前提:定額法・間接法により、当期の減価償却を決算日にまとめて計上し、決算整理前残高試算表の減価償却累計額には当期の決算整理分がまだ反映されていない基本ケースを扱います。減価償却の意味・定額法の計算・月割・帳簿価額の基本は C07-T03(減価償却の基本) で確認してください。
重要度:A 論点:決算整理後の減価償却累計額
問1(二択)
決算整理で当期分の減価償却費を計上したあと、減価償却累計額はどのようになるか。
A:当期の減価償却費の金額そのものになる B:決算整理前の累計額に、当期の減価償却費を加えた金額になる
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正解:B(決算整理前の累計額に、当期の減価償却費を加えた金額になる)
解説
本問の前提では、決算整理前残高試算表に載っている減価償却累計額は、当期の決算整理分を反映する前の累計残高です。決算整理では、そこへ当期分だけを追加します。
決算整理後の累計額 = 決算整理前の累計額 + 当期の減価償却費
たとえば決算整理前の累計額が ¥66,000、当期の減価償却費が ¥33,000 なら、決算整理後は 66,000 + 33,000 = ¥99,000 です。
A が誤りである理由:仕訳の貸方に書く金額(当期分)と、勘定の残高(累計)を混同するためです。仕訳に書くのは当期分だけですが、累計額の残高は決算整理前の残高に当期分を加えた金額になります。
なお、間接法では固定資産そのものの金額(取得原価)は変わりません。帳簿価額は「取得原価 − 決算整理後の累計額」で求めます。
重要度:A 論点:決算資料からの処理手順
問2(二択)
決算問題で減価償却を処理するときの基本的な順序として、適切なのはどちらか。
A:決算整理前残高試算表の減価償却累計額を当期の減価償却費として仕訳し、そのまま帳簿価額を求める B:当期の減価償却費を計算する → 決算整理仕訳を行う → 決算整理後の累計額を求める → 帳簿価額を求める
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正解:B
解説
決算資料から処理するときは、次の順で進めます。
| 手順 | やること |
| :-: | — |
| 1 | 試算表から取得原価と決算整理前の累計額を拾う |
| 2 | 決算整理事項から償却方法・耐用年数・残存価額・取得時期を確認する |
| 3 | 当期の減価償却費を計算する(取得原価と耐用年数から。期中取得なら月割) |
| 4 | 決算整理仕訳を行う(減価償却費/○○減価償却累計額) |
| 5 | 決算整理後の累計額を求める(決算整理前 + 当期分) |
| 6 | 帳簿価額を求める(取得原価 − 決算整理後の累計額) |
A が誤りである理由:試算表の累計額を当期の費用と取り違えているためです。本問の前提では、試算表の累計額は当期の決算整理分を反映する前の累計残高であり、当期分は取得原価と耐用年数から自分で計算します。
当期分を計算しないまま先へ進むことはできません。 手順3を飛ばすと、仕訳の金額も、決算整理後の累計額も、帳簿価額もすべてずれます。

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