社会保険労務士 労働基準法 択一式(応用) 第27問〜第28問|総合

論点:総合

問27:労働基準法に定める強制貯金及び前借金に関する次の記述のうち、正しいものはどれか。

  • A:使用者は、労働契約に附随して貯蓄の契約をさせることができる。
  • B:使用者が労働者の委託を受けて貯蓄金を管理する場合において、厚生労働省令で定める利率による利子を下回る利子を付したときは、その利率による利子を付けたものとみなされる。
  • C:使用者は、労働者が貯蓄金の返還を請求した場合には、30日以内に返還すれば足りる。
  • D:使用者は、労働者の同意がある場合には、前借金その他労働することを条件とする前貸の債権と賃金を相殺することができる。
  • E:使用者が労働者に支給した留学費用について、一定期間内に退職した場合に返還させる旨の合意は、常に労基法16条に違反する。
【第27問:正解と解説】

正解:B

・A
【選択肢解説】労働契約に附随して貯蓄の契約をさせ、又は貯蓄金を管理する契約をすることは禁止されている(労基法18条1項)。

・B
【論点】社内預金における下限利率(労基法18条4項)。【考え方】強制貯金は全面的に禁止される(18条1項)が、労働者の委託を受けた社内預金は、①労使協定の締結と行政官庁への届出②貯蓄金管理規程の作成と周知③下限利率以上の利子を付すること④労働者の請求があれば遅滞なく返還すること、という条件のもとで認められる。16条(賠償予定の禁止)・17条(前借金相殺の禁止)・18条(強制貯金の禁止)は、いずれも労働者の身分的拘束を排除する趣旨で共通している。【選択肢解説】下限利率を下回る利子を付した場合は、下限利率による利子を付けたものとみなされるから、本記述は正しい。

・C
【選択肢解説】労働者が返還を請求したときは遅滞なく返還しなければならない(労基法18条5項)。

・D
【選択肢解説】労基法17条は強行規定であり、労働者の同意があっても相殺は許されない。

・E
【選択肢解説】当該費用が労働者個人の利益となり、真に自由な意思に基づく金銭消費貸借と評価される場合には、16条違反とならないと解されている。


論点:総合

問28:労働基準法に定める公民権行使及び中間搾取に関する次の記述のうち、誤っているものはどれか。

  • A:何人も、法律に基づいて許される場合のほか、業として他人の就業に介入して利益を得てはならない。
  • B:使用者は、暴行、脅迫、監禁その他精神又は身体の自由を不当に拘束する手段によって、労働者の意思に反して労働を強制してはならない。
  • C:使用者は、労働者が労働時間中に公民としての権利を行使するために必要な時間を請求した場合には、これを拒んではならず、かつ、その時間を有給としなければならない。
  • D:使用者は、労働者が公民としての権利を行使するために請求した時刻を、権利の行使に妨げがない限り変更することができる。
  • E:労働基準法3条は、労働者の国籍、信条又は社会的身分を理由とする労働条件の差別を禁止しているが、性別を理由とする差別は同条の対象ではない。
【第28問:正解と解説】

正解:C

・A
正しい(=正解肢ではない)。【選択肢解説】労基法6条のとおりであり、主体は「使用者」ではなく「何人も」である。

・B
正しい(=正解肢ではない)。【選択肢解説】労基法5条のとおりであり、違反には同法中最も重い罰則が科される。

・C
【論点】公民権行使の保障(労基法7条)。【考え方】使用者は公民権行使に必要な時間の請求を拒むことはできないが、その時間を有給とする義務までは負わない。また、権利の行使又は公の職務の執行に妨げがない限り、請求された時刻を変更することはできる。「拒めない」ことと「有給にしなければならない」ことは別問題であり、この点を混同させる誤り肢が頻出である。【選択肢解説】公民権行使の時間を有給とする義務はないから、本記述は誤りであり、これが正解肢となる。

・D
正しい(=正解肢ではない)。【選択肢解説】労基法7条ただし書のとおりである。

・E
正しい(=正解肢ではない)。【選択肢解説】性別による賃金差別は4条、その他の性差別は男女雇用機会均等法が規律する。


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