問1
青森商事株式会社は、備品を購入代金 ¥1,200,000 で取得し、あわせて搬入費 ¥50,000 と据付費 ¥30,000(いずれも備品を使用可能な状態にするため直接必要な支出)を支払った。代金および付随費用はいずれも普通預金口座から支払った。この取引の仕訳を示しなさい。
使用可能勘定科目
備品/建物/建設仮勘定/営業外電子記録債務/未払金/支払利息/修繕費/普通預金
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解答・解説
正答
| 借方科目 | 金額 | 貸方科目 | 金額 |
|---|---|---|---|
| 備品 | 1,280,000 | 普通預金 | 1,280,000 |
計算過程
取得原価 = ¥1,200,000 + ¥50,000 + ¥30,000 = ¥1,280,000
検算:借方 1,280,000 = 貸方 1,280,000 ✓
解説
取得原価の考え方は年度によらず共通です。使用可能な状態にするため直接必要な付随費用を含めます。
搬入費・据付費はいずれもその条件を満たすと問題文に示されています。
これらを費用として処理すると、備品の帳簿価額が ¥1,200,000 となり過小になります。
問2
2027年度の処理による。 青森商事株式会社は、機械装置を ¥3,600,000 で購入し、代金については電子記録債務の発生記録を行った。この取引の仕訳を示しなさい。なお、機械装置は「備品」勘定で処理するものとする。
使用可能勘定科目
備品/建物/建設仮勘定/営業外電子記録債務/未払金/支払利息/修繕費/普通預金
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解答・解説
正答
| 借方科目 | 金額 | 貸方科目 | 金額 |
|---|---|---|---|
| 備品 | 3,600,000 | 営業外電子記録債務 | 3,600,000 |
判断
- 取得:固定資産の購入 → 商品売買以外の取引
- 決済:電子記録債務の発生記録 → 営業外電子記録債務
検算:借方 3,600,000 = 貸方 3,600,000 ✓
解説
固定資産の購入代金について電子記録債務の発生記録を行った場合、営業外電子記録債務を用います。
商品の仕入から生じた買掛金を電子記録に置き換えた場合は電子記録債務ですが、もとの取引が商品売買ではないため区分が分かれます。
電子記録によらない後払いであれば未払金を用います。決済の形態を問題文から読み取ってください。
問3
青森商事株式会社は備品を割賦で購入した。次の資料にもとづき、(1)購入時と(2)第1回支払時の仕訳を示しなさい。
資料
- 現金正価 ¥1,800,000
- 割賦支払総額 ¥1,980,000
- 支払回数 6回(毎月末に均等額を普通預金口座から支払う)
- 利息の配分方法は定額法による
- 資産および元本債務は現金正価で計上する
- 代金は通常の後払いとし、債務の発生について電子記録の手続は行っていない
使用可能勘定科目
備品/建物/建設仮勘定/営業外電子記録債務/未払金/支払利息/修繕費/普通預金
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解答・解説
正答
(1) 購入時
| 借方科目 | 金額 | 貸方科目 | 金額 |
|---|---|---|---|
| 備品 | 1,800,000 | 未払金 | 1,800,000 |
(2) 第1回支払時
| 借方科目 | 金額 | 貸方科目 | 金額 |
|---|---|---|---|
| 未払金 | 300,000 | 普通預金 | 330,000 |
| 支払利息 | 30,000 |
計算過程
①利息総額 = ¥1,980,000 - ¥1,800,000 = ¥180,000 ②1回当たりの利息 = ¥180,000 ÷ 6回 = ¥30,000 ③1回当たりの元本 = ¥1,800,000 ÷ 6回 = ¥300,000 ④1回当たりの支払額 = ¥1,980,000 ÷ 6回 = ¥330,000
検算
- (1) 借方 1,800,000 = 貸方 1,800,000 ✓
- (2) 借方 300,000 + 30,000 = 330,000 = 貸方 330,000 ✓
- 利息 ¥30,000 × 6回 = ¥180,000 = 利息総額 ✓
- 元本 ¥300,000 × 6回 = ¥1,800,000 = 現金正価 ✓
解説
