減価償却の基本 仕訳問題【全11問】

共通前提:当社の決算日は3月31日である。記帳は間接法による。

共通語群(各問、この中から最も適当な勘定科目を選ぶこと)

減価償却費 / 建物 / 備品 / 車両運搬具 / 土地 / 建物減価償却累計額 / 備品減価償却累計額 / 車両運搬具減価償却累計額


重要度:A/難易度:初級 論点:間接法の基本形(貸方は資産名を冠した累計額)

問1(初級)

決算にあたり、建物について当期の減価償却費 ¥120,000 を計上する。間接法により仕訳しなさい。

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正解

借方科目 金額 貸方科目 金額
減価償却費 120,000 建物減価償却累計額 120,000

解説

  • 取引の読み取り:金額が与えられているので、仕訳の形だけを問う問題。
  • 勘定科目の決定:費用は減価償却費。建物の償却なので貸方は建物減価償却累計額。
  • 借方の理由:費用が発生したから借方。
  • 貸方の理由:資産のマイナスである累計額が増えたから貸方。
  • 間違いやすい科目建物。間接法では建物本体を直接減額しません。

重要度:A/難易度:初級 論点:定額法・残存価額ゼロ(基本形)

問2(初級)

決算につき、当期首に取得した備品(取得原価 ¥600,000、耐用年数5年、残存価額ゼロ)について、定額法により減価償却を行う。

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正解

借方科目 金額 貸方科目 金額
減価償却費 120,000 備品減価償却累計額 120,000

解説

  • 残存価額の確認:ゼロ。取得原価をそのまま割る。
  • 計算:600,000 ÷ 5年 = ¥120,000
  • 借方の理由:減価償却費(費用の発生)。
  • 貸方の理由:備品減価償却累計額の増加。
  • 間違いやすい科目:貸方を備品にする誤り。

重要度:A/難易度:初級 論点:車両運搬具の減価償却(累計額科目の使い分け)

問3(初級)

決算につき、営業用トラック(取得原価 ¥1,440,000、耐用年数6年、残存価額ゼロ)について、定額法により減価償却を行う。なお、当期首以前に取得し、当期は耐用年数内で1年間を通じて使用している。

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正解

借方科目 金額 貸方科目 金額
減価償却費 240,000 車両運搬具減価償却累計額 240,000

解説

  • 計算:1,440,000 ÷ 6年 = ¥240,000
  • 勘定科目の決定:車両運搬具の償却なので、貸方は車両運搬具減価償却累計額。資産の種類ごとに累計額の科目名が変わります。
  • 間違いやすい科目:「減価償却累計額」とだけ書く誤り。資産名を冠した科目を使います。

重要度:B/難易度:標準 論点:残存価額10%の定額法

問4(標準)

決算につき、店舗建物(取得原価 ¥3,000,000、耐用年数30年、残存価額は取得原価の10%)について、定額法により減価償却を行う。なお、当期首以前に取得し、当期は耐用年数内で1年間を通じて使用している。

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正解

借方科目 金額 貸方科目 金額
減価償却費 90,000 建物減価償却累計額 90,000

解説

  • 残存価額の確認:取得原価の10%。3,000,000 × 10% = ¥300,000。
  • 計算:(3,000,000 − 300,000)÷ 30年 = ¥90,000
  • 間違いやすい科目:残存価額を引き忘れて 3,000,000 ÷ 30年 = ¥100,000 とする誤り。引いてから割るの順序を守ってください。
  • 備考:本単元では残存価額10%を扱う仕訳問題を1問に絞っている。 問題文の残存価額条件を読み分ける練習として配置している

重要度:A/難易度:標準 論点:期中取得の月割(4か月)

問5(標準)

決算につき、×1年12月1日に取得した備品(取得原価 ¥720,000、耐用年数5年、残存価額ゼロ)について、定額法により月割で減価償却を行う。決算日は×2年3月31日である。

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正解

借方科目 金額 貸方科目 金額
減価償却費 48,000 備品減価償却累計額 48,000

解説

  • 年額:720,000 ÷ 5年 = ¥144,000
  • 月数:12月・1月・2月・3月 → 4か月
  • 計算:144,000 × 4/12 = ¥48,000
  • 間違いやすい科目:月割を忘れて ¥144,000 とする誤り。取得月から決算月までを指で数えてください。

重要度:A/難易度:標準 論点:期中取得の月割(9か月)

問6(標準)

決算につき、×1年7月1日に取得した営業用トラック(取得原価 ¥1,440,000、耐用年数6年、残存価額ゼロ)について、定額法により月割で減価償却を行う。決算日は×2年3月31日である。

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正解

借方科目 金額 貸方科目 金額
減価償却費 180,000 車両運搬具減価償却累計額 180,000

解説

  • 年額:1,440,000 ÷ 6年 = ¥240,000
  • 月数:7月から3月まで → 9か月
  • 計算:240,000 × 9/12 = ¥180,000
  • 間違いやすい科目:月数を8か月と数える誤り(7・8・9・10・11・12・1・2・3で9か月)。

重要度:A/難易度:標準 論点:2年目以降の償却(累計額残高に惑わされない)

問7(標準)

決算につき、前々期の期首に取得した備品(取得原価 ¥900,000、耐用年数6年、残存価額ゼロ)について、定額法により減価償却を行う。なお、備品減価償却累計額の決算整理前残高は ¥300,000 である。

