単純総合原価計算(平均法・修正先入先出法) 計算問題 第6問〜第8問

問6

次の資料にもとづき、平均法と修正先入先出法のそれぞれで期末仕掛品原価と完成品総合原価を求め、結果を比較しなさい。

必要資料

  • 期首仕掛品:200個(加工進捗度40%)、材料費100,000円、加工費40,000円
  • 当期投入:800個、材料費420,000円、加工費300,000円
  • 完成品数量:700個
  • 期末仕掛品数量:300個(加工進捗度50%)
  • 材料は始点で投入する
  • 加工費の当期投入単価に端数が生じる場合は、円未満を四捨五入する
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解答・解説

正答

方法 期末仕掛品原価 完成品総合原価
平均法 216,000円 644,000円
修正先入先出法 216,000円 644,000円

この資料では両方法の結果が一致する。

計算過程

平均法

順 項目 計算 金額
1 材料単価 520,000÷1,000 520円
2 加工単価 340,000÷850 400円
3 期末仕掛品原価 520×300+400×150 216,000
4 完成品総合原価 860,000-216,000 644,000

修正先入先出法

順 項目 計算 金額・数量
1 材料の当期投入換算量 700-200+300 800個
2 材料の当期投入単価 420,000÷800 525円
3 加工費の当期投入換算量 700-80+150 770個
4 加工費の当期投入単価 300,000÷770=389.61… → 四捨五入 390円
5 期末(材料) 525×300 157,500
6 期末(加工) 390×150 58,500
7 期末仕掛品原価 157,500+58,500 216,000
8 完成品総合原価 860,000-216,000 644,000

解説

2つの方法は単価の求め方が異なります。平均法は期首と当期を合算した単価、修正先入先出法は当期投入分だけの単価です。実際、材料の単価は520円と525円、加工費の単価は400円と390円で異なります。

それでも期末仕掛品原価の合計は、材料と加工費を足すとどちらも216,000円になりました。

この一致はこの資料の数値によるものです。 材料で増えた分(157,500-156,000=1,500円)と加工費で減った分(60,000-58,500=1,500円)が偶然打ち消し合っています。2つの方法が常に同じ結果になるわけではありません。

Validation(検証)

検証項目 計算 結果
平均法の原価フロー 140,000+720,000=644,000+216,000 860,000=860,000
修正先入先出法の原価フロー 140,000+720,000=644,000+216,000 860,000=860,000
材料の差 157,500-156,000 +1,500
加工費の差 58,500-60,000 △1,500
差の相殺 +1,500-1,500 0

この検証の限界:2つの方法で結果が一致したことは、どちらの方法で解いても構わないことを意味しません。 問題文が指定する方法で解く必要があります。

また原価フローの一致は、どちらの方法でも差額で完成品原価を求める以上、定義上必ず成立します。方法の選択が正しいかどうかは、この確認では分かりません。

さらに、この資料で一致したことから「2つの方法は同じ結果になる」と一般化することはできません。 材料と加工費の差がたまたま打ち消し合っただけで、数値が変われば結果は異なります。


問7

次の資料にもとづき、平均法により(1)材料費の単価、(2)加工費の単価、(3)加工費の総額、(4)当期投入加工費、(5)完成品総合原価を求めなさい。

必要資料

  • 計算方法:平均法
  • 完成品数量:800個
  • 期末仕掛品数量:200個(加工進捗度50%)
  • 材料は始点で投入する
  • 材料費の合計(期首+当期投入):500,000円
  • 加工費のうち期首仕掛品原価:50,000円
  • 期末仕掛品原価:150,000円(うち材料費100,000円)
  • 端数は生じない
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解答・解説

正答

  • (1) 材料費の単価:500円
  • (2) 加工費の単価:500円
  • (3) 加工費の総額:450,000円
  • (4) 当期投入加工費:400,000円
  • (5) 完成品総合原価:800,000円

計算過程

順 項目 計算 金額・数量
1 材料換算量 800+200 1,000個
2 材料単価 500,000÷1,000 500円
3 期末(材料)の照合 500×200 100,000(与件と一致)
4 期末(加工) 150,000-100,000 50,000
5 加工費換算量(期末) 200×50% 100個
6 加工単価 50,000÷100 500円
7 加工費換算量(合計) 800+100 900個
8 加工費の総額 500×900 450,000
9 当期投入加工費 450,000-50,000 400,000
10 完成品総合原価 (500,000+450,000)-150,000 800,000

解説

判断根拠

4段階で判断します。

第1に、材料費から着手します。材料は始点投入なので換算量は 800+200=1,000個です。合計500,000円を割って単価500円が求まります。期末仕掛品の材料費は 500×200=100,000円で、与件の内訳と一致します。ここで計算の入口が正しいことが確かめられます。

第2に、期末仕掛品の加工費を求めます。期末仕掛品原価150,000円のうち材料費が100,000円なので、残りの50,000円が加工費です。

第3に、加工費の単価を逆算します。期末仕掛品の加工費換算量は 200×50%=100個です。50,000÷100=500円が単価です。

第4に、加工費の総額と当期投入分を求めます。加工費換算量の合計は 800+100=900個なので、総額は 500×900=450,000円です。このうち期首分が50,000円なので、当期投入分は 450,000-50,000=400,000円です。

