論点:総合
問7:労働基準法に定める割増賃金に関する次の記述のうち、正しいものはどれか。
- A:労働者を法定休日に8時間を超えて労働させた場合には、その超えた部分について6割以上の率で計算した割増賃金を支払わなければならない。
- B:労働者を法定休日に労働させ、その労働が深夜に及んだ場合には、6割以上の率で計算した割増賃金を支払わなければならない。
- C:1か月について60時間を超える時間外労働に係る割増率は5割以上であるが、中小事業主については当分の間適用が猶予されている。
- D:割増賃金の算定基礎となる賃金には、役職手当を算入しないことができる。
- E:使用者は、労使協定を締結することにより、1か月60時間を超える時間外労働に係る割増賃金の全額の支払に代えて、有給の休暇を与えることができる。
【第7問:正解と解説】
正解:B
・A
【選択肢解説】法定休日の労働には時間外労働の概念がないため、何時間労働させても3割5分以上のままである(深夜に及ぶ場合を除く)。
・B
【論点】割増率の重複適用(労基法37条、割増賃金令)。【考え方】休日労働3割5分以上+深夜労働2割5分以上=6割以上となる。ここで重要なのは、法定休日の労働には「時間外労働」の概念がないことである。したがって法定休日に8時間を超えて労働させても、深夜に及ばない限り3割5分以上のままであり、割増率が上がることはない。時間外+深夜=5割以上との対比で整理する。【選択肢解説】休日労働と深夜労働が重複する場合は6割以上となるから、本記述は正しい。
・C
【選択肢解説】中小企業への適用猶予は令和5年4月1日に廃止されており、現在は企業規模を問わず適用される。
・D
【選択肢解説】算定基礎から除外できる賃金は、家族手当・通勤手当・別居手当・子女教育手当・住宅手当・臨時に支払われた賃金・1か月を超える期間ごとに支払われる賃金の7種類に限られる(限定列挙)。ただし、家族手当・通勤手当・住宅手当等は名称ではなく実質で判断され、家族数、通勤距離、住宅費用等に関係なく一律支給されるものは除外できない。役職手当は除外できない。
・E
【選択肢解説】代替休暇に代えることができるのは、引上げ分(2割5分)に相当する部分のみである(労基法37条3項)。
論点:総合
問8:労働基準法に定める労働時間等に関する規定の適用除外に関する次の記述のうち、誤っているものはどれか。
- A:農業又は水産業に従事する者については、労働時間、休憩及び休日に関する規定が適用されない。
- B:監視又は断続的労働に従事する者で、行政官庁の許可を受けたものについては、労働時間、休憩及び休日に関する規定が適用されない。
- C:監督又は管理の地位にある者については、労働時間、休憩、休日及び深夜業の割増賃金に関する規定が適用されない。
- D:高度プロフェッショナル制度の対象労働者については、深夜業の割増賃金に関する規定も適用されない。
- E:監督又は管理の地位にある者についても、年次有給休暇に関する規定は適用される。
【第8問:正解と解説】
正解:C
・A
正しい(=正解肢ではない)。【選択肢解説】労基法41条1号のとおりである。なお林業は適用除外とされていない。
・B
正しい(=正解肢ではない)。【選択肢解説】労基法41条3号のとおりであり、行政官庁の許可が必要である。
・C
【論点】労基法41条の適用除外の範囲と、高度プロフェッショナル制度(41条の2)との違い。【考え方】41条が適用除外とするのは「労働時間、休憩及び休日」に関する規定に限られ、深夜業の割増賃金(37条4項)及び年次有給休暇の規定は適用される。これに対し、高度プロフェッショナル制度の対象労働者は深夜業の割増賃金も適用除外となる。「管理監督者は深夜割増が必要/高プロは不要」という対比が、この論点における最重要の分岐点である。【選択肢解説】管理監督者にも深夜業の割増賃金の規定は適用されるから、本記述は誤りであり、これが正解肢となる。
・D
正しい(=正解肢ではない)。【選択肢解説】労基法41条の2のとおりである。管理監督者との決定的な違いである。
・E
正しい(=正解肢ではない)。【選択肢解説】41条の適用除外は労働時間・休憩・休日に関する規定に限られる。

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