有形固定資産の取得(付随費用・割賦購入・建設仮勘定・資本的支出) 仕訳問題(2026年度) 第1問〜第4問

問1

青森商事株式会社は、備品を購入代金 ¥1,500,000 で取得し、あわせて搬入費 ¥60,000 と据付費 ¥40,000(いずれも備品を使用可能な状態にするため直接必要な支出)を支払った。代金および付随費用はいずれも普通預金口座から支払った。この取引の仕訳を示しなさい。

使用可能勘定科目

備品/建物/建設仮勘定/営業外支払手形/未払金/支払利息/修繕費/普通預金

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解答・解説

正答

借方科目 金額 貸方科目 金額
備品 1,600,000 普通預金 1,600,000

計算過程

取得原価 = ¥1,500,000 + ¥60,000 + ¥40,000 = ¥1,600,000

検算:借方 1,600,000 = 貸方 1,600,000 ✓/購入代金 + 付随費用 = 支払総額 ✓

解説

搬入費・据付費はいずれも備品を使用可能な状態にするため直接必要な支出であるため、取得原価に含めます。

借方は1行です。購入代金と付随費用を分けて記帳する必要はありません。

これらを費用として処理すると、備品の帳簿価額が ¥1,500,000 となり過小になります。


問2

2026年度の処理による。 青森商事株式会社は、営業用の車両を ¥2,400,000 で購入し、代金は約束手形を振り出して支払った。この取引の仕訳を示しなさい。なお、車両は「備品」勘定で処理するものとする。

使用可能勘定科目

備品/建物/建設仮勘定/営業外支払手形/未払金/支払利息/修繕費/普通預金

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解答・解説

正答

借方科目 金額 貸方科目 金額
備品 2,400,000 営業外支払手形 2,400,000

判断

  • 取得:固定資産の購入 → 商品売買以外の取引
  • 決済:約束手形の振出 → 2026年度では営業外支払手形を使用可

検算:借方 2,400,000 = 貸方 2,400,000 ✓

解説

固定資産の購入で約束手形を振り出した場合、営業外支払手形を用います。

商品の仕入で振り出した手形であれば支払手形ですが、もとの取引が商品売買ではないため区分が分かれます。

なお2027年度では紙の手形が範囲外となるため、この処理は用いません。自分が受験する年度の勘定を確認してください。


問3

青森商事株式会社は備品を割賦で購入した。次の資料にもとづき、(1)購入時と(2)第1回支払時の仕訳を示しなさい。

資料

  • 現金正価 ¥1,500,000
  • 割賦支払総額 ¥1,650,000
  • 支払回数 5回(毎月末に均等額を普通預金口座から支払う)
  • 利息の配分方法は定額法による
  • 資産および元本債務は現金正価で計上する
  • 代金は通常の後払いとし、債務の発生について電子記録の手続は行っていない

使用可能勘定科目

備品/建物/建設仮勘定/営業外支払手形/未払金/支払利息/修繕費/普通預金

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解答・解説

正答

(1) 購入時

借方科目 金額 貸方科目 金額
備品 1,500,000 未払金 1,500,000

(2) 第1回支払時

借方科目 金額 貸方科目 金額
未払金 300,000 普通預金 330,000
支払利息 30,000

計算過程

①利息総額 = ¥1,650,000 - ¥1,500,000 = ¥150,000
②1回当たりの利息 = ¥150,000 ÷ 5回 = ¥30,000
③1回当たりの元本 = ¥1,500,000 ÷ 5回 = ¥300,000
④1回当たりの支払額 = ¥1,650,000 ÷ 5回 = ¥330,000

検算

  • (1) 借方 1,500,000 = 貸方 1,500,000 ✓
  • (2) 借方 300,000 + 30,000 = 330,000 = 貸方 330,000 ✓
  • 元本 ¥300,000 + 利息 ¥30,000 = ¥330,000 = 支払額 ✓
  • 利息 ¥30,000 × 5回 = ¥150,000 = 利息総額 ✓