利息の区分方法は年度によらず共通です。 2026年度と同じく、資産と元本債務を現金正価で計上し、各支払時に元本と利息を区分します。
異なるのは後払いに使う勘定です。 本問では未払金を用いています。電子記録債務の発生記録を行った場合は営業外電子記録債務になります。
支払回数が異なっても、1回当たりの利息と元本は問題文の与件から計算できます。
問4
2027年度の処理による。 青森商事株式会社の建物に関する次の(1)〜(3)の仕訳を示しなさい。
(1) 建物の建設にあたり、手付金 ¥4,000,000 を普通預金口座から支払った。
(2) 建設の中間金 ¥3,500,000 について、電子記録債務の発生記録を行った。
(3) 建物が完成し、使用可能な状態で引き渡しを受けたため、建設仮勘定から本勘定へ振り替えた。あわせて、引渡し後に次の2件の支出を普通預金口座から行った。
- 支出① ¥800,000(この支出により建物の耐用年数が延長すると認められる)
- 支出② ¥500,000(原状回復のための支出であり、価値の増加も耐用年数の延長も生じない)
使用可能勘定科目
備品/建物/建設仮勘定/営業外電子記録債務/未払金/支払利息/修繕費/普通預金
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解答・解説
正答
(1) 手付金の支払
| 借方科目 | 金額 | 貸方科目 | 金額 |
|---|---|---|---|
| 建設仮勘定 | 4,000,000 | 普通預金 | 4,000,000 |
(2) 中間金(電子記録債務)
| 借方科目 | 金額 | 貸方科目 | 金額 |
|---|---|---|---|
| 建設仮勘定 | 3,500,000 | 営業外電子記録債務 | 3,500,000 |
(3) 完成引渡しと引渡し後の支出
| 借方科目 | 金額 | 貸方科目 | 金額 |
|---|---|---|---|
| 建物 | 7,500,000 | 建設仮勘定 | 7,500,000 |
| 借方科目 | 金額 | 貸方科目 | 金額 |
|---|---|---|---|
| 建物 | 800,000 | 普通預金 | 1,300,000 |
| 修繕費 | 500,000 |
判断根拠
建設中の支払は決済手段が異なっても、いずれも建設仮勘定に集めます。
| 場面 | 決済 | 判定 | 処理 |
|---|---|---|---|
| (1) 手付金 | 普通預金 | まだ使用できない | 建設仮勘定 |
| (2) 中間金 | 電子記録債務の発生記録 | 同上/固定資産の取得に係る債務 | 建設仮勘定/営業外電子記録債務 |
| (3) 完成引渡し | — | 使用可能になった | 累積額の全額を建物へ振替 |
| 支出① | 普通預金 | 耐用年数が延長と明示 | 資本的支出 → 建物 |
| 支出② | 普通預金 | 原状回復のみと明示 | 収益的支出 → 修繕費 |
計算過程
建設仮勘定の累積額 = ¥4,000,000 + ¥3,500,000 = ¥7,500,000 振替後の建物 = ¥7,500,000 支出後の建物 = ¥7,500,000 + ¥800,000 = ¥8,300,000
検算
- (1) 借方 4,000,000 = 貸方 4,000,000 ✓
- (2) 借方 3,500,000 = 貸方 3,500,000 ✓
- (3) 振替:借方 7,500,000 = 貸方 7,500,000 ✓
- (3) 支出:借方 800,000 + 500,000 = 1,300,000 = 貸方 1,300,000 ✓
- 振替後の建設仮勘定の残高 = ¥0 ✓
- 建物の最終残高 = ¥8,300,000 ✓
想定される誤り
第1に、(2)で貸方を電子記録債務としてしまう誤りです。建物の建設に係る債務であり商品売買ではないため、営業外電子記録債務です。同じ電子記録でも、もとの取引の性質で勘定が分かれます。
第2に、(3)の振替額を手付金分または中間金分だけにしてしまう誤りです。建設仮勘定に集めた全額 ¥7,500,000 を振り替えます。 決済手段が異なっても、いずれも建設仮勘定に累積されています。
第3に、支出②を建物に加算してしまう誤りです。この場合、建物が ¥8,800,000 となります。問題文が「原状回復のための支出であり、価値の増加も耐用年数の延長も生じない」と明示している以上、修繕費です。
振替後の建設仮勘定の残高がゼロになること、建物の最終残高が振替額と資本的支出の合計になることを確認すると、これらの誤りに気づけます。