宅地建物取引士 権利関係 択一式(初級) 第88問〜第90問|賃貸借・借地借家法

重要度:A 論点:定期建物賃貸借

問88:定期建物賃貸借に関する次の記述のうち、借地借家法の規定によれば、正しいものはどれか。

  • A:定期建物賃貸借の存続期間は、1年以上で定めなければならない。
  • B:賃貸人が契約前に、更新がなく期間満了により終了する旨を記載した書面を交付して(または賃借人の承諾を得て電磁的方法により提供して)説明しなかった場合、更新がない旨の特約は無効となる。
  • C:定期建物賃貸借契約は、口頭で締結しても、期間満了により終了する旨の特約があれば有効である。
【第88問:正解と解説】

正解:B
【解説】
・A:誤り。定期建物賃貸借は1年未満の期間も有効に定められる(普通建物賃貸借では1年未満は期間の定めなしとみなされる点との対比)。
・B:正しい。事前説明を欠くと更新排除特約が無効となり、普通建物賃貸借となる。【試験対策】定期建物賃貸借の手続2点セット=「①書面(電磁的記録可)による契約」+「②契約前の書面交付+説明」。②を欠いた場合の効果(特約のみ無効→普通賃貸借化)まで問われる。契約書とは別個の書面が必要という判例もある。
・C:誤り。定期建物賃貸借は公正証書等の書面(電磁的記録可)による契約が必要。口頭では定期性が認められない。


重要度:A 論点:必要費・有益費

問89:賃貸借契約における費用償還請求に関する次の記述のうち、民法の規定によれば、正しいものはどれか。

  • A:賃借人は、賃借物について有益費を支出したときは、契約期間中であっても直ちにその償還を貸主に請求することができる。
  • B:賃借人が支出した有益費については、賃貸借終了時に、その価格の増加が現存する場合に限り、貸主の選択に従い、支出額または増価額の償還を請求することができる。
  • C:賃借人は、賃借物について必要費を支出したときは、賃貸借終了時まで待たなければ、その償還を請求することができない。
【第89問:正解と解説】

正解:B
【解説】
・A:誤り。有益費の償還請求は賃貸借終了時に行う(必要費との違い)。「直ちに請求できる」とする点が必要費との混同。
・B:正しい。民法608条2項により196条2項が準用される。有益費は賃貸借終了時に、価格の増加が現存する限度で、貸主の選択に従い、支出額または増価額を償還する。裁判所は貸主の請求により相当の期限を許与できる。
・C:誤り。必要費は支出後直ちに償還請求できる(608条1項)。「終了時まで待たなければならない」とする点が有益費との混同。【試験対策】必要費=直ちに請求可、有益費=終了時に価格増加が現存する場合に限り貸主の選択で請求可、の対比が頻出。


重要度:A 論点:賃貸人の修繕義務・賃借人の修繕権

問90:賃貸物の修繕に関する次の記述のうち、民法の規定によれば、正しいものはどれか。

  • A:賃貸人は、賃借人の責めに帰すべき事由によって修繕が必要となった場合であっても、修繕をする義務を負う。
  • B:賃借人が賃貸人に修繕が必要である旨を通知したにもかかわらず、賃貸人が相当の期間内に必要な修繕をしないときは、賃借人は自ら修繕をすることができる。
  • C:賃借物の一部が賃借人の責めに帰することができない事由により滅失した場合、賃料は当然には減額されず、賃借人からの請求が必要である。
【第90問:正解と解説】

正解:B
【解説】
・A:誤り。賃借人の責めに帰すべき事由による修繕の必要は、賃貸人の修繕義務の対象外(606条1項ただし書)。
・B:正しい。607条の2第1号。通知後相当期間内に修繕されない場合、賃借人自身が修繕できる(他に急迫の事情がある場合も可)。
・C:誤り。令和2年改正により、賃借人の責めに帰することができない事由による一部滅失等で使用収益できなくなった部分の割合に応じて、賃料は請求不要で当然に減額される(611条1項)。


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