等級別総合原価計算 計算問題 第1問〜第5問

問1

次の資料にもとづき、各等級の積数、配分額、単位原価を求めなさい。

必要資料

  • 完成品総合原価:900,000円
  • A級製品:完成600個、等価係数1.0
  • B級製品:完成400個、等価係数0.75
  • 期末仕掛品原価:なし(この設問では控除を行わない)
  • 端数処理:端数は生じない
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解答・解説

正答

等級 積数 配分額 単位原価
A級 600 600,000円 1,000円
B級 300 300,000円 750円
合計 900 900,000円 —

計算過程

順 項目 計算 金額・数量
1 A級の積数 600×1.0 600
2 B級の積数 400×0.75 300
3 積数合計 600+300 900
4 A級への配分額 900,000×600÷900 600,000
5 B級への配分額 900,000×300÷900 300,000
6 A級の単位原価 600,000÷600 1,000円
7 B級の単位原価 300,000÷400 750円

解説

積数は 完成品数量 × 等価係数 です。B級は400個ですが、1個あたりの原価負担能力がA級の0.75倍なので、積数は300になります。

配分額は積数の比で分けます。単位原価は配分額を完成品数量で割ります。積数で割らないことに注意してください。B級の配分額300,000円を積数300で割ると1,000円になってしまいますが、正しくは完成品数量400個で割って750円です。

A級の単位原価1,000円に等価係数0.75を掛けると750円となり、B級の単位原価と一致します。

Validation(検証)

検証項目 計算 結果
等級配分 600,000+300,000 900,000=900,000
単位原価による確認 1,000×600+750×400 900,000=900,000
等価係数との関係 1,000×0.75 750(B級単位原価と一致)

この検証の限界:等級配分の一致は、積数比で分けた以上、定義上必ず成立します。 積数がどのような値であっても、足し戻せば900,000円に戻ります。

したがって、等価係数を取り違えても、この確認は通ります。たとえばB級の等価係数を1.0と誤ると、積数は600と400、配分額は540,000円と360,000円になりますが、合計は900,000円のままです。等価係数と完成品数量を資料に戻って確かめる必要があります。


問2

次の資料にもとづき、各等級の積数、配分額、単位原価を求めなさい。

必要資料

  • 完成品総合原価:2,000,000円
  • A級製品:完成500個、等価係数1.0
  • B級製品:完成400個、等価係数0.8
  • C級製品:完成300個、等価係数0.6
  • 期末仕掛品原価:なし(この設問では控除を行わない)
  • 端数処理:端数は生じない
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解答・解説

正答

等級 積数 配分額 単位原価
A級 500 1,000,000円 2,000円
B級 320 640,000円 1,600円
C級 180 360,000円 1,200円
合計 1,000 2,000,000円 —

計算過程

順 項目 計算 金額・数量
1 A級の積数 500×1.0 500
2 B級の積数 400×0.8 320
3 C級の積数 300×0.6 180
4 積数合計 500+320+180 1,000
5 A級への配分額 2,000,000×500÷1,000 1,000,000
6 B級への配分額 2,000,000×320÷1,000 640,000
7 C級への配分額 2,000,000×180÷1,000 360,000
8 A級の単位原価 1,000,000÷500 2,000円
9 B級の単位原価 640,000÷400 1,600円
10 C級の単位原価 360,000÷300 1,200円

解説

等級が3つに増えても手順は変わりません。積数を先にすべて求め、積数合計を出してから按分します。

完成品数量の順はA級500個・B級400個・C級300個ですが、積数は500・320・180です。数量の比と積数の比は異なります。 等価係数を掛けることで、1個あたりの原価負担能力の違いが反映されています。

単位原価は、2,000円・1,600円・1,200円です。A級の2,000円に等価係数0.8と0.6を掛けた金額と一致します。

Validation(検証)

検証項目 計算 結果
等級配分 1,000,000+640,000+360,000 2,000,000=2,000,000
単位原価による確認 2,000×500+1,600×400+1,200×300 2,000,000=2,000,000
等価係数との関係 2,000×0.8 と 2,000×0.6 1,600/1,200 で一致

この検証の限界:等級配分の一致は定義上必ず成立します。

完成品数量の比(500:400:300)でそのまま按分してしまった場合も、合計は2,000,000円のままです。 配分額は変わりますが、合計は変わりません。等価係数を掛けて積数を求めたかどうかを、計算過程に戻って確かめる必要があります。


