重要度:B 論点:メリット制と労災保険給付
問11:労災保険給付が支給されたことがメリット制に及ぼす影響について述べよ。
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メリット収支率の分子には、原則として業務災害に関する保険給付及び特別支給金の額が算入される。これに対し、通勤災害に係る給付、二次健康診断等給付、非業務災害率で負担する給付等は算入されない。また、法令所定の要件を満たす特定疾病に係る給付、障害補償年金差額一時金等の一定の給付、第3種特別加入者に係る給付等には除外がある。じん肺、振動障害、騒音性難聴、石綿疾病等であれば無条件にすべて除外されるという意味ではなく、法令所定の事業・労働者等の要件を確認する必要がある。
重要度:B 論点:第三者行為災害届
問12:第三者行為災害届について述べよ。
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第三者の行為によって生じた災害について労災保険給付を請求する場合、受給権者は、第三者の氏名・住所、事故状況、損害賠償の受領状況等を記載した第三者行為災害届を、保険給付の請求と同時又は速やかに所轄労働基準監督署へ提出する。政府が先に保険給付をしたときは、その給付価額の限度で受給権者の第三者に対する損害賠償請求権を取得する(法12条の4第1項・求償)。第三者から先に損害賠償を受けたときは、政府はその価額の限度で保険給付をしないことができる(同条2項・控除)。
重要度:B 論点:労災保険と損害賠償
問13:労災保険給付と事業主に対する損害賠償請求の関係を述べよ。
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労災保険給付が実際に行われた場合、事業主は、同一の事由について、その給付価額の限度で労働基準法上の災害補償責任を免れる(労基法84条1項)。一方、民法上の損害賠償請求権が、労災保険給付を受けることができるというだけで当然に消滅するわけではない。実際に支給された保険給付は、損害項目が同一である範囲で損害賠償額と調整される。年金給付の受給権が生じた場合、事業主は、前払一時金の最高限度額まで損害賠償の履行を猶予され、その後に年金が現実に支給された額の限度で損害賠償責任を免れる(法附則64条)。特別支給金は原則として損害填補を目的とする保険給付ではなく、通常の損益相殺の対象とは区別される。
重要度:C 論点:石綿健康被害
問14:石綿による健康被害と労災保険の関係を述べよ。
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石綿ばく露作業により中皮腫、肺がん、石綿肺等を発症した労働者は、業務起因性等が認められれば労災保険給付の対象となる。石綿による疾病で死亡し、労災保険の遺族補償給付を受ける権利が5年の時効により消滅した遺族には、石綿健康被害救済法の特別遺族給付金が支給され得る。2026年4月11日時点では、2026年3月26日までに死亡した労働者の遺族まで支給対象が拡大され、請求期限は2032年3月27日である。
重要度:B 論点:特別加入者の業務災害
問15:中小事業主の特別加入者について、業務災害と認められない場合を述べよ。
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中小事業主等の特別加入者は、申請書別紙に記載された業務について、労働者の所定労働時間内に労働者と同様の業務又はこれに直接附帯する行為を行っている場合等に保護される。株主総会への出席など、事業主の立場で行う経営者固有の行為、申請・承認された業務範囲外の行為、私的行為等による災害は、原則として業務災害と認められない。取引先との商談は内容・態様によって評価が異なり得るため、すべてを一律に経営者固有行為として除外する表現は適切でない。

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