有形固定資産の取得(付随費用・割賦購入・建設仮勘定・資本的支出) 計算問題(2027年度) 第1問〜第2問

問1

次の資料にもとづき、(1)備品の取得原価、(2)当期の費用として計上する金額、(3)支出後の備品の帳簿価額を計算しなさい。

資料

  • 備品を購入代金 ¥2,500,000 で取得した
  • 搬入費 ¥90,000(備品を使用可能な状態にするため直接必要な支出である)
  • 据付費 ¥60,000(備品を使用可能な状態にするため直接必要な支出である)
  • 取得後、次の2件の支出を行った
  • 支出① ¥700,000(この支出により備品の価値が増加すると認められる)
  • 支出② ¥300,000(通常の維持管理のための支出であり、価値の増加も耐用年数の延長も生じない)
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解答・解説

正答

  1. 備品の取得原価 = ¥2,650,000
  2. 当期の費用として計上する金額 = ¥300,000
  3. 支出後の備品の帳簿価額 = ¥3,350,000

計算過程

取得原価 = ¥2,500,000 + ¥90,000 + ¥60,000 = ¥2,650,000
資本的支出:¥700,000
収益的支出:¥300,000
支出後の備品 = ¥2,650,000 + ¥700,000 = ¥3,350,000

検証

  • 付随費用:90,000+60,000=150,000
  • 2,500,000+150,000=2,650,000
  • 700,000+300,000=1,000,000

解説
取得時は、使用可能な状態にするため直接必要と明示された搬入費・据付費を取得原価へ含めます。
取得後は、価値増加が明示された700,000円を資本的支出として備品へ加算し、通常の維持管理で価値増加・耐用年数延長なしと明示された300,000円を修繕費として扱います。
判定条件は問題文に示されているため、支出名称や金額の大小から推測しません。


問2

2027年度の処理による。 備品を割賦で購入した。次の資料にもとづき、(1)〜(4)を計算しなさい。

資料

  • 現金正価 ¥3,000,000
  • 割賦支払総額 ¥3,300,000
  • 支払回数 5回(毎月末に均等額を普通預金口座から支払う)
  • 利息の配分方法は定額法による
  • 資産および元本債務は現金正価で計上し、代金は電子記録によらない通常の後払いとする

設問
(1) 利息総額と1回当たりの利息
(2) 1回当たりの元本と支払額
(3) 第3回の支払が終わった時点の元本債務残高と、それまでに計上した支払利息の累計
(4) 5回の支払を終えた時点で「元本の合計=現金正価」「利息の合計=利息総額」が成立することを確かめなさい

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解答・解説

正答

  1. 利息総額 ¥300,000/1回当たりの利息 ¥60,000
  2. 1回当たりの元本 ¥600,000/1回当たりの支払額 ¥660,000
  3. 第3回終了時点の元本債務残高 ¥1,200,000/支払利息の累計 ¥180,000
  4. 元本合計 ¥3,000,000 = 現金正価 ✓/利息合計 ¥300,000 = 利息総額 ✓

判断根拠

元本債務は現金正価で認識されているため、各回の元本部分だけが元本債務を減らします。 支払額の全額が元本債務の減少になるわけではありません。

項目 金額 根拠
利息総額 300,000 3,300,000 - 3,000,000
1回当たり利息 60,000 300,000 ÷ 5
1回当たり元本 600,000 3,000,000 ÷ 5
1回当たり支払額 660,000 3,300,000 ÷ 5

計算過程

(1) 利息総額 = ¥3,300,000 - ¥3,000,000 = ¥300,000
    1回当たりの利息 = ¥300,000 ÷ 5回 = ¥60,000

(2) 1回当たりの元本 = ¥3,000,000 ÷ 5回 = ¥600,000
    1回当たりの支払額 = ¥3,300,000 ÷ 5回 = ¥660,000

元本債務残高と支払利息累計の推移

回 元本 利息 支払額 元本債務残高 利息累計
購入時 — — — 3,000,000 0
第1回 600,000 60,000 660,000 2,400,000 60,000
第2回 600,000 60,000 660,000 1,800,000 120,000
第3回 600,000 60,000 660,000 1,200,000 180,000
第4回 600,000 60,000 660,000 600,000 240,000
第5回 600,000 60,000 660,000 0 300,000

検算

  • 各回:元本 ¥600,000 + 利息 ¥60,000 = ¥660,000 = 支払額 ✓
  • (4) 元本合計 = ¥600,000 × 5 = ¥3,000,000 = 現金正価 ✓
  • (4) 利息合計 = ¥60,000 × 5 = ¥300,000 = 利息総額 ✓
  • 支払額合計 = ¥660,000 × 5 = ¥3,300,000 = 割賦支払総額 ✓
  • 第5回終了時点の元本債務残高 = ¥0 ✓

想定される誤り

第1に、元本債務を割賦支払総額 ¥3,300,000 で認識してしまう誤りです。この場合、利息まで債務に含まれ、資産も過大になります。資産と元本債務は現金正価で計上します。

第2に、支払額の全額 ¥660,000 を元本債務の減少としてしまう誤りです。この場合、5回で ¥3,300,000 減ることになり、計上額 ¥3,000,000 を超えてマイナスになります。元本債務を減らすのは元本部分 ¥600,000 だけです。

第3に、利息総額 ¥300,000 をそのまま1回分としてしまう誤りです。定額法では支払回数で割って各回に配分します。この場合、利息の合計が ¥1,500,000 となり利息総額と一致しません。

第5回終了時点で元本債務残高がゼロになること、利息の合計が利息総額と一致することを確認すると、これらの誤りに気づけます。


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