問3

次の資料にもとづき、(1)A級とB級の配分額の比、(2)各等級の積数、(3)B級製品の等価係数、(4)各等級の単位原価を求めなさい。

必要資料

  • 完成品総合原価:1,200,000円
  • A級製品:完成400個、等価係数1.0、配分額800,000円
  • B級製品:完成500個、配分額400,000円。等価係数は資料に示されていない(この設問で求める)
  • 期末仕掛品原価:なし(この設問では控除を行わない)
  • 端数処理:端数は生じない
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解答・解説

正答

  • (1) 配分額の比:2対1
  • (2) 積数:A級400/B級200(合計600)
  • (3) B級製品の等価係数:0.4
  • (4) 単位原価:A級2,000円/B級800円

計算過程

順 項目 計算 金額・数量
1 配分額の比 800,000÷400,000 2(2対1)
2 A級の積数 400×1.0 400
3 B級の積数 400÷2 200
4 積数合計 400+200 600
5 B級の等価係数 200÷500 0.4
6 A級の単位原価 800,000÷400 2,000円
7 B級の単位原価 400,000÷500 800円

解説

配分額の比は積数の比と一致します。 配分額が 完成品総合原価 × 積数 ÷ 積数合計 である以上、等級間の比は積数の比そのものだからです。

A級の積数は 400個 × 1.0 = 400 と分かっているので、B級の積数は 400 ÷ 2 = 200 です。等価係数は 積数 ÷ 完成品数量 で戻せるので、200 ÷ 500 = 0.4 となります。

B級は完成品数量ではA級より多い(500個と400個)のに、等価係数が0.4であるため積数は半分になります。数量の多さと原価負担能力は別のものです。

単位原価はA級2,000円、B級800円です。2,000円に等価係数0.4を掛けると800円となり、一致します。

Validation(検証)

検証項目 計算 結果
等級配分 800,000+400,000 1,200,000=1,200,000
積数による再計算 1,200,000×400÷600 と 1,200,000×200÷600 800,000/400,000(与件と一致)
等価係数との関係 2,000×0.4 800(B級単位原価と一致)

この検証の限界:この設問は逆算を含むため、検証が成立しやすくなっています。B級の積数を配分額の比から求めた以上、その積数で按分し直せば必ず与えられた配分額に戻ります。積数による再計算は独立した検算になりません。

独立性のある確認は、等級配分の合計が完成品総合原価と一致する点です。800,000円と400,000円の合計が1,200,000円でなければ、資料の読み取りを見直すことになります。

また、求めた等価係数0.4が実際に指定された係数と同じかどうかは、この計算からは分かりません。配分額が与えられている以上、そこから逆算した係数は必ず整合します。


問4

次の資料にもとづき、完成品総合原価、各等級の積数、配分額、単位原価を求めなさい。

必要資料

  • 製造原価総額:1,500,000円
  • 期末仕掛品原価:300,000円
  • A級製品:完成800個、等価係数1.0
  • B級製品:完成500個、等価係数0.8
  • 端数処理:端数は生じない
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解答・解説

正答

  • 完成品総合原価:1,200,000円
等級 積数 配分額 単位原価
A級 800 800,000円 1,000円
B級 400 400,000円 800円
合計 1,200 1,200,000円 —

計算過程

順 項目 計算 金額・数量
1 完成品総合原価 1,500,000-300,000 1,200,000
2 A級の積数 800×1.0 800
3 B級の積数 500×0.8 400
4 積数合計 800+400 1,200
5 A級への配分額 1,200,000×800÷1,200 800,000
6 B級への配分額 1,200,000×400÷1,200 400,000
7 A級の単位原価 800,000÷800 1,000円
8 B級の単位原価 400,000÷500 800円

解説

按分の前に期末仕掛品原価を差し引きます。 按分の対象は完成品にかかった原価であり、製造原価総額ではありません。

期末仕掛品に等価係数を掛けて等級別に分けることはしません。 期末仕掛品は完成品総合原価の等級別配分対象ではないためです。期末仕掛品原価300,000円は仕掛品勘定の残高として残ります。

Validation(検証)

検証項目 計算 結果
全体 1,200,000+300,000 1,500,000=1,500,000
等級配分 800,000+400,000 1,200,000=1,200,000
単位原価による確認 1,000×800+800×500 1,200,000=1,200,000

この検証の限界:等級配分の一致は定義上必ず成立します。

一方、全体の確認は按分の対象を取り違えた場合に反応します。期末仕掛品原価を差し引かずに製造原価総額1,500,000円をそのまま按分すると、配分額は1,000,000円と500,000円になり、その合計1,500,000円に期末仕掛品原価300,000円を足すと1,800,000円となって製造原価総額1,500,000円と食い違います。この誤りは全体の確認で見つかります。

