重要度:A 論点:制裁規定の制限
問113:就業規則で減給の制裁を定める場合の限度に関する記述として、正しいものはどれか。
- A:1回の減給額は平均賃金の1日分の半額を超えてはならず、減給総額は一賃金支払期における賃金総額の10分の1を超えてはならない
- B:1回の減給額は平均賃金の1日分まで認められるが、減給総額は一賃金支払期における賃金総額の10分の1を超えてはならない
- C:遅刻により就労しなかった時間分の賃金を控除することも、減給の制裁として91条の制限を受ける
【第113問:正解と解説】
正解:A
【解説】
・A:正しい(労基法91条)。【試験対策】減給の制裁には、「1回=平均賃金1日分の半額」と「一賃金支払期の総額=賃金総額の10分の1」という2つの上限が同時に適用される。遅刻・早退により就労しなかった時間分の賃金控除は、減給の制裁ではない。
・B:誤り。1回の減給額の上限は、平均賃金の1日分ではなく、その半額である。
・C:誤り。就労しなかった時間分の賃金控除はノーワーク・ノーペイの原則によるものであり、減給の制裁に当たらない。
重要度:A 論点:法令・労働協約との関係
問114:就業規則と法令・労働協約・労働契約との関係に関する記述として、正しいものはどれか。
- A:就業規則を上回る労働条件を定める労働契約も、就業規則の基準まで引き下げられる
- B:就業規則で定める基準に達しない労働条件を定める労働契約は、その部分については無効となり、就業規則で定める基準による
- C:就業規則は労働協約に優先する
【第114問:正解と解説】
正解:B
【解説】
・A:誤り。就業規則を上回る労働条件を個別に合意した部分は、原則として有効である(労働契約法7条ただし書)。
・B:正しい(労働契約法12条)。【試験対策】就業規則の基準を下回る個別労働契約は、その部分が無効となり、就業規則の基準に置き換えられる。一方、就業規則を上回る個別合意は原則として有効である。また、就業規則は法令又は当該事業場に適用される労働協約に反することができない(労基法92条、労働契約法13条)。
・C:誤り。就業規則は、法令又は当該事業場について適用される労働協約に反してはならない(労基法92条)。
重要度:B 論点:周知義務
問115:就業規則の周知に関する記述として、正しいものはどれか。
- A:就業規則は、行政官庁に届け出た時点で労働者に対する効力が生じる
- B:就業規則の周知は、労働者から請求があった場合に行えば足りる
- C:使用者は、就業規則を常時各作業場の見やすい場所へ掲示し、又は備え付けること等により、労働者に周知させなければならない
【第115問:正解と解説】
正解:C
【解説】
・A:誤り。行政官庁への届出だけでは足りない。就業規則が労働契約の内容となるには、合理的な労働条件が定められ、労働者に周知されていること等が必要である(労働契約法7条)。
・B:誤り。使用者は、労働者から請求される前から、労働者が知ろうと思えばいつでも確認できる状態にしておかなければならない。
・C:正しい(労基法106条、労基則52条の2)。【試験対策】周知方法は、①各作業場への掲示・備付け、②書面の交付、③電子媒体に記録し常時確認できる機器を設置する方法である。実際に全員が読んだことまでは必要ないが、知ろうと思えばいつでも確認できる状態が必要である。懲戒規定についても、あらかじめ周知されていることが必要とされる(フジ興産事件・最判平成15年10月10日)。

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