【2027年度(2027年4月~)受験の方】
本単元は 2027年度から日商簿記3級の出題範囲に加わった論点です。
共通前提:当社は青森商事株式会社(会計期間 ×1年4月1日〜×2年3月31日)である。各問は独立している。減価償却はいずれも定額法・間接法・月割による。
共通語群(各問、この中から最も適当な勘定科目を選ぶこと)
備品 / 建物 / 車両運搬具 / 備品減価償却累計額 / 建物減価償却累計額 / 車両運搬具減価償却累計額 / 減価償却費 / 貯蔵品 / 固定資産除却損 / 固定資産売却損 / 現金
各問には、対価の受取りの有無と処分価値の有無が問題文に示されています。 「除却」「廃棄」という語だけでなく、その記述で判断してください。
重要度:A/難易度:初級 論点:処分価値のない除却 2027年度から
問1(初級)
タグ:固定資産/2027年度限定
×1年4月1日(期首) 備品(取得原価 ¥750,000、備品減価償却累計額 ¥600,000)を除却した。対価の受取りはなく、処分価値もない。
解答を見る
正解
| 借方科目 | 金額 | 貸方科目 | 金額 |
|---|---|---|---|
| 備品減価償却累計額 | 600,000 | 備品 | 750,000 |
| 固定資産除却損 | 150,000 |
解説
- 条件の読み取り:対価の受取りがない → 売却ではない。処分価値もない → 貯蔵品は登場しない。
- 帳簿価額:750,000 − 600,000 = ¥150,000
- 借方の理由:備品減価償却累計額を取り消し、帳簿価額の全額を固定資産除却損とする。
- 貸方の理由:備品(資産)を取得原価で取り除く。
- 間違いやすい科目:固定資産売却損。対価を受け取っていないため使いません。
- 使用科目:備品減価償却累計額/固定資産除却損/備品
重要度:A/難易度:初級 論点:廃棄時の科目(除却損に統一) 2027年度から
問2(初級)
タグ:固定資産/2027年度限定
×1年4月1日(期首) 備品(取得原価 ¥480,000、備品減価償却累計額 ¥432,000)を廃棄した。処分価値はない。
解答を見る
正解
| 借方科目 | 金額 | 貸方科目 | 金額 |
|---|---|---|---|
| 備品減価償却累計額 | 432,000 | 備品 | 480,000 |
| 固定資産除却損 | 48,000 |
解説
- 帳簿価額:480,000 − 432,000 = ¥48,000
- 科目の確認:廃棄の場合も、損失の科目は固定資産除却損です。「固定資産廃棄損」は本教材の解答には使いません。
- 問1との違い:問題文の語が「除却」か「廃棄」かの違いだけで、処理は同じです。
- 使用科目:備品減価償却累計額/固定資産除却損/備品
重要度:A/難易度:初級 論点:資産名を冠した累計額の使用 2027年度から
問3(初級)
タグ:固定資産/2027年度限定
×1年4月1日(期首) 車両運搬具(取得原価 ¥1,600,000、車両運搬具減価償却累計額 ¥1,280,000)を除却した。処分価値はない。
解答を見る
正解
| 借方科目 | 金額 | 貸方科目 | 金額 |
|---|---|---|---|
| 車両運搬具減価償却累計額 | 1,280,000 | 車両運搬具 | 1,600,000 |
| 固定資産除却損 | 320,000 |
解説
- 帳簿価額:1,600,000 − 1,280,000 = ¥320,000
- 科目の確認:「減価償却累計額」という総称ではなく、資産名を冠した「車両運搬具減価償却累計額」を使います。
- 間違いやすい科目:備品減価償却累計額。対象となる資産に対応する累計額を選んでください。
- 使用科目:車両運搬具減価償却累計額/固定資産除却損/車両運搬具
重要度:A/難易度:標準 論点:処分価値がある場合の貯蔵品計上 2027年度から
問4(標準)
タグ:固定資産/2027年度限定
×1年4月1日(期首) 備品(取得原価 ¥850,000、備品減価償却累計額 ¥680,000)を除却した。この備品の処分価値は ¥25,000 と見積もられた。
解答を見る
正解
| 借方科目 | 金額 | 貸方科目 | 金額 |
|---|---|---|---|
| 備品減価償却累計額 | 680,000 | 備品 | 850,000 |
| 貯蔵品 | 25,000 | ||
| 固定資産除却損 | 145,000 |
解説
- 条件判断:「処分価値は ¥25,000 と見積もられた」という記述がある → 貯蔵品を計上する。
- 帳簿価額:850,000 − 680,000 = ¥170,000
- 除却損:170,000 − 25,000 = ¥145,000
- 間違いやすい解答:処分価値の記述を読み飛ばし、帳簿価額の全額 ¥170,000 を除却損にする誤り。損失が過大になります。
- 検算:処分価値 25,000 + 除却損 145,000 = 帳簿価額 170,000。
- 使用科目:備品減価償却累計額/貯蔵品/固定資産除却損/備品
重要度:A/難易度:標準 論点:処分価値がある廃棄 2027年度から
問5(標準)
タグ:固定資産/2027年度限定
×1年4月1日(期首) 建物(取得原価 ¥3,000,000、建物減価償却累計額 ¥2,400,000)を廃棄した。取り壊した資材のうち ¥80,000 は処分価値があると見積もられた。
解答を見る
正解
| 借方科目 | 金額 | 貸方科目 | 金額 |
|---|---|---|---|
| 建物減価償却累計額 | 2,400,000 | 建物 | 3,000,000 |
