株式会社の設立と株式の発行(増資を含む) 一問一答【全6問】

共通前提:特に断りがない限り、本教材で扱う3級の基本形として、株式発行による払込額の全額を資本金とする前提で答えてください。


重要度:A 論点:資本金の5要素分類と表示場所

問1

問題

資本金は、資産・負債・純資産・収益・費用の5つのグループのうち、どれに分類されますか。また、貸借対照表のどこに表示されますか。

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解答

純資産に分類され、貸借対照表の「純資産の部」に表示される。

解説

本教材で扱う3級の基本形では、株式発行による払込額を資本金として記録します。資本金は純資産の勘定科目です。借入金のような負債ではなく、貸借対照表では純資産の部に表示されます。

資産 − 負債 = 純資産

貸借対照表では、資産に対して負債と純資産が対応し、資本金はその純資産を構成します。


重要度:A 論点:資本金の増加は貸方(設立時の基本仕訳の形)

問2

問題

株式を発行して払込みを受けたとき、資本金は借方・貸方のどちらに書きますか。その理由もあわせて答えなさい。

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解答

貸方に書く。資本金(純資産)が増加するため。

解説

純資産は、増えるときが貸方、減るときが借方です。共通前提の基本形では、株式発行による払込額を資本金として記録するため、資本金の増加を貸方に書きます。

このとき借方には、受け取った資産(普通預金・当座預金・現金など)が入ります。

借方科目 貸方科目
受け取った資産(普通預金など) 資本金

資本金を借方に書くと「資本金が減った」という反対の意味になってしまいます。


重要度:A 論点:資本金と売上の区別

問3

問題

株式を発行して株主から受け取ったお金を、売上として処理してよいですか。理由もあわせて答えなさい。

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解答

処理してはいけない。 商品の販売など営業活動によって得た収益ではなく、株式発行に伴う出資だから。

解説

会社に資金が入ってきても、その原因が株式発行による出資なら売上ではありません。売上は、商品の販売など営業活動によって得た収益です。

資本金 売上
資金の出どころ 株式引受人(株主) 得意先など
取引の内容 株式発行に伴う出資 商品の販売など営業活動
分類 純資産 収益
損益計算書に載るか 載らない 載る

株式発行による払込みは営業収益ではないため、当期純利益にも影響しません


重要度:A 論点:資本金と借入金の判別(返済義務の有無)

問4

問題

株式を発行して受け取ったお金と、銀行から借り入れたお金は、どのような点が決定的に違いますか。それぞれの勘定科目とあわせて答えなさい。

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解答

取引の原因と返済義務の有無が違う。株式発行による払込みは借入金のような返済義務を負う資金ではなく資本金(純資産)、銀行からの借入れは返済義務があるため借入金(負債)となる。

解説

どちらも「会社にお金が入ってくる」場面ですが、受入方法が同じなら借方は同じ資産科目になり得ます。一方、貸方は取引の原因により、株式発行による払込みなら資本金、借入れなら借入金となります。

資本金 借入金
資金の出どころ 株式引受人(株主) 銀行など
取引の原因 株式発行に伴う出資 借入れ
借入金のような返済義務 ない ある
分類 純資産 負債

問題文の見分け方

問題文の言葉 貸方の科目
「株式を発行し」「払込み」「出資」 資本金
「借り入れ」「借用証書を差し入れ」 借入金

借入れは借入金、株式発行による払込みは資本金。


重要度:A 論点:増資でも貸方は資本金(設立と同じ形)

問5

問題

会社の設立後に、あらたに株式を発行して払込みを受けたとき、どの勘定科目が増えますか。設立のときと比べて答えなさい。

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解答

設立のときと同じく、資本金(純資産)が増える。 払い込まれた金額の全額を資本金とする。

解説

本教材では、会社の設立後に新たな株式を発行して払込みを受け、資本金を増やす取引を増資として扱います。

この基本形でも株式発行による払込みを資本金として記録するため、設立時と同じ基本的な仕訳の考え方を用います。

設立 増資
場面 会社をつくるとき 会社をつくったあと
貸方の科目 資本金 資本金
仕訳の形 同じ

場面が違うからといって、増資のときだけ別の科目を探さないでください。 本教材で扱う3級の基本形では、払い込まれた金額の全額を資本金とします。


重要度:A 論点:資本金と繰越利益剰余金の発生原因の違い

問6

問題

資本金と繰越利益剰余金は、どちらも純資産です。増える原因はそれぞれ何ですか。

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解答

資本金は株式発行による払込みによって増え、繰越利益剰余金は当期純利益を損益勘定から振り替えることなどにより利益が蓄積して増える。

解説

同じ純資産でも、どこから来たお金なのかがまったく違います。

資本金 繰越利益剰余金
分類 純資産 純資産
増える原因 株式発行による払込み 当期純利益の振替による利益の蓄積
増える場面 設立・本教材で扱う増資 決算(当期純利益の振替)

株式を発行して払込みを受けたときに、繰越利益剰余金を使ってはいけません。株式発行による払込額は、会社が営業活動で獲得した利益ではないからです。

反対に、決算で当期純利益を振り替えるときに資本金を使ってもいけません。この場面はC10-T02(当期純利益の振替)で扱います。



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