減価償却の決算整理 仕訳問題【全1問】

共通前提

  • 会計期間は4月1日から翌年3月31日までである。決算日は3月31日。
  • 減価償却は定額法・間接法による。
  • 当期の減価償却は決算日にまとめて計上し、決算整理前残高試算表の減価償却累計額には当期の決算整理分を含まないものとする。

共通語群(この中から勘定科目を選ぶこと)

減価償却費 / 建物減価償却累計額 / 備品減価償却累計額 / 減価償却累計額 / 建物 / 備品 / 土地

注意:仕訳に書くのは当期分の減価償却費です。本問では、試算表の減価償却累計額は当期の決算整理分を反映する前の累計残高であり、当期の費用ではありません。


重要度:A 難易度:標準 論点:決算整理前残高試算表からの読み取りと当期減価償却費の算定

問1(標準)

決算にあたり、減価償却の決算整理を行う。次の資料にもとづき、必要な決算整理仕訳を示しなさい。

資料1 決算整理前残高試算表(一部)

勘定科目 借方 貸方
建物 1,320,000
建物減価償却累計額 132,000

資料2 決算整理事項

建物は前期以前から保有している。定額法(耐用年数30年、残存価額ゼロ)により減価償却を行う。

解答を見る

正解

借方科目 金額 貸方科目 金額
減価償却費 44,000 建物減価償却累計額 44,000

検算:借方 44,000 = 貸方 44,000 ✓

解説

手順1 試算表から2つの金額を拾う

試算表の科目 金額 意味
建物 1,320,000 取得原価
建物減価償却累計額 132,000 決算整理前の累計額(本問では当期決算整理分を反映する前の累計)

手順2 当期の減価償却費を計算する

当期分は、試算表の累計額ではなく、取得原価と耐用年数から計算します。建物は前期以前から保有しているので、当期は1年間を通じて使用しており、年額をそのまま計上します。

1,320,000 ÷ 30年 = ¥44,000

手順3 仕訳を書く

  • 借方:減価償却費(費用)……当期分 ¥44,000 が発生します。
  • 貸方:建物減価償却累計額(資産の控除項目)……間接法なので、建物そのものは減らしません。

手順4 決算整理後の金額を確認する

金額
建物(取得原価・変わらない 1,320,000
決算整理後の建物減価償却累計額(132,000 + 44,000) 176,000
決算整理後の帳簿価額(1,320,000 − 176,000) 1,144,000

検算:176,000 + 1,144,000 = 1,320,000 = 取得原価 ✓

注意したい解答

  • 試算表の ¥132,000 をそのまま当期の減価償却費にする誤り。本問では、これは当期の決算整理分を反映する前の累計(44,000 × 3年分)であって、当期の費用ではありません。
  • 貸方を「減価償却累計額」とだけ書く誤り。本教材の標準解答は資産名を冠した「建物減価償却累計額」です。
  • 貸方を「建物」にする誤り。間接法では、固定資産の取得原価そのものを直接減額しません。
  • 未償却残高(1,320,000 − 132,000)を残りの年数で割る誤り。定額法では毎期同額であり、取得原価と耐用年数から求めます。
  • 使用科目:減価償却費/建物減価償却累計額


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