共通の前提:金額はすべて円単位です。決算整理は行いません(決算整理前の状態を扱います)。
難易度:初級/重要度:A 論点:合計と残高の変換
問1【初級】
青森商事株式会社の現金勘定は、借方合計が ¥420,000、貸方合計が ¥310,000 である。 (1)合計試算表と(2)残高試算表のそれぞれに記載される金額と側を答えなさい。
解答を見る
正解
- (1)合計試算表:借方 ¥420,000 と 貸方 ¥310,000 の両方
- (2)残高試算表:借方 ¥110,000 のみ
算定過程
- 残高 = 420,000 − 310,000 = 110,000円
- 借方合計のほうが大きいので借方残高
- 検算:310,000 + 110,000 = 420,000 ✓
解説
- 着眼点:同じ1つの勘定でも、合計試算表と残高試算表では記載の仕方が変わります。
- 手順:合計試算表は総額をそのまま両方載せ、残高試算表は差額だけを残高の生じる側へ載せます。
- よくある誤り:合計試算表に110,000を書く、残高試算表に両方書く、という取り違え。「合計=両建て、残高=差額」と最初に確認します。
難易度:標準/重要度:A 論点:残高試算表の作成
問2【標準】
青森商事株式会社の×3年3月31日(決算整理前)の各勘定残高は次のとおりである。 残高試算表を作成し、借方・貸方それぞれの合計を答えなさい。
現金 ¥150,000/売掛金 ¥200,000/買掛金 ¥120,000/資本金 ¥150,000/売上 ¥380,000/仕入 ¥250,000/給料 ¥50,000
解答を見る
正解
| 借方残高 | 勘定科目 | 貸方残高 |
|---|---|---|
| 150,000 | 現金 | |
| 200,000 | 売掛金 | |
| 買掛金 | 120,000 | |
| 資本金 | 150,000 | |
| 売上 | 380,000 | |
| 250,000 | 仕入 | |
| 50,000 | 給料 | |
| 650,000 | 合計 | 650,000 |
借方合計 = 貸方合計 = 650,000円
算定過程
- 借方:150,000 + 200,000 + 250,000 + 50,000 = 650,000円
- 貸方:120,000 + 150,000 + 380,000 = 650,000円
- 検算:650,000 = 650,000 ✓
解説
- 手順①:各科目を定位置へ配置します(借方:現金・売掛金・仕入・給料/貸方:買掛金・資本金・売上)。
- 手順②:縦に合計し、借方と貸方が一致することを確認します。
- よくある誤り:どれか1科目を反対側に置く誤り。縦計の不一致として表面化するので、必ず合計まで取ります。
難易度:標準/重要度:A 論点:合計試算表の読み取りと残高への変換
問3【標準】
青森商事株式会社の売掛金勘定は、合計試算表において借方 ¥570,000・貸方 ¥390,000 と記載されている。 残高試算表に記載される金額と側を答えなさい。あわせて、貸方の ¥390,000 が主に表す取引の内容を簡潔に答えなさい。
解答を見る
正解
- 残高試算表:借方 ¥180,000
- 貸方 ¥390,000 の内容:売掛金の回収(や返品)による減少額の合計
算定過程
- 残高 = 570,000 − 390,000 = 180,000円(借方合計のほうが大きいので借方残高)
- 検算:390,000 + 180,000 = 570,000 ✓
解説
- 読み取り:売掛金の借方は掛売上による増加、貸方は回収や返品による減少を表します。
- 合計試算表は「期間中にどれだけ動いたか」、残高試算表は「いま残っているのはいくらか」を示します。
- よくある誤り:残高を貸方に書く誤り。借方合計と貸方合計のどちらが大きいかで側が決まります(本問は借方が大きいので借方)。
難易度:標準/重要度:A 論点:合計残高試算表の作成
問4【標準】
青森商事株式会社の当期の取引は次の5件のみである。各勘定の借方合計・貸方合計を求めたうえで、合計残高試算表を作成しなさい。
取引1 (借)現金 500,000 / (貸)資本金 500,000 取引2 (借)仕入 200,000 / (貸)買掛金 200,000 取引3 (借)現金 300,000 / (貸)売上 300,000 取引4 (借)支払家賃 50,000 / (貸)現金 50,000 取引5 (借)買掛金 80,000 / (貸)現金 80,000
解答を見る
正解
| 借方残高 | 借方合計 | 勘定科目 | 貸方合計 | 貸方残高 |
|---|---|---|---|---|
| 670,000 | 800,000 | 現金 | 130,000 | |
| 80,000 | 買掛金 | 200,000 | 120,000 | |
| 資本金 | 500,000 | 500,000 | ||
| 売上 | 300,000 | 300,000 | ||
| 200,000 | 200,000 | 仕入 | ||
| 50,000 | 50,000 | 支払家賃 | ||
| 920,000 | 1,130,000 | 合計 | 1,130,000 | 920,000 |
算定過程
各勘定の集計:
| 勘定 | 借方合計 | 貸方合計 | 残高 |
|---|---|---|---|
| 現金 | 500,000+300,000=800,000 | 50,000+80,000=130,000 | 借方 670,000 |
