問6
次の資料にもとづき、度外視法により材料費・加工費の換算量と単価、期末仕掛品原価、完成品総合原価を求めなさい。
必要資料
- 負担区分:正常減損費は完成品と期末仕掛品の両者に負担させる
- 期首仕掛品:なし
- 当期投入数量:1,000個
- 完成品数量:750個
- 期末仕掛品数量:150個(材料進捗度40%・加工進捗度40%)
- 正常減損数量:100個(発生点30%)
- 材料は工程を通じて投入する
- 仕損品評価額:0円(減損のため物として残らない)
- 当期投入原価:材料費405,000円、加工費324,000円
- 端数は生じない
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解答・解説
正答
- 換算量:材料810個/加工費810個
- 材料費の単価:500円/加工費の単価:400円
- 期末仕掛品原価:54,000円(材料30,000円+加工24,000円)
- 完成品総合原価:675,000円
- 投入原価合計:729,000円
計算過程
| 順 | 項目 | 計算 | 金額・数量 |
|---|---|---|---|
| 1 | 数量の流れ | 1,000=750+150+100 | 1,000=1,000 |
| 2 | 材料の換算量(期末仕掛品) | 150×40% | 60 |
| 3 | 材料の換算量 | 750+60(正常減損100個を除く) | 810個 |
| 4 | 加工費の換算量(期末仕掛品) | 150×40% | 60 |
| 5 | 加工費の換算量 | 750+60(正常減損100個を除く) | 810個 |
| 6 | 材料単価 | 405,000÷810 | 500円 |
| 7 | 加工単価 | 324,000÷810 | 400円 |
| 8 | 期末(材料) | 500×60 | 30,000 |
| 9 | 期末(加工) | 400×60 | 24,000 |
| 10 | 期末仕掛品原価 | 30,000+24,000 | 54,000 |
| 11 | 投入原価合計 | 405,000+324,000 | 729,000 |
| 12 | 完成品総合原価 | 729,000-54,000 | 675,000 |
解説
判断根拠
4段階で判断します。
第1に、材料の投入形態を確かめます。材料は工程を通じて投入されるので、期末仕掛品の材料換算量は数量どおりではなく 150×40%=60個 です。始点投入であれば150個ですが、この問題では投入形態が異なります。ここが最初の分かれ目です。
第2に、材料と加工費で換算量が一致するかを確かめます。この資料では材料進捗度と加工進捗度がどちらも40%なので、期末仕掛品の換算量はどちらも60個となり、分母もどちらも810個で一致します。これはこの資料の数値によるものであり、材料進捗度と加工進捗度が異なれば分母も分かれます。
第3に、負担区分に従って分母を決めます。両者に負担させると示されているので、正常減損100個を換算量の計算から除きます。除いた時点で、正常減損費は完成品と期末仕掛品の両方へ配分されています。発生点30%は期末仕掛品の進捗度40%以前であり、期末仕掛品も減損発生点を通過しているため、両者負担の指定と整合します。発生点30%は、両者に負担させる場合の計算そのものには用いません。 減損の数量を除くだけだからです。
第4に、完成品原価を差額で求めます。729,000-54,000=675,000円です。
検証
Validation(検証)
| 検証項目 | 計算 | 結果 |
|---|---|---|
| 数量フロー | 1,000=750+150+100 | 1,000=1,000 |
| 原価フロー | 675,000+54,000+0 | 729,000=729,000 |
| 換算量の構成 | 分母に正常減損を含めていない | 両者負担の手順と一致 |
| 材料換算量と加工費換算量 | 810個と810個 | この資料では一致 |
この検証の限界:原価フローの一致は、完成品原価を差額で求めた以上、定義上必ず成立します。
とくにこの問題では、材料の投入形態を取り違えても総額は保たれます。材料を始点投入と読み違えると、材料の換算量は 750+150=900個、材料単価は 405,000÷900=450円となり、期末仕掛品原価は 450×150+400×60=91,500円、完成品原価は 729,000-91,500=637,500円になります。このときも 637,500+91,500=729,000円で一致します。金額は大きく変わっているのに、検証は通ります。
材料の投入形態・進捗度・負担区分を、問題文に戻って一つずつ確かめる必要があります。
想定される誤り:ひとつは、材料を始点投入として期末仕掛品の材料換算量を150個としてしまうことです。ふたつめは、正常減損100個を換算量の分母に含めてしまうことです。両者に負担させる場合は分母から除きます。三つめは、材料と加工費の分母がどちらも810個で一致したことから、投入形態にかかわらず両者は一致すると考えてしまうことです。一致したのは材料進捗度と加工進捗度がどちらも40%だからです。
問7
