論点:総合
問1:労働基準法に定める労働契約に関する次の記述のうち、正しいものはどれか。
- A:使用者が明示した労働条件が事実と相違する場合においては、労働者は、即時に労働契約を解除することができる。
- B:労働契約の期間は、一定の事業の完了に必要な期間を定めるものを除き、満60歳以上の労働者との労働契約であっても3年を超えてはならない。
- C:親権者又は後見人は、未成年者に代わって労働契約を締結することができるが、その契約が未成年者に不利であると認められる場合には、将来に向かってこれを解除することができる。
- D:使用者は、労働者の死亡又は退職の場合において、退職の日から7日以内に、賃金を支払い、労働者の権利に属する金品を返還しなければならない。
- E:使用者は、労働契約の不履行について違約金を定める契約をしてはならないが、労働者が現実に生じさせた損害について賠償を請求することも一切できない。
【第1問:正解と解説】
正解:A
・A
【論点】労働条件の明示違反の効果(労基法15条2項)。【考え方】明示された条件と事実が異なる場合、労働者を契約に縛り付けるのは酷であるから、予告期間なしに直ちに契約関係から離脱できることとされている。ここで登場する「14日」は、契約を解除した労働者が就業のため住居を変更していた場合に、解除の日から14日以内に帰郷するときの旅費負担(15条3項)の期限であって、解除の予告期間ではない。【選択肢解説】労働者は即時に労働契約を解除することができるため、本記述は正しい。
・B
【選択肢解説】満60歳以上の労働者との労働契約は、契約期間の上限が5年とされている(労基法14条1項2号)。3年ではない。
・C
【選択肢解説】親権者又は後見人が未成年者に代わって労働契約を締結することは禁止されている(労基法58条1項)。解除できる旨の後段は正しいが、前段が誤りである。
・D
【選択肢解説】7日の起算点は「退職の日」ではなく「権利者の請求があった日」である(労基法23条1項)。
・E
【選択肢解説】労基法16条が禁止するのは、あらかじめ違約金や損害賠償額を予定することである。現実に生じた損害について賠償を請求することは禁止されていない。
論点:総合
問2:労働基準法に定める解雇に関する次の記述のうち、誤っているものはどれか。
- A:使用者は、労働者が業務上負傷し、療養のために休業する期間及びその後30日間は、原則として解雇してはならない。
- B:使用者は、天災事変その他やむを得ない事由のために事業の継続が不可能となった場合には、行政官庁の認定を受けることなく、解雇の予告をせずに労働者を解雇することができる。
- C:使用者が打切補償として平均賃金の1200日分を支払う場合には、解雇制限は適用されない。
- D:解雇の予告の日数は、1日について平均賃金を支払った日数だけ短縮することができる。
- E:試の使用期間中の者については、14日を超えて引き続き使用されるに至った場合には、解雇予告の規定が適用される。
【第2問:正解と解説】
正解:B
・A
正しい(=正解肢ではない)。【選択肢解説】労基法19条1項の解雇制限のとおりである。
・B
【論点】解雇予告の除外事由と行政官庁の認定(労基法20条1項ただし書・3項)。【考え方】解雇予告義務が免除されるのは①天災事変その他やむを得ない事由のために事業の継続が不可能となった場合②労働者の責めに帰すべき事由に基づいて解雇する場合の2つであるが、いずれについても行政官庁(所轄労働基準監督署長)の認定を受けなければならない。認定の要否をめぐる誤り肢は頻出であり、「認定不要」とする記述は誤りと判断してよい。【選択肢解説】行政官庁の認定が必要であるから、本記述は誤りであり、これが正解肢となる。
・C
正しい(=正解肢ではない)。【選択肢解説】労基法19条1項ただし書・81条のとおりである。1200日分という日数も正しい。
・D
正しい(=正解肢ではない)。【選択肢解説】労基法20条2項のとおりである。10日分の平均賃金を支払えば20日前の予告で足りる。
・E
正しい(=正解肢ではない)。【選択肢解説】労基法21条のとおりである。日日雇い入れられる者は1か月を超えて引き続き使用された場合に適用される。

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