この単元で身につけること
このUnitでは、不動産を貸して収入を得る場面を、所得税と消費税の基本区分から整理します。
学習後には、家賃等の総収入金額から必要経費を差し引いて不動産所得を計算し、住宅家賃・土地貸付け・事業用建物賃料の消費税上の基本的な違いを判断できることを目標とします。
また、借地権設定に伴う権利金・地代等には税務上の取扱いが関係することを、FP3級の概略として理解します。
全体像
土地や建物などの不動産を貸し付けて得る所得は、事業所得や譲渡所得に該当するものを除き、不動産所得として扱うのが基本です。
不動産所得の金額は、
総収入金額-必要経費
で計算します。
消費税では、同じ「賃料」でも何を貸しているかによって基本区分が異なります。一定の住宅の貸付けは非課税、土地の貸付けも原則非課税です。一方、住宅以外の事業用建物などの貸付けは原則として課税取引です。
本Unitでは、短期間の貸付けや施設利用を伴う土地貸付けなどの詳細例外へ広げず、正本Slotで指定された基本区分を中心に扱います。
用語の説明
- 不動産所得:土地・建物等の不動産の貸付け等から生じる所得の基本区分。
- 総収入金額:家賃等、不動産貸付けから得る収入の基本額。
- 必要経費:不動産収入を得るために直接必要となる一定の費用。
- 住宅の貸付け:一定の要件の下で消費税が非課税となる貸付け。
- 土地の貸付け:原則として消費税非課税となる取引。
- 事業用建物賃料:住宅以外の建物等の貸付けで、原則消費税の課税対象となる賃料。
- 借地権税務:借地権設定に伴う権利金・地代等について生じる所得税・法人税等の税務上の取扱い。
基本ルール
不動産所得
土地・建物等の不動産貸付け等から生じる所得は、不動産所得として扱うのが基本です。
計算式は、
不動産所得=総収入金額-必要経費
です。
家賃収入が4,800,000円、必要経費が1,500,000円なら、
4,800,000-1,500,000=3,300,000円
となります。
必要経費には、貸付資産に係る固定資産税、損害保険料、減価償却費、修繕費などが含まれ得ますが、本Unitでは個別経費の細かな判定より、総収入金額から必要経費を差し引く基本式を優先します。
住宅家賃と消費税
一定の住宅の貸付けは、消費税非課税となるのが基本です。
「建物を貸しているからすべて消費税課税」と覚えるのではなく、住宅としての貸付けかどうかを確認します。
短期間の貸付け等には例外がありますが、正本Slotではその詳細を問わないため、本Unitの問題では原則区分だけを扱います。
土地貸付けと事業用建物賃料
土地の貸付けは原則として消費税非課税です。
一方、事務所・店舗など住宅以外の建物等の貸付けは、原則として消費税課税取引です。
したがって、「土地貸付け=原則非課税」「住宅貸付け=一定の要件の下で非課税」「事業用建物賃料=原則課税」という3つを分けて覚えます。
借地権税務
土地に借地権を設定し、権利金や地代等を授受する場合には、所得税・法人税等の税務上の取扱いが関係します。
FP3級では、権利金の認定課税や相当の地代などの詳細計算には進まず、「借地権設定には税務上の論点がある」という位置づけまでを確認します。
重要な数字
このUnitで固定暗記する税率・金額はありません。
計算で使うのは、
総収入金額-必要経費
という基本式です。
数値問題では、総収入と必要経費を同じ円単位で確認し、問題文に示されていない費用を追加しません。
具体例
年間の家賃等収入が6,000,000円、必要経費が2,200,000円の場合、
6,000,000-2,200,000=3,800,000円
が不動産所得の基本計算です。
消費税の区分では、住宅として貸し付ける家賃と、事務所として貸し付ける建物の賃料を区別します。
住宅家賃は一定の要件の下で非課税、事務所など住宅以外の建物賃料は原則課税です。
計算のしかた
E06の計算は、不動産所得の基本式に限定します。
- 総収入金額を確認する。
- 必要経費を確認する。
- 総収入金額から必要経費を差し引く。
- 円単位を確認する。
例えば総収入5,400,000円、必要経費1,900,000円なら、
5,400,000-1,900,000=3,500,000円
です。
CASEでも同じ式を使います。資料中に複数の経費項目がある場合は、問題文で必要経費として示された金額を合計してから総収入から差し引きます。
よくある間違い
- 不動産所得を家賃収入そのものと考える。
- 必要経費を差し引かない。
- 問題文にない経費を推測して追加する。
- 住宅家賃を原則課税と考える。
- 土地の貸付けを原則課税と考える。
- 事業用建物賃料を住宅家賃と同じ非課税と考える。
- 短期貸付け等の詳細例外を、基本問題へ勝手に持ち込む。
- 借地権の権利金・地代について税務上の取扱いが一切ないと考える。
試験での出題のされ方
E06では、S002がEX-E-013に接続します。EX-E-013は2024~2026 CBT公表分で3/3、Frequency_Rate 100、Past_Exam_Frequency Aとして管理されています。
S001・S003・S004・S005はUNVERIFIEDです。UNVERIFIEDは、当該Question_Slotへ過去問頻度を直接付与していない管理状態であり、出題なし・低頻度を意味しません。
EX-E-013は賃貸・借地借家・不動産所得等を具体例へ適用する広い実技能力枠です。3/3・100という値を、不動産所得計算という個別サブ論点が毎回出題されたという意味へ読み替えません。
CASEでは公式過去問の人物名・金額・資料配置を再現せず、独自の賃貸収支資料で同じ能力を確認します。
まとめ
- 不動産所得は総収入金額-必要経費。
- 土地・建物等の貸付けから生じる所得は不動産所得となるのが基本。
- 一定の住宅の貸付けは消費税非課税。
- 土地の貸付けは原則消費税非課税。
- 住宅以外の事業用建物等の貸付けは原則消費税課税。
- 借地権設定の権利金・地代等には税務上の取扱いが関係する。
- 短期貸付けや権利金認定課税などの詳細はFP2級以降で扱う。
練習のしかた
- 家賃等収入5,000,000円、必要経費1,600,000円の不動産所得を求める。
- 住宅家賃の消費税上の基本区分を答える。
- 土地貸付けと事業用建物賃料の消費税区分を比較する。
- 借地権設定時の権利金・地代等に税務上の取扱いが関係するか答える。
FP2級へのつながり
FP2級では、不動産所得の必要経費の詳細、事業的規模、青色申告、土地貸付けや住宅貸付けの消費税上の例外、借地権設定に伴う権利金・相当の地代・認定課税などを詳しく扱います。
FP3級では、まず「不動産所得の基本式」と「貸付対象ごとの消費税の基本区分」を確実に身につけます。
関連する問題
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