解説

(1) 資産と元本債務は現金正価 ¥1,500,000 で計上します。割賦支払総額 ¥1,650,000 で計上すると、利息まで資産に含めてしまいます。

(2) 支払額 ¥330,000 を元本 ¥300,000 と利息 ¥30,000 に区分します。未払金は現金正価で計上されているため、5回で減らせるのは ¥1,500,000 です。

支払利息は損益計算書では営業外費用に表示します。


問4

青森商事株式会社の建物に関する次の(1)〜(3)の仕訳を示しなさい。

(1) 建物の建設にあたり、手付金 ¥3,000,000 を普通預金口座から支払った。
(2) 建設の中間金 ¥2,000,000 を普通預金口座から支払った。
(3) 建物が完成し、使用可能な状態で引き渡しを受けたため、建設仮勘定から本勘定へ振り替えた。あわせて、引渡し後に次の2件の支出を普通預金口座から行った。

  • 支出① ¥600,000(この支出により建物の価値が増加すると認められる)
  • 支出② ¥400,000(通常の維持管理のための支出であり、価値の増加も耐用年数の延長も生じない)

使用可能勘定科目

備品/建物/建設仮勘定/営業外支払手形/未払金/支払利息/修繕費/普通預金

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解答・解説

正答

(1) 手付金の支払

借方科目 金額 貸方科目 金額
建設仮勘定 3,000,000 普通預金 3,000,000

(2) 中間金の支払

借方科目 金額 貸方科目 金額
建設仮勘定 2,000,000 普通預金 2,000,000

(3) 完成引渡しと引渡し後の支出

借方科目 金額 貸方科目 金額
建物 5,000,000 建設仮勘定 5,000,000
借方科目 金額 貸方科目 金額
建物 600,000 普通預金 1,000,000
修繕費 400,000

判断根拠

建設中と完成後で扱いが分かれ、さらに引渡し後の支出は内容により2つに分かれます。

場面 判定 処理
(1)(2) 建設中の支払 まだ使用できない 建設仮勘定に累積
(3) 完成引渡し 使用可能になった 累積額の全額を建物へ振替
支出① 価値が増加すると明示 資本的支出 → 建物に加算
支出② 通常の維持管理・価値増加も延長もなしと明示 収益的支出 → 修繕費

計算過程

建設仮勘定の累積額 = ¥3,000,000 + ¥2,000,000 = ¥5,000,000
振替後の建物 = ¥5,000,000
支出後の建物 = ¥5,000,000 + ¥600,000 = ¥5,600,000

検算

  • (1) 借方 3,000,000 = 貸方 3,000,000 ✓
  • (2) 借方 2,000,000 = 貸方 2,000,000 ✓
  • (3) 振替:借方 5,000,000 = 貸方 5,000,000 ✓
  • (3) 支出:借方 600,000 + 400,000 = 1,000,000 = 貸方 1,000,000 ✓
  • 振替後の建設仮勘定の残高 = ¥5,000,000 - ¥5,000,000 = ¥0 ✓
  • 建物の最終残高 = ¥5,600,000 ✓

想定される誤り

第1に、(1)(2)で建物勘定に直接計上してしまう誤りです。完成して使用可能になるまでは建設仮勘定に集めます。建設中に建物として計上すると、使用していない資産が計上されることになります。

第2に、(3)の振替で一部だけを移してしまう誤りです。累積額の全額 ¥5,000,000 を振り替えます。 振替後の建設仮勘定の残高がゼロになるかを確認してください。

第3に、支出①②をまとめて修繕費としてしまう誤りです。この場合、建物が ¥5,000,000 のまま、修繕費が ¥1,000,000 となります。支出①は価値が増加すると問題文に示されているため、建物に加算します。判定は金額の大小によりません。

建設仮勘定の残高がゼロになること、建物の最終残高が振替額と資本的支出の合計になることを確認すると、これらの誤りに気づけます。


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