前提:会計期間は4月1日から翌年3月31日まで、決算日は3月31日とします。当期の法人税等の年税額は問題文で与えられたものを用います(税率などから税額そのものを計算することはしません)。
法人税等で使う勘定科目、中間納付の処理、当期の費用額が確定額の全額であること、決算整理仕訳の構造、後日の納付は、C08-T04(法人税、住民税及び事業税) で確認してください。ここでは、決算という場面で資料を読み、処理を完結させる判断だけを扱います。
重要度:A 論点:中間納付がない場合は仮払法人税等を使わない
問1(二択)
決算で当期の法人税等の年税額が確定した。中間納付は行っていない。このときの決算整理仕訳として適切なのはどちらか。
A:借方「法人税、住民税及び事業税」/貸方「仮払法人税等」「未払法人税等」 B:借方「法人税、住民税及び事業税」/貸方「未払法人税等」
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正解:B(借方「法人税、住民税及び事業税」/貸方「未払法人税等」)
解説
中間納付をしていないので、仮払法人税等の残高は存在しません。
決算整理では、中間納付済みの分を取り崩すために仮払法人税等を貸方に置きます。取り崩すべき残高がなければ、この科目は登場しません。
年税額の全額がそのまま未納額になるため、
未払法人税等 = 年税額 − 0 = 年税額
となり、借方の費用と貸方の負債が同額になります。
A が誤りである理由:実在しない仮払法人税等を貸方に置くと、計上されていない資産を減らすことになるためです。本問では「中間納付は行っていない」と明示されているため、仮払法人税等を取り崩す処理はありません。
重要度:A 論点:決算整理後の仮払法人税等(基本ケースでは0円)
問2(○×)
当期の中間納付として計上した仮払法人税等は、決算で当期の法人税等が確定したあとも、そのまま資産として残高が残る。
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正解:×
解説
決算整理で、仮払法人税等は貸方で全額取り崩します。したがって、当期の中間納付だけが残っている基本ケースでは、
決算整理後の仮払法人税等 = 0円
となります。
決算整理の前後で、3つの科目は次のように変わります。
| 勘定科目 | 決算整理前 | 決算整理 | 決算整理後 |
|---|---|---|---|
| 仮払法人税等(資産) | 残高あり | 貸方で取り崩す | 0 |
| 未払法人税等(負債) | 0 | 貸方で計上する | 未納額 |
| 法人税、住民税及び事業税(費用) | 0 | 借方で計上する | 年税額の全額 |
仮払法人税等を取り崩さないと、中間納付済みの金額が資産として残ったままになり、当期の年税額との精算が完了しません。
なお、これは当期分の中間納付だけが残高となっている基本ケースについて言えることです。問題文に他の調整事項がある場合は、条件をすべて反映して残高を求めてください。
重要度:A 論点:決算整理前残高試算表からの処理手順(費用額と未払額を区別する)
問3(順序選択)
決算整理前残高試算表と決算整理事項から法人税等を処理するとき、手順の順序として適切なのはどちらか。
A:年税額を確認 → 仮払法人税等の残高を確認 → 年税額の全額を費用として計上 → 差額を未払法人税等とする B:年税額を確認 → 仮払法人税等の残高を確認 → 差額を求める → その差額を費用として計上する
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正解:A
解説
差を分けているのは、費用として計上する金額です。
| 金額 | |
|---|---|
| 当期の費用 | 年税額の全額 |
| 未払法人税等 | 年税額 − 仮払法人税等 |
A は、年税額の全額を費用として計上し、差額は未払法人税等とする点が適切です。本教材ではこの順に整理していますが、差額を先に計算すること自体が会計上の誤りなのではありません。費用額と未払額を取り違えないことが本質です。
B が誤りである理由:差額を求めたあと、その差額を費用として計上している点が誤りです。中間納付額は仮払法人税等という資産として記録されており、費用としては計上されていません。決算では、すでに納めた分も含めた年税額の全額を当期の費用とします。

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