共通の前提:金額は円単位です。商品有高帳の受入・払出・残高は、販売価格ではなく原価で計算します。本ファイルの問題は、平均単価がすべて割り切れるように数値を設定しています。
次の資料は問1から問4まで共通です。
D商品(9月) 9月1日 前月繰越 20個(@300円) 9月8日 仕入 40個(@330円) 9月15日 売上 45個(売価 @450円) 9月21日 仕入 25個(@352円) 9月27日 売上 30個(売価 @450円)
払出単価の決定は移動平均法による。
難易度:初級/重要度:A 論点:平均単価の算定
問1【初級】
9月8日の仕入を記入した直後の平均単価と、残高欄の記入(数量・単価・金額)を求めなさい。
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正解
- 平均単価:@320円
- 残高欄:60個・@320円・19,200円
算定過程
- 受入直前の残高:20個・6,000円(20 × @300)
- 今回の受入:40個・13,200円(40 × @330)
- 数量合計:20 + 40 = 60個
- 金額合計:6,000 + 13,200 = 19,200円
- 平均単価:19,200 ÷ 60 = @320円
解説
- 着眼点:受入があったので平均単価を作り直します。
- よくある誤り:(@300 + @330)÷ 2 = @315円 という単価の単純平均。数量の重み(@330の商品のほうが多い)を無視しているため誤りです。必ず金額合計÷数量合計で計算します。
- 補足:残高欄は1行だけです。層は作りません。
難易度:初級/重要度:A 論点:移動平均法による払出計算
問2【初級】
9月15日の売上(45個)について、商品有高帳の払出欄に記入される金額と、払出後の残高(数量・単価・金額)を求めなさい。
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正解
- 払出金額:14,400円
- 払出後の残高:15個・@320円・4,800円
算定過程
- 払出金額 = 45個 × 直前の平均単価@320 = 14,400円
- 払出後の数量 = 60 − 45 = 15個
- 払出後の金額 = 19,200 − 14,400 = 4,800円(= 15 × @320)
解説
- 着眼点:この問題のような通常の売上による払出では、平均単価を計算し直しません。直前の平均単価をそのまま使います。
- よくある誤り:①売価@450円で計算して 45 × 450 = 20,250円 とする(商品有高帳は原価で記入します)/②払出のときに何かを平均し直そうとする。
難易度:標準/重要度:A 論点:複数回受入による平均単価の更新と月末残高
問3【標準】
9月21日の仕入を記入した直後の平均単価と、9月末(27日の売上記入後)の残高(数量・単価・金額)を求めなさい。
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正解
- 9月21日の仕入後の平均単価:@340円
- 9月末の残高:10個・@340円・3,400円
算定過程
- 9/15払出後の残高:15個・4,800円
- 9/21の受入:25個 × @352 = 8,800円
- 平均単価 =(4,800 + 8,800)÷(15 + 25)= 13,600 ÷ 40 = @340円
- 9/27の払出 = 30個 × @340 = 10,200円
- 9月末の残高 = 40 − 30 = 10個、13,600 − 10,200 = 3,400円(= 10 × @340)
解説
- 着眼点:この月は受入が2回(9/8と9/21)あるため、平均単価の計算も2回です。時系列どおりに「受入 → 再計算 → 払出」を繰り返します。
- よくある誤り:9/21の再計算を忘れて@320円のまま9/27を処理すること。その場合、払出9,600円・残高3,200円となり、以降の答えがすべてずれます。
難易度:標準/重要度:A 論点:売上原価と売上総利益への接続
問4【標準】
9月の(1)売上原価と(2)売上総利益を求めなさい。
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正解
- (1)売上原価:24,600円
- (2)売上総利益:9,150円
算定過程
- 売上原価 = 売上による払出原価の合計 = 14,400(9/15)+ 10,200(9/27)= 24,600円
- 売上高 =(45 + 30)個 × @450 = 33,750円
- 売上総利益 = 33,750 − 24,600 = 9,150円