| 貯蔵品 | 80,000 | ||
| 固定資産除却損 | 520,000 |
解説
- 条件判断:廃棄でも処分価値があれば貯蔵品を計上します。 「廃棄=全額が損失」ではありません。
- 帳簿価額:3,000,000 − 2,400,000 = ¥600,000
- 除却損:600,000 − 80,000 = ¥520,000
- 科目の確認:廃棄でも損失の科目は固定資産除却損です。
- 検算:80,000 + 520,000 = 600,000。
- 使用科目:建物減価償却累計額/貯蔵品/固定資産除却損/建物
重要度:A/難易度:標準 論点:除却と売却の判別 2027年度から
問6(標準)
タグ:固定資産/2027年度限定
×1年4月1日(期首) 備品(取得原価 ¥600,000、備品減価償却累計額 ¥480,000)を売却し、代金 ¥100,000 を現金で受け取った。
解答を見る
正解
| 借方科目 | 金額 | 貸方科目 | 金額 |
|---|---|---|---|
| 備品減価償却累計額 | 480,000 | 備品 | 600,000 |
| 現金 | 100,000 | ||
| 固定資産売却損 | 20,000 |
解説
- 条件判断:「売却し、代金 ¥100,000 を現金で受け取った」 → 対価を受け取っている → 売却です。
- 帳簿価額:600,000 − 480,000 = ¥120,000
- 売却損:120,000 − 100,000 = ¥20,000
- 間違いやすい科目:固定資産除却損。対価を受け取っているため除却損は使いません。 また、貯蔵品も登場しません(処分価値ではなく売却代金です)。
- 判別の軸:「手放した」という点は除却と共通です。分かれるのは対価を受け取ったかどうかです。
[関連単元] 売却の処理そのものは C07-T05「固定資産の売却」で扱います。本問は除却との判別を確認するために置いています。
- 使用科目:備品減価償却累計額/現金/固定資産売却損/備品
重要度:A/難易度:応用 論点:期中の除却(当期分の減価償却の反映) 2027年度から
問7(応用)
タグ:固定資産/2027年度限定
×1年9月30日 備品(取得原価 ¥960,000、耐用年数8年、残存価額 ¥0、期首の備品減価償却累計額 ¥480,000)を除却した。処分価値はない。 当期分の減価償却もあわせて計上すること。
解答を見る
正解
| 借方科目 | 金額 | 貸方科目 | 金額 |
|---|---|---|---|
| 減価償却費 | 60,000 | 備品 | 960,000 |
| 備品減価償却累計額 | 480,000 | ||
| 固定資産除却損 | 420,000 |
解説
- 手順①(当期分の減価償却):1年分 = 960,000 ÷ 8年 = ¥120,000/使用期間 = 4月1日〜9月30日 = 6か月/当期分 = 120,000 × 6/12 = ¥60,000
- 手順②(除却時点の累計額):期首 480,000 + 当期 60,000 = ¥540,000
- 手順③(帳簿価額):960,000 − 540,000 = ¥420,000
- 手順④:処分価値がないので帳簿価額の全額が除却損。
- 間違いやすい解答1:当期分の減価償却を反映しない誤り。帳簿価額が ¥480,000 となり、除却損が過大になります。
- 間違いやすい解答2:借方の累計額に除却時点の ¥540,000 を書く誤り。借方に書くのは期首の ¥480,000 で、当期分は減価償却費として別に計上します。
- 検算:借方 60,000 + 480,000 + 420,000 = 貸方 960,000。
- 使用科目:減価償却費/備品減価償却累計額/固定資産除却損/備品
重要度:A/難易度:応用 論点:期中の廃棄と処分価値(2論点の複合) 2027年度から
問8(応用)
タグ:固定資産/2027年度限定
×1年7月31日 車両運搬具(取得原価 ¥2,400,000、耐用年数8年、残存価額 ¥0、期首の車両運搬具減価償却累計額 ¥1,200,000)を廃棄した。残った部品の処分価値は ¥50,000 と見積もられた。 当期分の減価償却もあわせて計上すること。
解答を見る
正解
| 借方科目 | 金額 | 貸方科目 | 金額 |
|---|---|---|---|
| 減価償却費 | 100,000 | 車両運搬具 | 2,400,000 |
| 車両運搬具減価償却累計額 | 1,200,000 | ||
| 貯蔵品 | 50,000 | ||
| 固定資産除却損 | 1,050,000 |
解説
- 手順①(当期分の減価償却):1年分 = 2,400,000 ÷ 8年 = ¥300,000/使用期間 = 4月1日〜7月31日 = 4か月/当期分 = 300,000 × 4/12 = ¥100,000
- 手順②(廃棄時点の累計額):1,200,000 + 100,000 = ¥1,300,000
- 手順③(帳簿価額):2,400,000 − 1,300,000 = ¥1,100,000
- 手順④(除却損):1,100,000 − 50,000 = ¥1,050,000
- 2つの論点が重なっています:期中処理の月割と処分価値の貯蔵品計上です。
- 検算:借方 100,000 + 1,200,000 + 50,000 + 1,050,000 = 貸方 2,400,000/処分価値 50,000 + 除却損 1,050,000 = 帳簿価額 1,100,000。
- 使用科目:減価償却費/車両運搬具減価償却累計額/貯蔵品/固定資産除却損/車両運搬具

コメント