論点:総合
問9:労働安全衛生法に定める健康管理手帳等に関する次の記述のうち、正しいものはどれか。
- A:事業者は、政令で定める要件に該当する者に対し、離職の際に健康管理手帳を交付しなければならない。
- B:健康管理手帳は、在職中に交付される。
- C:事業者は、労働者が労働災害により休業したときは、休業日数にかかわらず、遅滞なく労働者死傷病報告を提出しなければならない。
- D:都道府県労働局長は、政令で定める要件に該当する者に対し、離職の際に又は離職の後に、健康管理手帳を交付する。
- E:労働者の受動喫煙を防止するための措置は、事業者の義務とされている。
【第9問:正解と解説】
正解:D
・A
【選択肢解説】交付主体は事業者ではなく都道府県労働局長である。
・B
【選択肢解説】離職の際又は離職の後に交付される。
・C
【選択肢解説】死亡又は休業4日以上の場合は遅滞なく報告し、休業1日以上4日未満の場合は四半期ごとにまとめて報告する。令和7年1月1日から、労働者死傷病報告は原則として電子申請による提出が義務化されている。
・D
【論点】健康管理手帳(法67条)。【考え方】健康管理手帳は、がんその他の重度の健康障害を生ずるおそれのある業務(石綿、ベンジジン、粉じん作業等)に従事していた者に対し、離職後も継続的な健康管理を行うために交付されるものである。交付主体は「都道府県労働局長」であり、交付時期は「離職の際又は離職の後」である。事業者が交付するとする誤り肢、在職中に交付するとする誤り肢が定番である。【選択肢解説】都道府県労働局長が離職の際又は離職の後に交付するから、本記述は正しい。
・E
【選択肢解説】受動喫煙の防止措置は努力義務である(法68条の2)。
論点:総合
問10:労働安全衛生法の目的及び定義に関する次の記述のうち、誤っているものはどれか。
- A:労働安全衛生法は、労働基準法と相まって、労働災害の防止のための危害防止基準の確立等の措置を講ずることにより、職場における労働者の安全と健康を確保するとともに、快適な職場環境の形成を促進することを目的とする。
- B:労働者は、事業者が講ずる労働災害を防止するための措置に応じて、必要な事項を守らなければならない。
- C:事業者は、労働災害発生の急迫した危険があるときは、直ちに作業を中止し、労働者を作業場から退避させる等必要な措置を講じなければならない。
- D:事業者は、快適な職場環境を形成するように努めなければならない。
- E:労働安全衛生法にいう「事業者」とは、事業主のために行為をするすべての者を含む概念であり、労働基準法にいう「使用者」と同一である。
【第10問:正解と解説】
正解:E
・A
正しい(=正解肢ではない)。【選択肢解説】法1条のとおりである。
・B
正しい(=正解肢ではない)。【選択肢解説】法26条のとおりである。
・C
正しい(=正解肢ではない)。【選択肢解説】法25条のとおりである。
・D
正しい(=正解肢ではない)。【選択肢解説】法71条の2のとおりであり、努力義務である。
・E
【論点】安衛法の「事業者」と労基法の「使用者」の違い(法2条3号、労基法10条)。【考え方】安衛法の「事業者」とは「事業を行う者で、労働者を使用するもの」をいい、法人企業であれば法人そのもの、個人企業であれば事業主個人を指す。これに対し労基法の「使用者」は「事業主又は事業の経営担当者その他その事業の労働者に関する事項について、事業主のために行為をするすべての者」であり、より広い。安衛法が事業経営の責任主体に義務を課す構造を採っているためである。【選択肢解説】安衛法の事業者は労基法の使用者より狭い概念であり同一ではないから、本記述は誤りであり、これが正解肢となる。

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