次の資料にもとづき、(1)材料費の単価、(2)加工費の単価、(3)期末仕掛品原価、(4)仕損品評価額、(5)正常仕損費の正味の金額を求めなさい。
必要資料
- 負担区分:正常仕損費は完成品だけに負担させる
- 期首仕掛品:なし
- 当期投入数量:1,200個
- 完成品数量:900個
- 期末仕掛品数量:200個(加工進捗度50%)
- 正常仕損数量:100個(発生点80%)
- 材料は始点で投入する
- 当期投入原価:材料費600,000円、加工費540,000円
- 仕損品評価額:資料には示されていない(この設問で求める。0円と仮定しない)
- 完成品総合原価:970,000円(計算済み)
- 端数は生じない
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解答・解説
正答
- (1) 材料費の単価:500円
- (2) 加工費の単価:500円
- (3) 期末仕掛品原価:150,000円
- (4) 仕損品評価額:20,000円
- (5) 正常仕損費の正味の金額:70,000円
計算過程
| 順 | 項目 | 計算 | 金額・数量 |
|---|---|---|---|
| 1 | 数量の流れ | 1,200=900+200+100 | 1,200=1,200 |
| 2 | 材料の分母 | 900+200+100 | 1,200個 |
| 3 | 材料単価 | 600,000÷1,200 | 500円 |
| 4 | 加工費の分母 | 900+200×50%+100×80% | 1,080個 |
| 5 | 加工単価 | 540,000÷1,080 | 500円 |
| 6 | 期末(材料) | 500×200 | 100,000 |
| 7 | 期末(加工) | 500×100 | 50,000 |
| 8 | 期末仕掛品原価 | 100,000+50,000 | 150,000 |
| 9 | 投入原価合計 | 600,000+540,000 | 1,140,000 |
| 10 | 仕損品評価額 | 1,140,000-150,000-970,000 | 20,000 |
| 11 | 正常仕損の原価 | 500×100+500×80 | 90,000 |
| 12 | 正常仕損費の正味の金額 | 90,000-20,000 | 70,000 |
解説
判断根拠
4段階で判断します。
第1に、単価は与えられた投入原価から直接求まります。完成品だけに負担させるので、分母には正常仕損の換算量を含めます。材料は始点投入なので仕損の材料換算量は100個、加工費は発生点80%なので 100×80%=80個です。
第2に、期末仕掛品原価を求めます。期末仕掛品には仕損費を負担させないので、上で求めた単価をそのまま用いて 500×200+500×100=150,000円です。評価額は期末仕掛品の計算に影響しません。 完成品だけに負担させる場合、評価額は完成品原価から控除するからです。
第3に、評価額を逆算します。完成品原価の式は 投入原価合計 - 期末仕掛品原価 - 仕損品評価額 です。ここから評価額について解くと 1,140,000-150,000-970,000=20,000円 です。
第4に、正味の金額を求めます。正常仕損の原価90,000円のうち20,000円が評価額で回収されるので、完成品が負担する正味の金額は70,000円です。
検証
Validation(検証)
| 検証項目 | 計算 | 結果 |
|---|---|---|
| 数量フロー | 1,200=900+200+100 | 1,200=1,200 |
| 原価フロー | 970,000+150,000+20,000 | 1,140,000=1,140,000 |
| 単価の整合 | 600,000÷1,200 と 540,000÷1,080 | どちらも与件から直接算定 |
この検証の限界:この設問は逆算を含むため、検証が成立しやすくなっています。評価額を 投入原価合計 - 期末仕掛品原価 - 完成品原価 で求めた以上、それを足し戻せば必ず投入原価合計に戻ります。原価フローの確認は、この設問では独立した確認になりません。
独立性のある確認は、単価と期末仕掛品原価の側です。材料単価500円と加工単価500円は、与えられた投入原価と分母から直接求めたものであり、完成品原価970,000円を使っていません。期末仕掛品原価150,000円も同じです。ここが誤っていれば、逆算した評価額もその分だけ誤ります。
想定される誤り:ひとつは、期末仕掛品原価を求めるときに評価額を差し引いてしまうことです。完成品だけに負担させる場合、評価額は完成品原価から控除します。ふたつめは、加工費の分母に正常仕損を数量どおり100個として含めてしまうことです。発生点80%を掛けて80個とします。三つめは、逆算で求めた評価額20,000円を、そのまま正常仕損費の正味の金額と考えてしまうことです。正味の金額は、仕損の原価90,000円から評価額を差し引いた70,000円です。
問8
次の資料にもとづき、(1)正常仕損費を完成品だけに負担させる場合と、(2)完成品と期末仕掛品の両者に負担させる場合のそれぞれについて、単価、期末仕掛品原価、完成品総合原価を求め、結果を比較しなさい。
