修繕と改良(収益的支出・資本的支出) 仕訳問題【全9問】

共通前提:当社は青森商事株式会社(会計期間 ×1年4月1日〜×2年3月31日)である。各問は独立している。

共通語群(各問、この中から最も適当な勘定科目を選ぶこと)

現金 / 普通預金 / 建物 / 備品 / 車両運搬具 / 未払金 / 買掛金 / 修繕費

各問には、支出の目的・効果が問題文に示されています。工事の名称ではなく、その記述で判断してください。


重要度:A/難易度:初級 論点:収益的支出の基本形

問1(初級)

タグ:固定資産

×1年5月10日 店舗建物の壊れた部分について工事を行い、代金 ¥140,000 を普通預金から支払った。この工事は、通常の使用ができる状態へ戻すためのものである。

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正解

借方科目 金額 貸方科目 金額
修繕費 140,000 普通預金 140,000

解説

  • 判断の手がかり:「通常の使用ができる状態へ戻すため」=原状回復にとどまる収益的支出
  • 借方の理由:修繕費(費用)の発生。
  • 貸方の理由:普通預金(資産)の減少。
  • 間違いやすい科目建物。原状回復にとどまる支出は資産に加算しません。
  • 使用科目:修繕費/普通預金

重要度:A/難易度:初級 論点:資本的支出の基本形

問2(初級)

タグ:固定資産

×1年6月18日 店舗建物に新しい設備を追加する工事を行い、代金 ¥720,000 を普通預金から支払った。この工事により、建物の価値は従来より高まっている。

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正解

借方科目 金額 貸方科目 金額
建物 720,000 普通預金 720,000

解説

  • 判断の手がかり:「建物の価値は従来より高まっている」=資本的支出建物に加算
  • 借方の理由:建物(資産)の増加。
  • 貸方の理由:普通預金(資産)の減少。
  • 間違いやすい科目修繕費。修繕費を使うのは原状回復にとどまる場合です。
  • この後の処理:加算した ¥720,000 は、以後の減価償却を通じて費用になります(C07-T03)。
  • 使用科目:建物/普通預金

重要度:A/難易度:初級 論点:建物以外の固定資産の収益的支出

問3(初級)

タグ:固定資産

×1年7月3日 営業用車両の故障箇所について工事を行い、代金 ¥95,000 を普通預金から支払った。この工事は、故障前の状態へ戻すためのものである。

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正解

借方科目 金額 貸方科目 金額
修繕費 95,000 普通預金 95,000

解説

  • 判断の手がかり:「故障前の状態へ戻すため」=原状回復にとどまる収益的支出
  • 確認修繕費は建物専用の科目ではありません。 車両運搬具でも備品でも、原状回復にとどまる支出は修繕費です。
  • 間違いやすい科目車両運搬具。原状回復にとどまる支出は資産に加算しません。
  • 使用科目:修繕費/普通預金

重要度:A/難易度:標準 論点:金額の大小では判断しない(収益的支出)

問4(標準)

タグ:固定資産

×1年9月12日 倉庫の傷んだ箇所について大規模な工事を行い、代金 ¥960,000 を現金で支払った。この工事は、傷む前の状態へ戻すためのものであり、倉庫の価値や使用可能期間が従来より高まったわけではない。

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正解

借方科目 金額 貸方科目 金額
修繕費 960,000 現金 960,000

解説

  • 判断の手がかり:「傷む前の状態へ戻すため」「価値や使用可能期間が従来より高まったわけではない」=原状回復にとどまる収益的支出
  • 条件判断金額が大きくても、原状回復にとどまるなら修繕費です。
  • 間違いやすい科目建物。「¥960,000 という大きな金額だから資産だろう」という判断は誤りです。判別基準は支出の効果であり、金額ではありません。
  • 使用科目:修繕費/現金

重要度:B/難易度:標準 論点:金額の大小では判断しない(資本的支出)

問5(標準)