| 買掛金 | 80,000 | 200,000 | 貸方 120,000 |
| 資本金 | - | 500,000 | 貸方 500,000 |
| 売上 | - | 300,000 | 貸方 300,000 |
| 仕入 | 200,000 | - | 借方 200,000 |
| 支払家賃 | 50,000 | - | 借方 50,000 |
- 合計欄の検算:借方 800,000+80,000+200,000+50,000 = 1,130,000円/貸方 130,000+200,000+500,000+300,000 = 1,130,000円 ✓
- 残高欄の検算:借方 670,000+200,000+50,000 = 920,000円/貸方 120,000+500,000+300,000 = 920,000円 ✓
解説
- 着眼点:合計残高試算表は、合計試算表と残高試算表を1枚に合わせた形式です。合計欄と残高欄の両方を埋めます。
- 手順①:各勘定について、借方に記入された金額をすべて足して借方合計、貸方も同様に貸方合計を出します。
- 手順②:借方合計と貸方合計の差額を、大きいほうの側へ残高として記入します。
- 手順③:合計欄と残高欄のそれぞれで、借方と貸方が一致することを確認します。
- よくある誤り:残高欄に合計額をそのまま書く誤り。合計欄は相殺せず、残高欄は差額だけです。合計欄の縦計(1,130,000)は残高欄の縦計(920,000)より大きくなります。
難易度:標準/重要度:A 論点:貸借差額を用いた空欄の推定
問5【標準】
青森商事株式会社の残高試算表は、借方合計が ¥890,000 である。貸方には買掛金 ¥180,000、借入金 ¥150,000、資本金 ¥300,000、売上(金額不明)の4科目のみが記載されている。 売上の金額を推定しなさい。
解答を見る
正解:売上 ¥260,000
算定過程
- 貸方合計も 890,000円 のはずである
- 売上 = 890,000 −(180,000 + 150,000 + 300,000)= 890,000 − 630,000 = 260,000円
- 検算:180,000 + 150,000 + 300,000 + 260,000 = 890,000 ✓
解説
- 着眼点:借方合計と貸方合計が一致するという関係を、逆向きに使って未知の金額を求めます。
- 手順:「不明の1マス = その側の合計 − 判明している分」という型です。
- よくある誤り:借方側の科目と混ぜて引き算する誤り。同じ側の中で引きます。
難易度:応用/重要度:A 論点:縦計不一致からの探索
問6【応用】
青森商事株式会社で残高試算表を作成したところ、借方合計 ¥760,000・貸方合計 ¥700,000 となり一致しなかった。調査の結果、貸方残高であるべき1つの科目の残高を、誤って借方に記載していたことが判明した。 誤って記載された科目の残高と、修正後の正しい借方合計・貸方合計を求めなさい。
解答を見る
正解
- 誤って記載された科目の残高:¥30,000
- 修正後の合計:借方 = 貸方 = ¥730,000
算定過程
- 差額 = 760,000 − 700,000 = 60,000円
- 貸方残高を借方に書くと、借方が残高分だけ増え、貸方が同額だけ減るため、差額は残高の2倍になる
- 誤記載の残高 = 60,000 ÷ 2 = 30,000円
- 修正後:借方 760,000 − 30,000 = 730,000円/貸方 700,000 + 30,000 = 730,000円
- 検算:730,000 = 730,000 ✓
解説
- 着眼点:反対側に書いてしまうと、片側だけがずれるのではなく両側が逆向きに動くため、差額は残高の2倍になります。
- よくある誤り:差額の 60,000 をそのまま探してしまう誤り。
- 注意:「差額が2倍なら反対側記入、差額そのままなら片側の記入漏れ」というのは、誤りが1か所であると考えてよい場合にまず疑うための目安であり、決定則ではありません。本問は「1つの科目」と限定されているためこの目安が使えます。誤りが複数あれば差額はこのようには現れません。
難易度:応用/重要度:A 論点:月次試算表の残高推定
問7【応用】
青森商事株式会社の売掛金の前月末残高は ¥280,000(借方)であった。当月中の取引は、掛売上 ¥340,000 と、売掛金 ¥290,000 の回収(普通預金口座への入金)のみである。 回収の仕訳を示し、当月末の残高試算表に記載される売掛金の金額を求めなさい。
解答を見る
正解
| 借方科目 | 金額 | 貸方科目 | 金額 |
|---|---|---|---|
| 普通預金 | 290,000 | 売掛金 | 290,000 |
当月末の売掛金残高:¥330,000(借方)
算定過程
- 回収の仕訳:普通預金 290,000 / 売掛金 290,000(借方 290,000 = 貸方 290,000 ✓)
- 残高 = 前月末 280,000 + 掛売上 340,000 − 回収 290,000 = 330,000円
- 検算:280,000 + 340,000 = 620,000、620,000 − 290,000 = 330,000 ✓
解説
- 手順①:回収は売掛金の減少なので貸方、入金先の普通預金が借方です。
- 手順②:月次の残高試算表は「前月末残高 ± 当月の増減」の積み上げで作られます。増加(掛売上)を先に拾ってから減少を引くと混乱しません。
- よくある誤り:280,000 − 290,000 から計算を始めて混乱する誤り。

コメント