ただし、全体の確認では、完成品総合原価と期末仕掛品原価が製造原価総額の中で重複なく扱われたことまでは確かめられますが、期末仕掛品原価300,000円という金額の妥当性や、計算の実施順序そのものは分かりません。これらは別に確かめる必要があります。


問5

次の資料にもとづき、各等級の積数、配分額、単位原価を求めなさい。

必要資料

  • 完成品総合原価:1,000,000円
  • A級製品:完成300個、等価係数1.0
  • B級製品:完成200個、等価係数0.8
  • C級製品:完成100個、等価係数0.5
  • 期末仕掛品原価:なし(この設問では控除を行わない)
  • 端数処理:A級・B級の配分額は円未満を四捨五入し、C級の配分額は残額とする。単位原価は1銭未満を四捨五入する
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解答・解説

正答

等級 積数 配分額 単位原価
A級 300 588,235円 1,960.78円
B級 160 313,725円 1,568.63円
C級 50 98,040円 980.40円
合計 510 1,000,000円 —

計算過程

順 項目 計算 金額・数量
1 A級の積数 300×1.0 300
2 B級の積数 200×0.8 160
3 C級の積数 100×0.5 50
4 積数合計 300+160+50 510
5 A級の配分額(四捨五入前) 1,000,000×300÷510 588,235.29…
6 A級の配分額 円未満四捨五入 588,235
7 B級の配分額(四捨五入前) 1,000,000×160÷510 313,725.49…
8 B級の配分額 円未満四捨五入 313,725
9 C級の配分額 1,000,000-588,235-313,725 98,040
10 A級の単位原価 588,235÷300 1,960.78円
11 B級の単位原価 313,725÷200 1,568.63円
12 C級の単位原価 98,040÷100 980.40円

解説

判断根拠

4段階で判断します。

第1に、積数合計が510となり、割り切れないことを確認します。1,000,000円を510で割ると割り切れないため、配分額に端数が生じます。

第2に、問題文の指示どおりに端数処理します。A級とB級は円未満を四捨五入します。588,235.29…は588,235円、313,725.49…は313,725円です。

第3に、C級を残額とします。1,000,000 - 588,235 - 313,725 = 98,040円 です。C級だけ計算方法が違うのは、配分額の合計を完成品総合原価に一致させるためです。C級を四捨五入で求めると合計が1,000,000円にならないおそれがあります。

第4に、単位原価を求めます。配分額を完成品数量で割り、1銭未満を四捨五入します。B級は 313,725 ÷ 200 = 1,568.625 なので、四捨五入して1,568.63円です。

検証

Validation(検証)

検証項目 計算 結果
等級配分 588,235+313,725+98,040 1,000,000=1,000,000
積数合計 300+160+50 510
単位原価による掛け戻し(A級) 1,960.78×300 588,234(配分額より1円少ない)
単位原価による掛け戻し(B級) 1,568.63×200 313,726(配分額より1円多い)
単位原価による掛け戻し(C級) 980.40×100 98,040(配分額と一致)

この検証の限界:等級配分の一致は、C級を残額として求めた以上、定義上必ず成立します。1,000,000円から2つの金額を差し引いた残りをC級としているため、足し戻せば必ず1,000,000円に戻ります。この確認は端数処理の妥当性を示しません。

単位原価による掛け戻しには丸め差があります。 A級は1円少なく、B級は1円多くなります。この資料では2つの差が打ち消し合って合計は1,000,000円に戻りますが、打ち消し合うかどうかは資料の数値によります。丸め差が残る資料もあります。したがって、掛け戻しの合計が一致したことを、単位原価が正しいことの根拠にはできません。

また、端数が生じる場合、単位原価と等価係数の比の関係はぴったりとは成り立ちません。A級1,960.78円に0.8を掛けると1,568.624円で、B級の1,568.63円とわずかに異なります。

想定される誤り:ひとつは、C級も四捨五入で求めてしまうことです。1,000,000×50÷510=98,039.21… を四捨五入すると98,039円となり、配分額の合計が999,999円になって完成品総合原価と一致しません。ふたつめは、単位原価を先に丸めてから数量を掛けて配分額としてしまうことです。配分額を先に確定し、そこから単位原価を求めます。三つめは、丸め差が生じたことを計算の誤りと考えて数値を調整してしまうことです。指示どおりに処理した結果として生じるものです。


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