タグ:固定資産

×1年10月8日 業務用の備品に追加の装置を取り付け、代金 ¥75,000 を現金で支払った。この取付けにより、備品の性能は従来より高まっている。

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正解

借方科目 金額 貸方科目 金額
備品 75,000 現金 75,000

解説

  • 判断の手がかり:「性能は従来より高まっている」=資本的支出備品に加算
  • 条件判断金額が比較的少額でも、価値や性能を高めるなら資産に加算します。問4と対で確認してください。
  • 間違いやすい科目修繕費。「¥75,000 と少額だから費用だろう」という判断は誤りです。
  • 使用科目:備品/現金

重要度:A/難易度:標準 論点:収益的支出と後払い(未払金)

問6(標準)

タグ:固定資産

×1年11月20日 建物の破損箇所について工事を行った。この工事は、破損前の状態へ戻すためのものである。 代金 ¥180,000 は後日支払うこととした。

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正解

借方科目 金額 貸方科目 金額
修繕費 180,000 未払金 180,000

解説

  • 判断の手がかり:「破損前の状態へ戻すため」=収益的支出 → 修繕費。
  • 条件判断:代金を後日支払うので、貸方は未払金です。
  • 間違いやすい科目買掛金買掛金は商品を掛けで仕入れたときに使う科目であり、工事代金の未払いには使いません(C05-T05)。
  • 使用科目:修繕費/未払金

重要度:A/難易度:標準 論点:資本的支出と後払い(未払金)

問7(標準)

タグ:固定資産

×1年12月5日 建物の改修工事を行った。この工事により、建物の使用可能期間は従来より延びている。 代金 ¥450,000 は後日支払うこととした。

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正解

借方科目 金額 貸方科目 金額
建物 450,000 未払金 450,000

解説

  • 判断の手がかり:「使用可能期間は従来より延びている」=資本的支出 → 建物に加算。
  • 条件判断:代金を後日支払うので、貸方は未払金です。
  • 間違いやすい科目修繕費。「改修工事」という名称ではなく、使用可能期間が延びているという効果の記述で判断します。
  • 使用科目:建物/未払金

重要度:A/難易度:応用 論点:混在型(差引きによる切り分け)

問8(応用)

タグ:固定資産

×2年1月16日 建物の改修工事代金 ¥640,000 を普通預金から支払った。このうち ¥400,000 は建物の価値を高める資本的支出であり、残額は破損箇所を元に戻すための収益的支出である。

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正解

借方科目 金額 貸方科目 金額
建物 400,000 普通預金 640,000
修繕費 240,000

解説

  • 判断の手がかり問題文が2つに切り分ける指示を与えている。
  • 金額の計算:資本的支出 ¥400,000 は問題文に示されている。収益的支出 = 640,000 − 400,000 = ¥240,000(差引きで求める)。
  • 借方の理由:建物(資産)の増加と、修繕費(費用)の発生。
  • 貸方の理由:普通預金(資産)の減少。
  • 間違いやすい解答全額を一方に寄せる誤り。「改修工事」という名称だけを見て全額を修繕費(または全額を建物)にしないでください。
  • 検算:借方 400,000 + 240,000 = 貸方 640,000。
  • 使用科目:建物/修繕費/普通預金

重要度:A/難易度:応用 論点:混在型と複合決済(2論点の複合)

問9(応用)

タグ:固定資産

×2年2月24日 建物の工事代金 ¥850,000 について、うち ¥520,000 は傷んだ部分を元に戻すための支出、¥330,000 は建物の価値を高める支出であった。代金のうち ¥350,000 を現金で支払い、残額は後日支払うこととした。

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正解

借方科目 金額 貸方科目 金額
修繕費 520,000 現金 350,000
建物 330,000 未払金 500,000

解説

  • 2つの論点が重なっています。
  • 論点1(支出の区分):原状回復 ¥520,000 → 修繕費/価値の向上 ¥330,000 → 建物
  • 論点2(決済の区分):現金 ¥350,000/残額 850,000 − 350,000 = ¥500,000 は未払金
  • 借方と貸方の切り分けは別々に考えます。 借方は工事の内容で、貸方は支払方法で分かれます。
  • 間違いやすい解答:借方と貸方の金額を対応づけようとする誤り(「現金 350,000 は修繕費の分」など)。対応づける必要はありません。
  • 検算:借方 520,000 + 330,000 = 850,000 = 貸方 350,000 + 500,000。
  • 使用科目:修繕費/建物/現金/未払金


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