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正解

借方科目 金額 貸方科目 金額
減価償却費 150,000 備品減価償却累計額 150,000

解説

  • 計算:900,000 ÷ 6年 = ¥150,000。当期は1年間を通じて使用しているため、この年額を計上します。
  • 累計額残高の意味:¥300,000 は前期末までの2年分(150,000 × 2)の累計であり、当期の費用ではありません。当期分は改めて計算します。
  • 間違いやすい科目:決算整理前残高 ¥300,000 をそのまま当期の減価償却費にする誤り、および「残り(900,000 − 300,000)を残り年数で割る」という誤った計算。この問題では、取得原価と耐用年数から求めた1年分の年額 ¥150,000 を計上します。

重要度:A/難易度:標準 論点:取得年度に月割した資産の、翌年度以降の扱い(年額を計上する)

問8(標準)

決算につき、前期の12月1日に取得した備品(取得原価 ¥720,000、耐用年数5年、残存価額ゼロ)について、定額法により減価償却を行う。なお、前期の決算では月割により ¥48,000 を計上している。決算日は×3年3月31日である。

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正解

借方科目 金額 貸方科目 金額
減価償却費 144,000 備品減価償却累計額 144,000

解説

  • 取引の読み取り:取得したのは前期。当期は1年間を通じて保有・使用している。
  • 計算:720,000 ÷ 5年 = ¥144,000(月割は不要)
  • 間違いやすい科目:前期と同じ ¥48,000 を計上する誤り。取得年度の月割額を毎年繰り返すわけではありません。 1年を通じて保有・使用する年度は年額を計上します。
  • 補足:月割が必要になるのは取得年度だけとは限りません。期中に売却した年度も、期首から処分日までの月数で月割します(C07-T05)。2027年度版では、期中除却の月割をC07-T06で扱います。

重要度:A/難易度:応用 論点:複数資産の同時償却(貸方2本の複合)

問9(応用)

決算につき、次の資産について定額法により減価償却を行う。いずれも当期首以前に取得し、当期は耐用年数内で1年間を通じて使用している。残存価額はいずれもゼロである。

  • 店舗建物:取得原価 ¥3,600,000、耐用年数30年
  • 備品:取得原価 ¥500,000、耐用年数5年
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正解

借方科目 金額 貸方科目 金額
減価償却費 220,000 建物減価償却累計額 120,000
備品減価償却累計額 100,000

解説

  • 建物:3,600,000 ÷ 30年 = ¥120,000
  • 備品:500,000 ÷ 5年 = ¥100,000
  • 借方の理由:減価償却費は合計1本で ¥220,000。
  • 貸方の理由:本教材では資産名を冠した標準科目を使うため、貸方は建物減価償却累計額と備品減価償却累計額に分けて記入します。120,000 + 100,000 = ¥220,000 で貸借一致。
  • 間違いやすい科目:貸方を1本にまとめる誤り。累計額の科目は資産名を冠して分けるのが原則です。

重要度:A/難易度:応用 論点:複数資産+月割+償却対象外

問10(応用)

決算(×2年3月31日)につき、次の資産について定額法により減価償却を行う。残存価額はいずれもゼロである。

  • 建物:取得原価 ¥2,400,000、耐用年数20年(当期首以前に取得し、当期は1年間を通じて使用)
  • 備品:取得原価 ¥600,000、耐用年数5年(×1年11月1日に取得。月割による)
  • 土地:取得原価 ¥5,000,000
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正解

借方科目 金額 貸方科目 金額
減価償却費 170,000 建物減価償却累計額 120,000
備品減価償却累計額 50,000

解説

  • 建物:2,400,000 ÷ 20年 = ¥120,000(期首以前取得なので1年分)
  • 備品:600,000 ÷ 5年 = 120,000(年額)→ 11月から3月までの5か月分 → 120,000 × 5/12 = ¥50,000
  • 土地使用期間にわたって取得原価を規則的に費用配分する減価償却の対象としない。 資料に金額が書かれていても計算に入れません。
  • 貸方の理由:120,000 + 50,000 = ¥170,000 で貸借一致。
  • 間違いやすい科目:土地についても償却してしまう誤り、備品を月割せず ¥120,000 とする誤り。複数の固定資産条件をまとめて判断する問題です。

重要度:A/難易度:応用 論点:当期費用・累計額・帳簿価額の3つの金額の区別

問11(応用)

決算につき、備品(取得原価 ¥800,000、耐用年数8年、残存価額ゼロ、×1年4月1日取得)について、定額法により減価償却を行う。当期は×3年4月1日から×4年3月31日までである。

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正解

借方科目 金額 貸方科目 金額
減価償却費 100,000 備品減価償却累計額 100,000

参考 当期末の備品減価償却累計額 ¥300,000、帳簿価額 ¥500,000

解説

  • 年額:800,000 ÷ 8年 = ¥100,000
  • 経過年数の確認:×1年4月1日取得なので、当期(×3年4月1日〜×4年3月31日)は3年目。決算整理前の累計額は前期末までの2年分 = ¥200,000。
  • 決算整理後の累計額:200,000 + 100,000 = ¥300,000
  • 帳簿価額:800,000 − 300,000 = ¥500,000
  • 間違いやすい科目:当期の減価償却費を累計額(¥300,000)と混同する誤り。仕訳に載るのは当期分の ¥100,000 だけです。3つの金額(当期費用・累計額・帳簿価額)を区別してください。


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