社会保険労務士 労働基準法 択一式(応用) 第23問〜第24問|総合

論点:総合

問23:労働基準法に定める36協定に関する次の記述のうち、正しいものはどれか。

  • A:36協定を締結すれば、行政官庁に届け出なくても時間外労働をさせることができる。
  • B:36協定を締結すれば、労働者は時間外労働を拒むことができなくなる。
  • C:36協定は、これを締結したうえで行政官庁に届け出ることにより、時間外労働をさせても労働基準法違反とならないという効果(免罰効果)を生じる。
  • D:時間外労働の限度時間は、原則として1か月45時間、1年320時間である。
  • E:自動車運転の業務については、令和6年4月1日以降も時間外労働の上限規制は適用されない。
【第23問:正解と解説】

正解:C

・A
【選択肢解説】届出をして初めて免罰効果が生じる。

・B
【選択肢解説】労働義務を生じさせるには就業規則等の根拠が必要である。

・C
【論点】36協定の法的効果(労基法36条1項)。【考え方】36協定は、これを締結・届出することにより、法定労働時間を超えて労働させても32条違反とならないという免罰効果を生じさせるにとどまる。労働者に時間外労働の義務を生じさせるためには、就業規則や労働契約に別途の根拠が必要である。「36協定を締結すれば労働者は時間外労働を拒めない」とする記述は、この免罰効果の理解を試す典型的な誤り肢である。【選択肢解説】36協定の効果は免罰効果であるから、本記述は正しい。

・D
【選択肢解説】原則の限度時間は1か月45時間・1年360時間である。1か月42時間・1年320時間は1年単位の変形労働時間制(対象期間3か月超)の対象者に適用される。

・E
【選択肢解説】令和6年4月1日から上限規制が適用されている(特別条項付き協定による年間上限は960時間)。


論点:総合

問24:労働基準法及び労働契約法に定める就業規則の効力に関する次の記述のうち、誤っているものはどれか。

  • A:就業規則は、法令又は当該事業場について適用される労働協約に反してはならない。
  • B:行政官庁は、法令又は労働協約に抵触する就業規則の変更を命ずることができる。
  • C:就業規則が効力を有するためには、その内容を適用対象となる労働者に周知させる手続が採られていることを要する。
  • D:就業規則で定める基準を上回る労働条件を定める労働契約は、その部分については無効となり、就業規則で定める基準による。
  • E:変更後の就業規則を労働者に周知させ、かつ変更が合理的なものであるときは、労働条件は変更後の就業規則によるものとなる。
【第24問:正解と解説】

正解:D

・A
正しい(=正解肢ではない)。【選択肢解説】労基法92条1項のとおりである。

・B
正しい(=正解肢ではない)。【選択肢解説】労基法92条2項のとおりである。

・C
正しい(=正解肢ではない)。【選択肢解説】フジ興産事件のとおりである。

・D
【論点】就業規則の最低基準効(労働契約法12条、労基法93条)。【考え方】就業規則が無効とするのは、就業規則で定める基準に「達しない」労働条件を定める労働契約の部分であり、就業規則を「上回る」労働条件を定める労働契約は有効である。就業規則は個別労働契約の最低基準として機能するためである。法令・労働協約・就業規則・労働契約の関係を単純な一列の優先順位として処理せず、就業規則を下回る個別合意だけが無効となる点を押さえる。【選択肢解説】就業規則を上回る労働条件を定める労働契約は有効であるから、本記述は誤りであり、これが正解肢となる。

・E
正しい(=正解肢ではない)。【選択肢解説】労働契約法10条のとおりである。周知と合理性の2要件が必要である。


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