必要資料
- 期首仕掛品:なし
- 当期投入数量:1,000個
- 完成品数量:800個
- 期末仕掛品数量:100個(加工進捗度50%)
- 正常仕損数量:100個(発生点50%)
- 材料は始点で投入する
- 仕損品評価額:0円
- 当期投入原価:材料費900,000円、加工費765,000円
- 端数は生じない
- この設問では、上記(1)(2)の負担区分をそれぞれ指定されたものとして計算する
解答を見る
解答・解説
正答
| 負担区分 | 材料単価 | 加工単価 | 期末仕掛品原価 | 完成品総合原価 |
|---|---|---|---|---|
| (1) 完成品だけに負担 | 900円 | 850円 | 132,500円 | 1,532,500円 |
| (2) 両者に負担 | 1,000円 | 900円 | 145,000円 | 1,520,000円 |
投入原価合計はいずれも1,665,000円である。
計算過程
(1) 完成品だけに負担させる場合
| 順 | 項目 | 計算 | 金額・数量 |
|---|---|---|---|
| 1 | 材料の分母 | 800+100+100 | 1,000個 |
| 2 | 加工費の分母 | 800+50+50 | 900個 |
| 3 | 材料単価 | 900,000÷1,000 | 900円 |
| 4 | 加工単価 | 765,000÷900 | 850円 |
| 5 | 期末仕掛品原価 | 900×100+850×50 | 132,500 |
| 6 | 完成品総合原価 | 1,665,000-132,500 | 1,532,500 |
(2) 両者に負担させる場合
| 順 | 項目 | 計算 | 金額・数量 |
|---|---|---|---|
| 1 | 材料の換算量 | 800+100 | 900個 |
| 2 | 加工費の換算量 | 800+50 | 850個 |
| 3 | 材料単価 | 900,000÷900 | 1,000円 |
| 4 | 加工単価 | 765,000÷850 | 900円 |
| 5 | 期末仕掛品原価 | 1,000×100+900×50 | 145,000 |
| 6 | 完成品総合原価 | 1,665,000-145,000 | 1,520,000 |
解説
判断根拠
3段階で判断します。
第1に、違いは分母だけであることを確かめます。投入原価も数量も同じで、変わるのは正常仕損の換算量を分母に含めるかどうかです。材料は 1,000個と900個、加工費は900個と850個です。
第2に、分母の違いが単価の違いになることを確かめます。分母が大きい(1)のほうが単価は低くなります。材料は900円と1,000円、加工費は850円と900円です。期末仕掛品の換算量は(1)(2)で同じなので、単価が低い(1)のほうが期末仕掛品原価は小さくなります。ここでは 132,500円と145,000円で、差は12,500円です。
この大小関係は、この資料のように評価額が0で、正常仕損の換算量が0でない場合に、分母の大小から導かれるものです。正常仕損の換算量が0であれば、2つの負担区分の結果は一致します。
第3に、総額は変わらないことを確かめます。完成品原価はどちらも差額で求めるため、期末仕掛品原価が変われば完成品原価が反対方向に同じだけ変わります。1,532,500+132,500 も 1,520,000+145,000 も1,665,000円です。負担区分は総額を変えず、配分だけを変えます。
なお、この資料では正常仕損の発生点50%と期末仕掛品の加工進捗度50%が同じ値であり、この関係だけから読み取れることは限られます。負担区分は問題文の指定によって決まります。
検証
Validation(検証)
| 検証項目 | 計算 | 結果 |
|---|---|---|
| 数量フロー | 1,000=800+100+100 | 1,000=1,000 |
| 原価フロー(1) | 1,532,500+132,500+0 | 1,665,000=1,665,000 |
| 原価フロー(2) | 1,520,000+145,000+0 | 1,665,000=1,665,000 |
| 差額の対応 | 145,000-132,500 と 1,532,500-1,520,000 | どちらも12,500円 |
この検証の限界:2つの負担区分のどちらで計算しても原価フローは一致します。 一致したことは、指定された負担区分で計算したことを示しません。問題文が示す負担区分で解く必要があります。
原価フローの一致そのものも、完成品原価を差額で求める以上、定義上必ず成立します。期末仕掛品原価が正しいかどうかは、この確認では分かりません。
想定される誤り:ひとつは、期末仕掛品原価と完成品原価の合計が一致したことをもって、負担区分の選択まで正しいと判断してしまうことです。ふたつめは、正常仕損の発生点と期末仕掛品の進捗度が同じ値であることから、負担区分を自分で決めてしまうことです。三つめは、(1)と(2)で完成品原価の差12,500円を、期末仕掛品原価の差とは別の金額と考えてしまうことです。総額が同じである以上、2つの差は同じ金額になります。