社会保険労務士 労働基準法 択一式(初級) 第1問〜第3問|労働契約

重要度:A 論点:労働条件の明示

問1:労働契約の締結に際し、使用者が書面の交付により明示しなければならない事項として、正しいものはどれか。

  • A:退職に関する事項(解雇の事由を含む)
  • B:昇給に関する事項
  • C:退職手当の決定・計算・支払の方法
【第1問:正解と解説】

正解:A
【解説】
・A:正しい。退職に関する事項は、解雇の事由を含めて書面交付による明示事項とされている(労基法15条1項、則5条1項・3項)。【試験対策】書面明示の中心事項は「契約期間/更新基準(更新上限を含む)/就業場所・業務(変更の範囲を含む)/労働時間関係/賃金関係/退職」。昇給に関する事項は明示自体は必要だが、書面等による明示の対象から除かれる。労働者が希望した場合は、出力して書面を作成できるFAX・電子メール等による明示も可能である。
・B:誤り。昇給に関する事項は明示事項ではあるが、書面等による明示の対象からは除かれている(則5条3項)。
・C:誤り。退職手当に関する事項は、定めをする場合に明示すべき事項(相対的明示事項)であり、書面交付による明示事項ではない。


重要度:A 論点:労働条件の明示

問2:令和6年4月1日施行の改正により、すべての労働者に対して新たに明示が必要となった事項として、正しいものはどれか。

  • A:無期転換申込みの機会及び無期転換後の労働条件
  • B:就業の場所及び従事すべき業務の「変更の範囲」
  • C:更新上限(通算契約期間又は更新回数の上限)の有無と内容
【第2問:正解と解説】

正解:B
【解説】
・A:誤り。これは有期労働契約者のうち、無期転換申込権が発生する契約更新時に明示が必要となる事項であり、すべての労働者が対象ではない。
・B:正しい。雇入れ直後の就業場所・業務だけでなく、将来の配置転換等により変わり得る範囲を明示しなければならない。【試験対策】令和6年4月改正は3点セット。①全労働者=就業場所・業務の「変更の範囲」②有期=更新上限の有無と内容③無期転換申込権が発生する更新時=申込機会と転換後の労働条件。「すべての労働者が対象」なのは①だけである点が問われる。
・C:誤り。これは有期労働契約の締結及び更新のたびに明示が必要となる事項であり、すべての労働者が対象ではない。


重要度:A 論点:労働条件の明示

問3:明示された労働条件が事実と相違していた場合の労働者の権利として、正しいものはどれか。

  • A:労働者は14日前に予告して労働契約を解除することができる
  • B:労働者は行政官庁の認定を受けて労働契約を解除することができる
  • C:労働者は即時に労働契約を解除することができる
【第3問:正解と解説】

正解:C
【解説】
・A:誤り。予告は不要であり、即時に解除することができる。14日という数字は、帰郷旅費に関する要件(解除の日から14日以内の帰郷)で登場するものである。
・B:誤り。行政官庁の認定は不要である。認定が必要となるのは、解雇制限・解雇予告の除外事由(天災事変等、労働者の責めに帰すべき事由)の場合である。
・C:正しい。明示された労働条件が事実と相違する場合、労働者は即時に労働契約を解除することができる(労基法15条2項)。【試験対策】「即時に解除」がキーワード。ここに「14日前に予告して」「30日前に予告して」と入れてくるのが典型的な誤り肢。なお14日は、解除後に住居を変更していた労働者が帰郷する場合の旅費負担の期限(15条3項)であって、解除の予告期間ではない。


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