決算手続の総合(2級決算整理一巡・精算表) 計算問題(2026年度) 第1問〜第3問

問1

【2026年度専用】

会計期間は2026年4月1日から2027年3月31日まで、表示単位は円とする。期末商品の帳簿棚卸高は1,000個、原価@600円である。実地棚卸数量は950個、正味売却価額は@550円であった。未処理・訂正事項はない。

(1)棚卸減耗損、(2)商品評価損、(3)期末商品の貸借対照表価額を求めなさい。

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解答・解説

  • (1) 棚卸減耗損:30,000円
  • (2) 商品評価損:47,500円
  • (3) 期末商品の貸借対照表価額:522,500円

棚卸減耗損:(1,000-950)×600=30,000円
商品評価損:950×(600-550)=47,500円
貸借対照表価額:600,000-30,000-47,500=522,500円

検証:実地数量×正味売却価額=950×550=522,500円と一致します。減耗損は数量の差、評価損は単価の差であり、二重に差し引くことはありません。


問2

【2026年度専用】

会計期間は2026年4月1日から2027年3月31日まで、表示単位は円とする。決算整理前残高試算表の売掛金は3,000,000円、貸倒引当金は50,000円(貸方)である。決算にあたり掛売上200,000円が未記帳であることが判明した。これ以外の未処理・訂正事項はない。売掛金の期末残高に対して2%の貸倒引当金を差額補充法で設定する(個別評価の債権はない)。

(1)訂正後の売掛金残高、(2)貸倒引当金の必要額、(3)貸倒引当金繰入を求めなさい。

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解答・解説

  • (1) 訂正後の売掛金:3,200,000円
  • (2) 貸倒引当金の必要額:64,000円
  • (3) 貸倒引当金繰入:14,000円

訂正後の売掛金:3,000,000+200,000=3,200,000円
必要額:3,200,000×2%=64,000円
繰入:64,000-50,000=14,000円

検証:整理後の貸倒引当金は50,000+14,000=64,000円で、必要額と一致します。訂正前の3,000,000円で計算すると60,000円・10,000円となり、未処理事項を先に反映しないと4,000円ずれます。


問3

【2026年度専用】

会計期間は2026年4月1日から2027年3月31日まで、表示単位は円とする。未処理・訂正事項はない。決算整理事項は次のとおりである。

  1. その他有価証券(取得原価2,000,000円)の期末時価は2,300,000円である。全部純資産直入法により評価し、税効果会計を適用する(法定実効税率30%)。
  2. 売掛金のうち10,000ドルは外貨建てで、取引時の為替相場1ドル100円で1,000,000円と記帳されている。決算日の為替相場は1ドル105円であり、決済日の為替相場も1ドル105円と与えられている。本問では決算換算のみを行う。
  3. ソフトウェア(取得原価1,200,000円、2026年4月1日取得)を5年で償却する(残存価額0、定額法、直接法、12か月分)。
  4. 上記1以外の将来減算一時差異は期首100,000円、期末160,000円である(法定実効税率30%)。

(1)その他有価証券に係る繰延税金負債とその他有価証券評価差額金、(2)為替差損益、(3)ソフトウェア償却と期末ソフトウェア、(4)上記4に係る繰延税金資産の期首・期末残高と法人税等調整額を求めなさい。

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解答・解説

  • (1) 繰延税金負債:90,000円/その他有価証券評価差額金:210,000円(貸方)
  • (2) 為替差損益:50,000円(差益)
  • (3) ソフトウェア償却:240,000円/期末ソフトウェア:960,000円
  • (4) 繰延税金資産 期首:30,000円/期末:48,000円/法人税等調整額:18,000円(貸方)

判断根拠

順序は、有価証券の評価(5)→無形固定資産の償却(7)→外貨換算(9)→税効果(11)です。税効果は一時差異の金額が確定したあとに計算します。

(1) 評価差額:2,300,000-2,000,000=+300,000円。繰延税金負債:300,000×30%=90,000円。評価差額金:300,000-90,000=210,000円。時価上昇なので純資産の貸方です。
(2) 決算日レートの売掛金:10,000×105=1,050,000円。差額:1,050,000-1,000,000=+50,000円。資産の増加なので差益です。
(3) 償却:1,200,000÷5=240,000円。期末:1,200,000-240,000=960,000円。
(4) 期首の繰延税金資産:100,000×30%=30,000円。期末:160,000×30%=48,000円。増加額48,000-30,000=18,000円を法人税等調整額の貸方に計上します。

検証

(1) 90,000+210,000=300,000円で評価差額と一致します。
(2) 為替相場が1ドル100円から105円へ円安になっており、ドル建ての資産は円建てで増えます。差益の向きと整合します。
(3) 960,000円は取得原価の5分の4(残り4年分)と一致します。
(4) 一時差異の増加60,000×30%=18,000円と一致します。その他有価証券の税効果(繰延税金負債90,000円)は純資産直入であり、法人税等調整額を通しません。

想定される誤り

その他有価証券の税効果を法人税等調整額に含めることです。全部純資産直入法では、評価差額に係る繰延税金は損益に影響しません。もう一つは、繰延税金資産の期末残高48,000円をそのまま法人税等調整額としてしまうことで、期首残高30,000円との差額だけが当期の調整額です。


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