宅地建物取引士 権利関係 択一式(初級) 第49問〜第51問|担保物権

重要度:B 論点:建物明渡猶予制度

問49:抵当権設定登記後に賃貸された抵当建物の賃借人に関する次の記述のうち、正しいものはどれか。

  • A:競売による買受人の買受けの時から1年間、建物の明渡しが猶予される。
  • B:抵当権者に対抗することができない賃貸借により競売手続開始前から使用収益する賃借人は、民法第395条第2項により猶予を失う場合を除き、買受けの時から6か月間、明渡しが猶予される。
  • C:明渡猶予制度により、賃借人は買受人に賃借権を対抗することができる。
【第49問:正解と解説】

正解:B
【解説】
・A:誤り。猶予期間は6か月。1年への入れ替え。
・B:正しい。抵当権者に対抗できない賃貸借により競売手続開始前から抵当建物を使用収益する者は、原則として買受けの時から6か月間、明渡しが猶予される。ただし、買受け後の使用の対価について、買受人が相当の期間を定めて1か月分以上の支払を催告し、その期間内に履行がないときは猶予されない。【試験対策】猶予されるのは明渡しだけで、賃借権を対抗できるわけではない。対象は建物の使用者に限られる。
・C:誤り。対抗できるのではなく、明渡しが猶予されるにとどまる。


重要度:C 論点:留置権

問50:留置権に関する次の記述のうち、正しいものはどれか。

  • A:建物の賃借人が支出した必要費の償還請求権に基づき、賃借人は建物を留置することができる。
  • B:不動産が二重に売買された場合、売主への損害賠償請求権に基づき、買主の一方は不動産を留置することができる。
  • C:留置権には優先弁済的効力があり、留置物の競売代金から優先弁済を受けることができる。
【第50問:正解と解説】

正解:A
【解説】
・A:正しい。必要費・有益費の償還請求権は「その物に関して生じた債権」であり留置権が成立する。【試験対策】牽連性の判例=「○:費用償還請求権・建物買取請求権の代金(敷地留置可)」「×:二重売買の損害賠償請求権・造作買取請求権の代金(建物留置不可)」。○×の代表例を対で覚える。
・B:誤り。二重売買の履行不能による損害賠償債権は物に関して生じた債権ではなく、留置権は成立しない(判例)。
・C:誤り。留置権に優先弁済的効力はない(競売は可能だが形式的競売)。担保物権の中で留置権だけ優先弁済権がない点が特徴。


重要度:A 論点:保証契約の要式

問51:保証契約に関する次の記述のうち、正しいものはどれか。

  • A:保証契約は、書面(または電磁的記録)でしなければ効力を生じない。
  • B:保証契約は、口頭の合意によっても有効に成立する。
  • C:事業用融資の第三者個人保証では、契約締結後1か月以内に公正証書を作成すれば足りる。
【第51問:正解と解説】

正解:A
【解説】
・A:正しい。保証は要式契約(書面必須)。【試験対策】軽率な保証を防ぐ趣旨。さらに事業用貸金等債務の第三者個人保証は「締結前1か月以内に作成された公正証書」での保証意思表示が必要(経営者等は除く)。書面→公正証書という保護の二段階で整理。
・B:誤り。口頭の保証契約は無効。
・C:誤り。公正証書は契約締結「前」1か月以内の作成が必要。事後では効力を生じない。


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