検算:期首 6,000 + 受入 22,000(13,200 + 8,800)= 28,000円/実際の払出 24,600 + 期末 3,400 = 28,000円 ✓ (数量でも 20 + 65 = 85 / 75 + 10 = 85 ✓)
解説
- 着眼点:売上高は売価の世界、売上原価は払出欄(原価の世界)です。別々に集計してから差し引きます。
- よくある誤り:①売上原価に月末残高3,400円を混ぜる(売れていない分の原価は売上原価ではありません)/②売った数量を間違える(45 + 30 = 75個)/③平均単価@340円と販売単価@450円を混同する。
- 注意:締切の際に次月繰越を払出欄へ記入する形式では、払出欄の縦計に次月繰越が含まれます。売上原価とするのは、売上による払出の行だけを合計した金額です。
# 第2部 独立問題(問5・問6)
難易度:応用/重要度:A 論点:複数回受入の連続計算(平均単価の更新2回)
問5【応用】
次の資料を移動平均法で処理し、①各受入れ後の平均単価、②各払出しの原価、③期末残高(数量・金額)を求めなさい。
前月繰越 24個 @500円 仕入1 16個 @650円 払出1 15個 仕入2 15個 @600円 払出2 12個
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正解
- 仕入1後の平均単価:@560円
- 払出1の原価:8,400円
- 仕入2後の平均単価:@575円
- 払出2の原価:6,900円
- 期末残高:28個・@575円・16,100円
算定過程
| 時点 | 数量 | 金額 | 平均単価 |
|---|---|---|---|
| 前月繰越 | 24 | 12,000 | @500 |
| 仕入1(16個@650=10,400) | 40 | 22,400 | 22,400÷40=@560 |
| 払出1(15個) | 25 | 14,000 | @560(払出原価 15×560=8,400) |
| 仕入2(15個@600=9,000) | 40 | 23,000 | 23,000÷40=@575 |
| 払出2(12個) | 28 | 16,100 | @575(払出原価 12×575=6,900) |
検算:数量 24 + 31 = 55 / 27 + 28 = 55 ✓ 金額 12,000 + 19,400 = 31,400 / 15,300 + 16,100 = 31,400 ✓
解説
- 着眼点:受入 → 再計算 → 払出 → 受入 → 再計算 → 払出、という流れを1問で通します。払出1の後は平均単価@560円のままである点に注意してください。
- 手順:各時点で「数量」「金額」「平均単価」の3つを更新していきます。表にして順に埋めると混乱しません。
- よくある誤り:仕入2の平均単価を、前月繰越からやり直して計算すること。直前の残高(25個・14,000円)に今回の受入を加えるのが正しい手順です。
難易度:応用/重要度:A 論点:先入先出法と移動平均法の比較
問6【応用】
次の資料について、(1)先入先出法による払出金額と、(2)移動平均法による払出金額をそれぞれ求めなさい。
前月繰越 10個(@100円) 仕入 10個(@120円) 売上 12個
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正解
- (1)先入先出法:1,240円
- (2)移動平均法:1,320円
算定過程
(1)先入先出法(古い層から順に)
- @100の層から10個 = 1,000円
- 不足する2個を@120の層から = 240円
- 合計:1,000 + 240 = 1,240円
- 残高:@120が8個 = 960円
(2)移動平均法(受入後の平均単価で)
- 平均単価 =(1,000 + 1,200)÷(10 + 10)= 2,200 ÷ 20 = @110円
- 払出 = 12個 × @110 = 1,320円
- 残高:8個 × @110 = 880円
検算:受入合計2,200円に対し、先入先出法は 1,240 + 960 = 2,200円、移動平均法は 1,320 + 880 = 2,200円。どちらの方法でも受入合計と一致します。
解説
- 着眼点:同じ取引でも、方法が違えば払出金額(=売上原価)が変わることを、実際に手を動かして確かめる問題です。
- 手順:先入先出法は層のまま12個分を取り、移動平均法はまず平均@110円を作ってから12個分を計算します。
- よくある誤り:どちらの方法でも同じ金額になると思い込むこと。方法の指定を読み落とすと、計算が正しくても答えが合いません。

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