前提:差額補充法により、決算資料から貸倒引当金を調整する場合とします。貸倒引当金の意味・性質・差額補充法の基本は C06-T02(貸倒引当金の設定と差額補充法) で確認してください。
重要度:A 論点:貸倒引当金の設定対象
問1(○×)
本教材で扱う3級の基本形では、未収入金も、売掛金・電子記録債権と同じように貸倒引当金の設定対象に含める。
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正解:×
解説
本教材で扱う3級の基本形では、貸倒引当金の設定対象を売掛金と電子記録債権として扱い、未収入金は同じ対象に含めません。
未収入金は、商品売買以外の取引から生じる債権として、売掛金・電子記録債権と区別します。これは本教材の3級問題上の基本形であり、会計一般について「未収入金には貸倒れの見積りを行わない」と一般化する趣旨ではありません。
| 科目 | 何から生じた債権か | 設定対象(原則) |
| — | — | :-: |
| 売掛金 | 商品を掛けで売った代金 | ○ |
| 電子記録債権 | 売掛金から振り替えた電子記録上の債権 | ○ |
| 未収入金 | 商品売買以外(固定資産の売却など)の代金 | × |
決算整理前残高試算表に未収入金が並んでいても、対象債権の合計に加えないよう注意してください。
ただし、問題文で対象債権が指定されている場合は、問題文の指示が最優先です。 「売掛金の期末残高に対して」と書いてあれば売掛金だけに設定率を掛けます。
科目を正しく分けておくことが、決算処理の正確さに直結します。
重要度:A 論点:決算整理前残高試算表の貸倒引当金残高の使い方
問2(二択)
決算整理前残高試算表に計上されている「貸倒引当金」の残高は、決算整理でどのように使うか。
A:必要な貸倒引当金残高として、そのまま決算整理後の残高になる B:必要な貸倒引当金残高と比較して、調整額を求めるために使う
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正解:B(必要な貸倒引当金残高と比較して、調整額を求めるために使う)
解説
決算整理前残高試算表の貸倒引当金の残高は、前期に設定した引当金のうち、まだ残っている金額です。これを決算整理前残高といいます。
決算整理では、次の順で使います。
| 手順 | やること |
| :-: | — |
| 1 | 対象債権の期末残高 × 設定率 で必要残高を求める |
| 2 | 試算表の貸倒引当金残高(=決算整理前残高)と比較する |
| 3 | 不足なら追加繰入、多すぎるなら戻入と判定する |
| 4 | 差額(調整額)を求めて仕訳する |
つまり、試算表の貸倒引当金は比較の相手であって、答えそのものではありません。
A が誤りである理由:決算整理後の残高は必要残高にそろいますが、それは調整を行った結果です。試算表の残高は調整前の金額なので、そのままでは決算整理後の残高になりません。
| 何の金額か | |
|---|---|
| 試算表の貸倒引当金 | 決算整理前残高(比較の相手) |
| 対象債権 × 設定率 | 必要残高(あるべき残高) |
| 両者の差額 | 調整額(仕訳に書く金額) |
| 決算整理後の貸倒引当金 | 必要残高(検算に使う) |

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