FP技能士3級 不動産 実技・事例問題 第6問〜第10問

重要度:A 論点:不動産に関する法令上の規制

第6問

【事例】

【頻度注記】EX-E-011は建築面積・延べ面積等の計算を含む広い実技出題枠であり、上記頻度(3/3・100%・A)は枠全体の観測値です。セットバックという個別サブ論点が毎回出題されたことを意味しません。

【設問】

宇野かなでさんが所有する下記<資料>の土地について、セットバック後の建築基準法上の敷地面積として、正しいものはどれか。

<資料:宇野さんが所有する土地> ・土地の形状:長方形 ・間口(道路に接する辺の長さ):15m ・奥行:18m ・前面道路:幅員3.4mで、建築基準法上の道路として扱われるもの(いわゆる2項道路) ・前面道路の反対側は宅地であり、がけ地・水面等ではない ・セットバックは道路の中心線から2mの線を道路境界線とみなすものとする

  1. 270.0㎡
  2. 265.5㎡
  3. 264.6㎡
【第6問:正解と解説】

正解:2(265.5㎡)

  1. 求めるもの:セットバック後の建築基準法上の敷地面積
  2. 使用するルール:幅員4m未満の2項道路では、原則として道路の中心線から2m後退した線が道路境界線とみなされ、後退部分は敷地面積に算入できない。
  3. 後退距離の計算:2m-(3.4m÷2)=2m-1.7m=0.3m
  4. 後退部分の面積:0.3m×15m=4.5㎡(後退は道路に接する間口の全長にわたって生じる)
  5. 従前の敷地面積:15m×18m=270㎡
  6. セットバック後の敷地面積:270㎡-4.5㎡=265.5㎡
  7. 結果:265.5㎡(端数は生じません)

間違いやすい点

・選択肢1(270.0㎡):セットバックによる後退部分を差し引かず、従前の敷地面積をそのまま答えた誤りです。 ・選択肢3(264.6㎡):後退距離0.3mを間口15mではなく奥行18mに乗じてしまった誤り(270㎡-0.3m×18m=264.6㎡)。後退は道路に接する辺の全長にわたって生じるため、乗じるのは間口です。

後退距離は「2m-前面道路の幅員÷2」で求めます。道路境界線から2mではない点に注意してください。なお前面道路の反対側ががけ地・水面等である場合の取扱いは本単元の範囲を超えるため、本問では該当しないことを条件に示しています。



重要度:A 論点:不動産に関する法令上の規制

第7問

【事例】

【頻度注記】EX-E-011は建築面積・延べ面積等の計算を含む広い実技出題枠であり、上記頻度(3/3・100%・A)は枠全体の観測値です。最大建築面積の計算という個別サブ論点が毎回出題されたことを意味しません。

【設問】

朝比奈たくみさんが購入を検討している下記<資料>の土地に建物を建築する場合の最大建築面積として、正しいものはどれか。

<資料:朝比奈さんが検討している土地> ・敷地面積:320㎡ ・適用される建蔽率:60% ・前面道路は幅員6mで、セットバックは不要である ・建蔽率の緩和および制限に関する事項は考慮しないものとする

  1. 192㎡
  2. 256㎡
  3. 160㎡
【第7問:正解と解説】

正解:1(192㎡)

  1. 求めるもの:最大建築面積
  2. 使用するルール:建蔽率は敷地面積に対する建築面積の割合であり、建蔽率=建築面積÷敷地面積×100(%)。これを変形して、最大建築面積=敷地面積×建蔽率。
  3. 数値代入:320㎡×60%
  4. 計算:192㎡
  5. 結果:192㎡(端数は生じません)

間違いやすい点

・選択肢2(256㎡):建蔽率を60%ではなく80%として計算した誤り(320㎡×80%=256㎡)。適用される建蔽率の読み取り誤りです。 ・選択肢3(160㎡):建蔽率を60%ではなく50%として計算した誤り(320㎡×50%=160㎡)。同じく適用率の取り違えです。

建蔽率は「敷地面積のうちどれだけを建築面積に充てられるか」を示すもので、延べ面積を求める容積率とは異なります。本問では建蔽率の緩和・制限に関する事項を考慮しないこととしており、資料に示された率をそのまま用います。



重要度:A 論点:不動産に関する法令上の規制

第8問

【事例】

【頻度注記】EX-E-011は建築面積・延べ面積等の計算を含む広い実技出題枠であり、上記頻度(3/3・100%・A)は枠全体の観測値です。前面道路の幅員による容積率制限という個別サブ論点が毎回出題されたことを意味しません。

【設問】

日下部りょうさんが所有する下記<資料>の土地に建物を建築する場合の最大延べ面積として、正しいものはどれか。

<資料:日下部さんが所有する土地> ・敷地面積:240㎡ ・用途地域:住居系の用途地域 ・指定容積率:400% ・前面道路:幅員6m(1本のみ) ・前面道路の幅員による容積率の制限に用いる係数:住居系のため0.4を用いる ・セットバックは不要であり、その他の緩和・制限は考慮しないものとする

