共通前提
- 会計期間は4月1日から翌年3月31日までである。決算日は3月31日。
- 減価償却は定額法・間接法による。
- 当期の減価償却は決算日にまとめて計上し、決算整理前残高試算表の減価償却累計額には当期の決算整理分を含まないものとする。
重要度:A 難易度:標準 論点:決算整理前残高試算表からの当期償却費・決算整理後累計額・決算整理後帳簿価額の算定
問1(標準)
決算にあたり、備品の減価償却の決算整理を行う。次の資料にもとづき、①当期の減価償却費、②決算整理後の減価償却累計額、③決算整理後の帳簿価額を求めなさい。
資料1 決算整理前残高試算表(一部)
| 勘定科目 | 借方 | 貸方 |
|---|---|---|
| 備品 | 520,000 | |
| 備品減価償却累計額 | 260,000 |
資料2 決算整理事項
備品は前期以前から保有している。定額法(耐用年数8年、残存価額ゼロ)により減価償却を行う。
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正解
| 求めるもの | 金額 |
|---|---|
| ① 当期の減価償却費 | ¥65,000 |
| ② 決算整理後の減価償却累計額 | ¥325,000 |
| ③ 決算整理後の帳簿価額 | ¥195,000 |
算定過程
① 当期の減価償却費
試算表の累計額ではなく、取得原価と耐用年数から求めます。備品は前期以前から保有しているので、当期は1年間を通じて使用しており、年額をそのまま計上します。
520,000 ÷ 8年 = ¥65,000
② 決算整理後の減価償却累計額
決算整理前の累計額に、①で求めた当期分を加えます。
260,000 + 65,000 = ¥325,000
③ 決算整理後の帳簿価額
取得原価から②を差し引きます。間接法では取得原価 ¥520,000 は変わりません。
520,000 − 325,000 = ¥195,000
検算
② 325,000 + ③ 195,000 = ¥520,000 = 取得原価 ✓
解説
- 着眼点:試算表には取得原価と決算整理前の累計額の2つが載っています。当期分はここには含まれていないので、自分で計算して加えるのがこの問題の骨格です。
- 手順①:取得原価 ÷ 耐用年数で年額を求める。
- 手順②:決算整理前の累計額に当期分を足す。
- 手順③:取得原価から決算整理後の累計額を引く。
- 検算:累計額と帳簿価額を足すと必ず取得原価に戻ります。ここが合わなければ、どこかで金額を取り違えています。
注意したい点
- ① に ¥260,000 と答える誤り。本問では、試算表の累計額は当期の決算整理分を反映する前の累計(65,000 × 4年分)であって、当期の費用ではありません。
- ② に ¥65,000 と答える誤り。②は残高なので、決算整理前の累計額に当期分を加えます。仕訳の貸方に書く金額(当期分)とは別です。
- ③ を「取得原価 − 決算整理前の累計額」で求める誤り。帳簿価額は決算整理後の累計額を引きます。
- 未償却残高(520,000 − 260,000)を残りの年数で割る誤り。定額法では毎期同額であり、取得原価と耐用年数から求めます。
この問題の仕訳(参考)
| 借方科目 | 金額 | 貸方科目 | 金額 |
|---|---|---|---|
| 減価償却費 | 65,000 | 備品減価償却累計額 | 65,000 |
仕訳に書くのは①の当期分だけです(仕訳そのものの練習は仕訳問題で行います)。

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