社会保険労務士 労働基準法 択一式(応用) 第11問〜第12問|総合

論点:総合

問11:労働基準法に定める就業規則に関する次の記述のうち、正しいものはどれか。

  • A:使用者は、就業規則の作成又は変更について、当該事業場に労働者の過半数で組織する労働組合がある場合においてはその労働組合の意見を聴かなければならないが、その同意を得る必要はない。
  • B:常時5人以上の労働者を使用する使用者は、就業規則を作成し、行政官庁に届け出なければならない。
  • C:退職手当に関する事項は、就業規則の絶対的必要記載事項である。
  • D:減給の制裁を定める場合、1回の額が平均賃金の1日分を超え、総額が一賃金支払期における賃金の総額の10分の1を超えてはならない。
  • E:就業規則は、行政官庁に届け出た時点で労働者に対する効力を生じる。
【第11問:正解と解説】

正解:A

・A
【論点】就業規則の作成・変更手続(労基法90条1項)と寄宿舎規則との対比。【考え方】就業規則は「意見聴取」で足り、同意も協議も不要である。これに対し、寄宿舎規則(95条)は労働者の過半数を代表する者の「同意」が必要とされる。この意見聴取と同意の対比が、就業規則における最頻出のひっかけである。反対意見が記載された意見書であっても、添付されていれば届出は有効に受理される。【選択肢解説】意見を聴けば足り同意は不要であるから、本記述は正しい。

・B
【選択肢解説】就業規則の作成・届出義務が生じるのは常時10人以上の労働者を使用する使用者である(労基法89条)。

・C
【選択肢解説】退職手当に関する事項は、定めをする場合に記載しなければならない相対的必要記載事項である。絶対的必要記載事項は労働時間関係・賃金関係・退職に関する事項の3つである。

・D
【選択肢解説】1回の額の限度は「平均賃金の1日分の半額」である(労基法91条)。

・E
【選択肢解説】就業規則が効力を有するには、その内容を適用対象となる労働者に周知させる手続が採られていることを要する(フジ興産事件)。届出のみでは足りない。


論点:総合

問12:労働基準法に定める総則及び雑則に関する次の記述のうち、誤っているものはどれか。

  • A:使用者は、労働者の国籍、信条又は社会的身分を理由として、賃金、労働時間その他の労働条件について差別的取扱いをしてはならない。
  • B:労働基準法違反があった場合において、裁判所は、労働者の請求により、使用者に対して未払金と同一額の付加金の支払を命ずることができるが、労働基準監督署長も同様の命令をすることができる。
  • C:何人も、法律に基づいて許される場合のほか、業として他人の就業に介入して利益を得てはならない。
  • D:賃金の請求権の時効は5年であるが、当分の間は3年とされている。一方、退職手当の請求権の時効は5年である。
  • E:使用者は、労働者名簿、賃金台帳その他労働関係に関する重要な書類を5年間(当分の間3年間)保存しなければならない。
【第12問:正解と解説】

正解:B

・A
正しい(=正解肢ではない)。【選択肢解説】労基法3条のとおりである。差別禁止事由に「性別」が含まれていない点が急所である。

・B
【論点】付加金の性質(労基法114条)。【考え方】付加金の支払を命ずることができるのは「裁判所」のみであり、しかも「労働者の請求により」行われる。行政官庁(労働基準監督署長)が付加金の納付を命ずることはできない。対象は解雇予告手当・休業手当・割増賃金・年次有給休暇中の賃金の4つに限られ、請求は違反のあった時から5年(当分の間3年)以内にしなければならない。判決確定前に使用者が未払金を支払えば、裁判所は付加金の支払を命ずることができない。【選択肢解説】労働基準監督署長は付加金の支払を命ずることができないから、本記述は誤りであり、これが正解肢となる。

・C
正しい(=正解肢ではない)。【選択肢解説】労基法6条のとおりである。主体が「使用者」ではなく「何人も」である点に注意する。

・D
正しい(=正解肢ではない)。【選択肢解説】労基法115条・附則143条3項のとおりである。退職手当だけは当分の間の経過措置がない。

・E
正しい(=正解肢ではない)。【選択肢解説】労基法109条・附則143条1項のとおりである。年次有給休暇管理簿の保存期間が3年間であることと区別する。


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