共通前提
- 会計期間は×1年4月1日から×2年3月31日までである。決算日は×2年3月31日。
- 金額はすべて決算整理後のものである。
- 損益計算書は勘定式(左に費用、右に収益)で作成する。
売上原価と売上総利益の算定は C03-T06(売上原価と売上総利益)、決算整理を反映した P/L の集計は C15-T04(決算整理からの財務諸表作成) で扱っています。ここでは、勘定式の左右をそろえる差額として当期純損益を確定することに絞ります。
重要度:A 難易度:標準 論点:当期純利益の算定と勘定式での記載位置
問1(標準)
決算整理後の収益合計は ¥6,130,000、費用合計は ¥4,900,000 であった。勘定式の損益計算書の締めに記載する表示項目の名称、金額、および記載する側(借方・貸方)を答えなさい。
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正解
| 求めるもの | 答え |
|---|---|
| 表示項目 | 当期純利益 |
| 金額 | ¥1,230,000 |
| 記載する側 | 借方(費用側)の最後 |
算定過程
手順1 どちらが大きいかを確認する
収益合計 6,130,000 > 費用合計 4,900,000
収益のほうが大きいので、生じているのは当期純利益です。
手順2 差額を求める
当期純利益 = 収益合計 − 費用合計 = `6,130,000 − 4,900,000` = ¥1,230,000
手順3 小さい側に書いて左右をそろえる
大きいのは貸方(収益側)なので、差額は小さい借方(費用側)の最後に記載します。
| 費用 | 金額 | 収益 | 金額 |
|---|---|---|---|
| 費用の各科目 | 4,900,000 | 収益の各科目 | 6,130,000 |
| 当期純利益 | 1,230,000 | ||
| 合計 | 6,130,000 | 合計 | 6,130,000 |
検算
費用合計 + 当期純利益 = 収益合計 `4,900,000 + 1,230,000 = 6,130,000` ✓
誤りとなる考え方
- 当期純利益を貸方(収益側)に書く:当期純利益は収益ではなく、左右をそろえるための差額です。貸方に書くと収益側が二重に膨らみ、左右が一致しません。
- 費用合計 − 収益合計 とする:この問題は収益のほうが大きいので、その計算では負の値になります。大きい側から小さい側を引きます。
重要度:A 難易度:標準 論点:当期純損失の算定と勘定式での記載位置(問1の鏡写し)
問2(標準)
決算整理後の収益合計は ¥4,210,000、費用合計は ¥5,270,000 であった。勘定式の損益計算書の締めに記載する表示項目の名称、金額、および記載する側(借方・貸方)を答えなさい。
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正解
| 求めるもの | 答え |
|---|---|
| 表示項目 | 当期純損失 |
| 金額 | ¥1,060,000 |
| 記載する側 | 貸方(収益側)の最後 |
算定過程
手順1 どちらが大きいかを確認する
費用合計 5,270,000 > 収益合計 4,210,000
費用のほうが大きいので、生じているのは当期純損失です。
手順2 差額を求める
当期純損失 = 費用合計 − 収益合計 = `5,270,000 − 4,210,000` = ¥1,060,000
手順3 小さい側に書いて左右をそろえる
大きいのは借方(費用側)なので、差額は小さい貸方(収益側)の最後に記載します。
| 費用 | 金額 | 収益 | 金額 |
|---|---|---|---|
| 費用の各科目 | 5,270,000 | 収益の各科目 | 4,210,000 |
| 当期純損失 | 1,060,000 | ||
| 合計 | 5,270,000 | 合計 | 5,270,000 |
検算
収益合計 + 当期純損失 = 費用合計 `4,210,000 + 1,060,000 = 5,270,000` ✓
問1との違い
| 問1 | 問2 | |
|---|---|---|
| 大きい側 | 貸方(収益側) | 借方(費用側) |
| 表示項目 | 当期純利益 | 当期純損失 |
| 差額を書く側 | 借方(費用側) | 貸方(収益側) |
| 検算式 | 費用 + 純利益 = 収益 | 収益 + 純損失 = 費用 |
資料の形は同じで、大小関係だけが逆です。「当期純利益は借方」と丸暗記していると、損失まで借方に書いてしまいます。小さい側を埋めて左右をそろえるという原理で考えてください。
誤りとなる考え方
- 損失も借方に書く:費用側が大きいのにさらに借方へ足すと、左右の差が広がります。
- 収益合計 − 費用合計 とする:この問題は費用のほうが大きいので、その計算では負の値になります。
重要度:B 難易度:応用 論点:貸借一致を使った空欄推定
問3(応用)
次の勘定式の損益計算書(一部)の( ? )に入る売上高の金額を求めなさい。
| 費用 | 金額 | 収益 | 金額 |
|---|---|---|---|
| 費用の各科目(省略) | 7,130,000 | 売上高 | ( ? ) |
| 当期純利益 | 380,000 | 受取手数料 | 170,000 |
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正解
| 求めるもの | 金額 |
|---|---|
| 売上高 | ¥7,340,000 |
算定過程
手順1 分かっている側(借方)を合計する
費用合計 7,130,000 + 当期純利益 380,000 = 7,510,000
当期純利益も借方合計の一部です。忘れずに足します。
手順2 貸方合計も同じ金額になる
勘定式では借方合計 = 貸方合計です。したがって貸方合計も 7,510,000 です。
手順3 貸方の他の科目を差し引く
売上高 = 貸方合計 − 受取手数料 = `7,510,000 − 170,000` = ¥7,340,000
検算
| 費用 | 金額 | 収益 | 金額 |
|---|---|---|---|
| 費用の各科目 | 7,130,000 | 売上高 | 7,340,000 |
| 当期純利益 | 380,000 | 受取手数料 | 170,000 |
| 合計 | 7,510,000 | 合計 | 7,510,000 |
左右とも 7,510,000円で一致します ✓
誤りとなる考え方
- 当期純利益を足し忘れる:`7,130,000 − 170,000 = 6,960,000` としてしまいます。当期純利益は借方に記載されているので、借方合計に含まれます。
- 当期純利益を貸方から差し引く:当期純利益は借方側にあります。貸方から差し引く対象ではありません。
この問題の考え方は、左右が一致するという勘定式の性質を、逆向きに使うことです。片側の合計が分かれば反対側の合計も決まるため、不足している科目の金額を引き算で求められます。同じ性質は、左右が合わないときに誤りを見つける手がかりにもなります。

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