検証

Validation(検証)

検証項目 計算 結果
期末(材料)の照合 500×200 100,000(与件と一致)
期末仕掛品原価 100,000+50,000 150,000(与件と一致)
原価総額 500,000+450,000 950,000
原価フロー 950,000=800,000+150,000 一致
完成品原価の照合 (500+500)×800 800,000(端数なしのため一致)

この検証の限界:この設問は逆算を含むため、検証が成立しやすくなっています。

加工費の単価を「期末加工費÷期末換算量」で求めた以上、それを用いて期末加工費を再計算すれば必ず与件に戻ります。独立した確認にはなりません。

原価フローの一致も、完成品原価を差額で求めた以上必ず成立します。

有効な確認は、期末仕掛品の材料費100,000円が与件の内訳と一致した点です。これは材料単価を独立に求めたうえで与件と突き合わせたものだからです。

想定される誤り:ひとつは、期末仕掛品原価150,000円をそのまま加工費として単価を求めてしまうことです。材料費100,000円を差し引きます。ふたつめは、加工費の期末換算量に進捗度を掛け忘れて200個としてしまうことです。三つめは、加工費の総額450,000円をそのまま当期投入額としてしまうことです。期首分50,000円を差し引きます。


問8

次の資料にもとづき、修正先入先出法により当期投入換算量と単価、期末仕掛品原価、完成品総合原価を求め、原価フローを検証しなさい。

必要資料

  • 計算方法:修正先入先出法
  • 期首仕掛品:200個(加工進捗度25%)、材料費100,000円、加工費30,000円
  • 当期投入:800個、材料費400,000円、加工費340,000円
  • 完成品数量:800個
  • 期末仕掛品数量:200個(加工進捗度50%)
  • 材料は始点で投入する
  • 端数は生じない
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解答・解説

正答

  • 当期投入換算量:材料800個/加工費850個
  • 当期投入単価:材料500円/加工費400円
  • 期末仕掛品原価:140,000円(材料100,000円+加工40,000円)
  • 完成品総合原価:730,000円
  • 原価総額:870,000円

計算過程

順 項目 計算 金額・数量
1 材料の当期投入換算量 800-200+200 800個
2 加工費の期首換算量 200×25% 50個
3 加工費の期末換算量 200×50% 100個
4 加工費の当期投入換算量 800-50+100 850個
5 材料の当期投入単価 400,000÷800 500円
6 加工費の当期投入単価 340,000÷850 400円
7 期末(材料) 500×200 100,000
8 期末(加工) 400×100 40,000
9 期末仕掛品原価 100,000+40,000 140,000
10 原価総額 130,000+740,000 870,000
11 完成品総合原価 870,000-140,000 730,000

解説

判断根拠

4段階で判断します。

第1に、材料費と加工費で期首換算量が異なることを確かめます。材料は始点投入なので期首仕掛品200個の換算量は200個です。加工費は進捗度25%なので 200×25%=50個です。同じ200個でも換算量が違います。

第2に、当期投入換算量を求めます。材料は 800-200+200=800個、加工費は 800-50+100=850個です。加工費のほうが多いのは、期首の進捗が25%と低く、当期に加工した分が多いためです。

第3に、当期投入単価を求め、期末仕掛品を評価します。期末仕掛品には当期投入単価だけを用います。期首仕掛品原価130,000円は期末仕掛品には配分しません。

第4に、完成品原価を差額で求めます。870,000-140,000=730,000円です。1つの金額として示し、期首から完成した分と当期着手して完成した分に分けません。

検証

Validation(検証)

検証項目 計算 結果
数量フロー 200+800=800+200 1,000=1,000
原価フロー 130,000+740,000=730,000+140,000 870,000=870,000
材料の換算量 期首200個・期末200個 始点投入を反映
加工費の換算量 期首50個・期末100個 進捗度を反映
期末仕掛品の構成 当期投入単価500円・400円のみ 期首原価の混入なし

この検証の限界:原価フローの一致は、完成品原価を差額で求めた以上、定義上必ず成立します。期末仕掛品原価140,000円が正しいかどうかは、この確認では分かりません。

さらに次の誤りも、原価フローでは検出できません。

  • 期末仕掛品に期首仕掛品原価を混ぜてしまう:期末仕掛品原価が変わり完成品原価も差額で変わるだけで、合計は保たれます
  • 期首仕掛品換算量を差し引き忘れる:当期投入換算量が変わり単価も変わりますが、合計は保たれます
  • 平均法で計算してしまう:単価が変わるだけで、合計は保たれます

計算方法・材料の投入形態・進捗度を、問題文に戻って一つずつ確かめる必要があります。

想定される誤り:ひとつは、当期投入換算量から期首換算量を差し引き忘れることです。ふたつめは、加工費の期首換算量に進捗度を掛け忘れて200個としてしまうことです。三つめは、期末仕掛品の評価に期首仕掛品原価を含めてしまうことです。


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