  1. 960㎡
  2. 864㎡
  3. 576㎡
【第8問:正解と解説】

正解:3(576㎡)

  1. 求めるもの:最大延べ面積
  2. 使用するルール:前面道路の幅員が12m未満の場合、容積率は指定容積率と「前面道路の幅員×係数×100(%)」とを比較し、小さい方を適用する。最大延べ面積=敷地面積×適用される容積率。
  3. 道路幅員による制限:6m×0.4×100=240%
  4. 指定容積率400%と240%を比較し、小さい方の240%を適用する。
  5. 計算:240㎡×240%=576㎡
  6. 結果:576㎡(端数は生じません)

間違いやすい点

・選択肢1(960㎡):前面道路の幅員による制限を検討せず、指定容積率400%をそのまま適用した誤り(240㎡×400%=960㎡)。指定容積率のみで判断してしまう典型的な誤りです。 ・選択肢2(864㎡):住居系の係数0.4ではなく、その他の地域の代表係数0.6を用いた誤り。この場合の道路幅員による制限は6m×0.6×100=360%となり、指定容積率400%と比較して360%を適用するため240㎡×360%=864㎡となります。比較の手順は正しく踏んでいるものの、係数の選択を誤ったものです。

容積率の問題では、指定容積率と道路幅員による制限の両方を計算して比較する手順が必要です。本問では道路幅員による制限のほうが小さいためそちらが適用されますが、前面道路が広い場合には指定容積率が適用されます。どちらが小さいかは計算するまで分かりません。



重要度:A 論点:不動産に関する法令上の規制

第9問

【事例】

【頻度注記】EX-E-013の3/3・100・Aは広い不動産法令適用枠の観測値であり、改正区分所有法個別論点の頻度ではない。

藤代さんが区分所有する建物で、2026年4月1日施行後、共用部分の形状・効用の著しい変更に関する決議を行う。

  • 区分所有者総数:8人
  • 議決権総数:100
  • 出席区分所有者:6人
  • 出席議決権:70
  • 賛成区分所有者:5人
  • 賛成議決権:55

規約による別段の定め等は考慮しない。

【設問】

基本的な判定として最も適切なものはどれか。

  1. 定足数を満たさない。
  2. 定足数は満たすが4分の3の可決要件を満たさない。
  3. 定足数と4分の3の可決要件をともに満たす。
【第9問:正解と解説】

正解:**3**

定足数:6>8/2、70>100/2で双方PASS。 可決:5>=6×3/4、55>=70×3/4で双方PASS。


重要度:A 論点:不動産の賃貸

第10問

【事例】

【頻度注記】EX-E-013は賃貸・借地借家・不動産所得等を具体例に適用する広い実技出題枠であり、上記頻度(3/3・100%・A)は枠全体の観測値です。不動産所得の計算という個別サブ論点が毎回出題されたことを意味しません。

【設問】

会社員の千賀まりあさんは、所有するアパートを賃貸している。下記<資料>は、千賀さんの2026年分の賃貸に関する収入および支出をまとめたものである。千賀さんの2026年分の不動産所得の金額として、正しいものはどれか。なお、貸付けが事業的規模に該当するかどうかによる取扱いの違いは考慮しないものとする。

<資料:千賀さんの2026年分の賃貸に関する収入・支出>

【収入】 ・家賃収入:3,960,000円 ・礼金収入:300,000円

【支出のうち必要経費となるもの】 ・固定資産税:180,000円 ・建物の修繕費:240,000円 ・建物の減価償却費:620,000円 ・損害保険料:60,000円

※上記以外に収入および必要経費となる支出はないものとする。

  1. 3,160,000円
  2. 3,400,000円
  3. 3,780,000円
【第10問:正解と解説】

正解:1(3,160,000円)

  1. 求めるもの:2026年分の不動産所得の金額
  2. 使用する式:不動産所得=総収入金額-必要経費
  3. 総収入金額の集計:家賃収入3,960,000円+礼金収入300,000円=4,260,000円
  4. 必要経費の集計:固定資産税180,000円+修繕費240,000円+減価償却費620,000円+損害保険料60,000円=1,100,000円
  5. 計算:4,260,000円-1,100,000円=3,160,000円
  6. 単位確認:3,160,000円(端数は生じません)

間違いやすい点

・選択肢2(3,400,000円):必要経費のうち建物の修繕費240,000円を集計から漏らした誤り(4,260,000円-860,000円=3,400,000円)。必要経費の集計漏れです。 ・選択肢3(3,780,000円):必要経費のうち建物の減価償却費620,000円を集計から漏らした誤り(4,260,000円-480,000円=3,780,000円)。実際の支出を伴わない減価償却費を必要経費として拾い忘れる誤りに対応しています。

礼金収入も総収入金額に含まれる点に注意してください。また減価償却費は、その年に現金の支出を伴わないものの必要経費となります。資料に示された項目を漏れなく集計することが正答への近道です。なお本問では、貸付けが事業的規模に該当するかどうかによる取扱いの違いは考慮しないこととしています。


コメント

タイトルとURLをコピーしました