論点:総合
問3:労働基準法に定める賃金に関する次の記述のうち、正しいものはどれか。
- A:使用者は、労使協定を締結すれば、通貨以外のもので賃金を支払うことができる。
- B:賃金債権が有効に譲渡された場合、使用者は譲受人に対して賃金を支払わなければならない。
- C:使用者は、労働協約に別段の定めがある場合には、通貨以外のもので賃金を支払うことができる。
- D:使用者の責に帰すべき事由による休業の場合、使用者は、休業期間中の労働者に、その通常の賃金の100分の60以上の手当を支払わなければならない。
- E:賃金の一部を控除して支払うためには、労使協定を締結し、行政官庁に届け出なければならない。
【第3問:正解と解説】
正解:C
・A
【選択肢解説】通貨以外のものによる支払を可能にするのは労働協約であり、労使協定ではない。
・B
【選択肢解説】賃金債権が有効に譲渡された場合であっても、使用者は直接労働者に支払わなければならない(直接払の原則。最高裁)。
・C
【論点】通貨払の原則の例外(労基法24条1項ただし書)。【考え方】現物給与を可能にするのは「労働協約」であって「労使協定」ではない。労使協定が例外を作るのは全額払(賃金控除)や社内預金であり、この使い分けが本条の最大の急所である。しかも労働協約の効力は原則としてその適用を受ける組合員にのみ及ぶため、非組合員に現物給与を行うことはできない。【選択肢解説】労働協約に別段の定めがある場合には通貨以外のもので賃金を支払うことができるため、本記述は正しい。
・D
【選択肢解説】基準となるのは「通常の賃金」ではなく「平均賃金」である(労基法26条)。
・E
【選択肢解説】賃金控除に関する労使協定は届出を要しない。届出が必要な労使協定は、36協定、社内預金、1年単位の変形労働時間制、清算期間1か月超のフレックスタイム制等である。
論点:総合
問4:労働基準法に定める平均賃金に関する次の記述のうち、誤っているものはどれか。
- A:賃金締切日がある場合においては、直前の賃金締切日から起算する。
- B:業務上負傷し、療養のために休業した期間及びその期間中の賃金は、平均賃金の算定期間及び賃金の総額から控除する。
- C:臨時に支払われた賃金及び3か月を超える期間ごとに支払われる賃金は、賃金の総額に算入しない。
- D:平均賃金は、これを算定すべき事由の発生した日以前3か月間にその労働者に対し支払われた賃金の総額を、その期間中に労働した日数で除した金額である。
- E:雇入れ後3か月に満たない者については、雇入れ後の期間とその期間中の賃金の総額により算定する。
【第4問:正解と解説】
正解:D
・A
正しい(=正解肢ではない)。【選択肢解説】労基法12条2項のとおりである。
・B
正しい(=正解肢ではない)。【選択肢解説】労基法12条3項のとおりである。私傷病による休業期間は控除されない点と対比すること。
・C
正しい(=正解肢ではない)。【選択肢解説】労基法12条4項のとおりである。なお、通勤手当や家族手当は平均賃金の算定では除外されない。割増賃金の算定基礎から除外できる場合があるが、名称だけでなく、家族数・通勤距離等に応じて算定されるなど所定の要件を満たす必要がある。
・D
【論点】平均賃金の原則的算定方法(労基法12条1項)。【考え方】原則計算の分母は「その期間の総日数(暦日数)」であって「労働日数」ではない。労働日数で除するのは、日給制・時間給制・出来高払制の労働者について適用される最低保障額(賃金総額÷労働日数×100分の60)の計算においてである。分母を入れ替える誤り肢は最頻出であり、原則計算と最低保障の2本立てを常に意識する。【選択肢解説】除するのは総日数であって労働した日数ではないから、本記述は誤りであり、これが正解肢となる。
・E
正しい(=正解肢ではない)。【選択肢解説】労基法12条6項のとおりである。

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