共通の前提:金額は円単位です。商品有高帳の受入・払出・残高は、販売価格ではなく原価で計算します。以下でいう「払出合計」「実払出」は、売上など月中に商品が実際に減った取引の原価合計を指し、締切のため払出欄に記入する次月繰越は含めません。
難易度:初級/重要度:A 論点:受入・払出・残高の基本構造と検算
問1【初級】
次の資料について、払出金額の合計と、期末残高の数量・単価・金額を求めなさい。なお、この商品の仕入単価は期間中変わらないものとする。
前月繰越 25個 @600円 仕入 15個 @600円 払出 18個
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正解
- 払出金額合計:10,800円
- 期末残高:22個・@600円・13,200円
算定過程
- 受入数量 = 25 + 15 = 40個/受入金額 = 40個 × @600 = 24,000円
- 払出金額 = 18個 × @600 = 10,800円
- 期末数量 = 40 − 18 = 22個/期末金額 = 22個 × @600 = 13,200円
- 検算(数量):40個 = 18個 + 22個 ✓
- 検算(金額):24,000円 = 10,800円 + 13,200円 ✓
解説
- 着眼点:単価が一定の場合は、どの払出方法を使っても結果は同じになります。まず商品有高帳の基本構造(受入・払出・残高)と検算の形を確認しましょう。
- よくある誤り:数量だけを合わせて終えてしまうこと。金額でも「期首在庫+当月受入=月中の実払出+期末残高」が成り立つことを必ず確認します。
難易度:標準/重要度:A 論点:先入先出法・複数回の受入と払出
問2【標準】
次の資料を先入先出法で処理し、各払出原価と期末残高(数量・金額・内訳)を求めなさい。
前月繰越 15個 @400円 仕入1 20個 @450円 払出1 10個 仕入2 10個 @480円 払出2 20個
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正解
- 払出1の原価:4,000円
- 払出2の原価:8,750円
- 期末残高:15個・7,050円(内訳:@450が5個、@480が10個)
算定過程
- 払出1(10個):@400の層から10個 → 10 × 400 = 4,000円
- 払出1後の残高:@400が5個、@450が20個
- 仕入2後の残高:@400が5個、@450が20個、@480が10個
- 払出2(20個):古い層から順に、@400の5個(2,000円)+@450の15個(6,750円)= 8,750円
- 期末残高:@450が20−15=5個(2,250円)、@480が10個(4,800円)→ 合計 15個・7,050円
- 検算(数量):45個 = 30個 + 15個 ✓
- 検算(金額):19,800円 = 12,750円 + 7,050円 ✓
解説
- 着眼点:受入と払出が交互に起きる場合も、考え方は同じです。そのときに残っている層を、古い順に並べておくことが大切です。
- 手順:払出のたびに、いちばん古い層から必要数を取り、足りなければ次の層へ進みます。
- よくある誤り:払出2で新しい@480の層から使ってしまうこと。必ず残っている最も古い層(この場合は@400の5個)から始めます。
# 第2部 共通資料(問3〜問7)
次の資料は問3から問7まで共通です。
B商品(7月) 7月1日 前月繰越 20個(@150円) 7月6日 仕入 40個(@165円) 7月13日 売上 35個(売価 @250円) 7月19日 仕入 30個(@180円) 7月26日 売上 40個(売価 @250円)
払出単価の決定は先入先出法による。
難易度:初級/重要度:A 論点:残高欄の層管理
問3【初級】
7月6日の仕入を記入した直後に、残高として管理される層ごとの数量・単価・金額を答えなさい。
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正解
| 数量 | 単価 | 金額 |
|---|---|---|
| 20 | 150 | 3,000 |
| 40 | 165 | 6,600 |
算定過程
- 前月繰越の層:20個 × @150 = 3,000円
- 7/6仕入の層:40個 × @165 = 6,600円
- 合計:60個・9,600円(ただし1行にまとめない)
解説
- 着眼点:単価の異なる在庫は、層のまま分けて管理します。
