重要度:A 論点:担保物権
問27:根抵当権に関する次の記述のうち、民法の規定によれば、正しいものはどれか。
- A:元本の確定前に被担保債権の範囲または債務者を変更するには、後順位抵当権者その他の第三者の承諾を得なければならない。
- B:根抵当権の極度額は、元本の確定前であれば、利害関係を有する者の承諾を得ることなく変更することができる。
- C:元本の確定前に根抵当権者から被担保債権を譲り受けた者は、その債権について当然に根抵当権を行使することができる。
- D:元本確定期日の定めがない場合、根抵当権設定者は設定時から3年を経過した後に元本確定を請求でき、元本は請求時から2週間を経過すると確定する。
【第27問:正解と解説】
正解:D
・A
【選択肢解説】誤り。元本確定前の被担保債権の範囲または債務者の変更には、後順位抵当権者その他の第三者の承諾は不要である。ただし、元本確定前に変更登記をしなければ、変更しなかったものとみなされる(398条の4)。
・B
【選択肢解説】誤り。根抵当権の極度額を変更するには、元本確定の前後を問わず、利害関係を有する者の承諾が必要である(398条の5)。
・C
【選択肢解説】誤り。元本確定前に根抵当権者から債権を取得した者は、その債権について根抵当権を行使できない(398条の7第1項)。普通抵当権の随伴性との違いが重要である。
・D
【論点】根抵当権の元本確定請求。【選択肢解説】正しい。元本確定期日の定めがない場合、設定者は設定時から3年経過後に確定請求ができ、請求時から2週間後に元本が確定する。根抵当権者はいつでも確定請求ができ、その場合は請求時に確定する(398条の19)。
重要度:A 論点:担保物権
問28:債務者X所有の甲土地には、Aの第1順位抵当権、Bの第2順位抵当権、Cの第3順位抵当権があり、各被担保債権額はいずれも1,200万円である。Xに対して無担保債権1,200万円を有するDもいる。甲土地の競売代金が3,000万円である場合に関する次の記述のうち、民法の規定によれば、正しいものはどれか。
- A:AがDの利益のため抵当権を譲渡した場合、AとDは第1順位で配当される1,200万円を各600万円ずつ受ける。
- B:AがDの利益のため抵当権を譲渡した場合、Dは1,200万円、Aは0円の配当を受ける。
- C:AがDの利益のため抵当権を放棄した場合、Dは1,200万円、Aは0円の配当を受ける。
- D:抵当権の順位の譲渡は、同一の債務者に対する無担保債権者の利益のために行う処分である。
【第28問:正解と解説】
正解:B
・A
【選択肢解説】誤り。抵当権の譲渡では、譲受人Dが譲渡された優先枠から先に満足を受ける。本件ではDの債権額と第1順位の優先枠がともに1,200万円であるため、Dが1,200万円を受け、Aはその枠から配当を受けない。
・B
【論点】抵当権の譲渡と配当。【選択肢解説】正しい。DはAの抵当権の優先的地位を利用して1,200万円全額の配当を受け、Aは0円となる。その後、Bが1,200万円、Cが残額600万円の配当を受ける。
・C
【選択肢解説】誤り。抵当権の放棄では、放棄者Aと受益者Dが、Aに本来配当される1,200万円を各債権額に応じて分配する。本件は両者の債権額が同額なので、各600万円となる。
・D
【選択肢解説】誤り。無担保債権者の利益のために行うのは抵当権の譲渡・放棄である。順位の譲渡・放棄は、他の抵当権者との間で優先順位による利益を移転・共有する処分である。

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