しなければならない(労基法23条2項)。


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