- よくある誤り:「60個・9,600円」と1行にまとめてしまうこと。合算すると平均単価@160円になり、次の払出でどの単価から使うかを決められなくなります。
難易度:初級/重要度:A 論点:先入先出法の払出計算
問4【初級】
7月13日の売上(35個)について、払出金額の合計を求めなさい。
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正解:5,475円
算定過程
- 古い層から払い出す:@150の層は20個すべて → 20 × 150 = 3,000円
- 不足する 35 − 20 = 15個を@165の層から → 15 × 165 = 2,475円
- 合計:3,000 + 2,475 = 5,475円
解説
- 着眼点:先入先出法は、古い単価から使い切ります。
- よくある誤り:売価で計算して 35個 × @250 = 8,750円 としてしまうこと。払出欄は原価の世界です。
難易度:標準/重要度:A 論点:月末残高の算定
問5【標準】
7月26日の売上を記入した後の、7月末の残高(数量・単価・金額)を求めなさい。
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正解:15個・@180円・2,700円
算定過程
- 7/13払出後の残高:@165が 40 − 15 = 25個
- 7/19仕入後の残高:@165が25個、@180が30個
- 7/26払出(40個):@165の25個(4,125円)→ @180の15個(2,700円)の順に払い出す
- 残高:@180が 30 − 15 = 15個、15 × 180 = 2,700円
解説
- 着眼点:払出のたびに層を崩し、残った層を追いかけます。
- 手順:時系列どおりに層の増減を記録していきます。途中を飛ばして計算しようとするとずれます。
- よくある誤り:7/26の払出を新しい@180の層から始めてしまうこと。必ず古い@165からです。
難易度:応用/重要度:A 論点:売上原価と売上総利益
問6【応用】
7月の(1)売上原価と(2)売上総利益を求めなさい。
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正解
- (1)売上原価:12,300円
- (2)売上総利益:6,450円
算定過程
- 7/26の払出原価 = 25個 × @165 + 15個 × @180 = 4,125 + 2,700 = 6,825円
- 売上原価 = 売上による実際の払出原価の合計 = 5,475(7/13)+ 6,825(7/26)= 12,300円
- 売上高 = (35 + 40)個 × @250 = 18,750円
- 売上総利益 = 18,750 − 12,300 = 6,450円
解説
- 着眼点:売上高は売価の世界、売上原価は売上による実払出原価(原価の世界)です。2つを別々に集計してから差し引きます。締切用の次月繰越は売上原価に含めません。
- よくある誤り:売上原価に月末残高2,700円を含めてしまうこと。売れていない分の原価は売上原価ではありません。
難易度:応用/重要度:B 論点:検算式による推定
問7【応用】
商品有高帳の検算式を用いて、次の( )にあてはまる金額を求めなさい。
「7月に利用可能だった商品の原価合計(前月繰越+当月受入)は 15,000円、月末残高は 2,700円であった。したがって、7月の売上による実払出原価の合計は( )円である。」
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正解:12,300円
算定過程
- 検算式:期首在庫(前月繰越)+当月受入 = 月中の実払出+月末残高
- 売上による実払出原価の合計 = 15,000 − 2,700 = 12,300円
- 受入合計の内訳確認:3,000(前月繰越)+ 6,600(7/6)+ 5,400(7/19)= 15,000円 ✓
- 問6の売上原価12,300円と一致する(本資料には返品等がないため、売上による実払出原価の合計=売上原価)
解説
- 着眼点:「入りの合計=出の合計+残り」という関係式は、4つのうち3つが分かれば残り1つを逆算できます。
- よくある誤り:式の形を覚えておらず、帳簿を最初から書き直してしまうこと。推定を求められたときは、検算式からの逆算が最短です。
- 補足:この関係式は2級工業簿記のボックス図でも同じ形で使います。

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