宅地建物取引士 権利関係 択一式(初級) 第68問〜第70問|債権

重要度:A 論点:同時履行の抗弁権

問68:同時履行の抗弁権に関する次の記述のうち、民法の規定および判例によれば、正しいものはどれか。

  • A:弁済と受取証書の交付は、同時履行の関係に立つ。
  • B:賃貸借契約終了後の敷金返還債務と建物明渡債務は、同時履行の関係に立つ。
  • C:売買契約における売主の登記移転義務と買主の代金支払義務は、同時履行の関係に立たない。
【第68問:正解と解説】

正解:A
【解説】
・A:正しい。486条。弁済をする者は弁済と引換えに受取証書の交付を請求することができ、同時履行の関係に立つとされる。
・B:誤り。判例上、敷金返還債務は建物明渡し後に生じるものとされ(明渡しが先履行)、同時履行の関係には立たない。【試験対策】同時履行が「否定」される代表例=敷金返還と明渡し(明渡しが先)。造作買取代金と建物明渡しも同様に否定される。
・C:誤り。売主の登記移転義務(対抗要件を備えさせる義務)と買主の代金支払義務は、判例上同時履行の関係に立つとされる。


重要度:B 論点:危険負担(債権者の帰責事由)

問69:双務契約における危険負担に関する次の記述のうち、民法の規定によれば、正しいものはどれか。

  • A:債権者の責めに帰すべき事由によって履行不能となった場合、債務者は自己の債務を免れたことによって得た利益を債権者に償還する必要はない。
  • B:当事者双方の責めに帰することができない事由によって債務を履行することができなくなったときは、債権者は、反対給付の履行を拒むことができる。
  • C:債権者の責めに帰すべき事由によって債務を履行することができなくなったときは、債権者は反対給付の履行を拒むことができる。
【第69問:正解と解説】

正解:B
【解説】
・A:誤り。536条2項後段により、債務者は自己の債務を免れたことによって得た利益(例:材料費の節約分)を債権者に償還しなければならない。
・B:正しい。536条1項。当事者双方に帰責事由がない履行不能(例:天災による目的物滅失)の場合、債権者は反対給付(代金支払等)の履行を拒むことができる。
・C:誤り。債権者の帰責事由による履行不能の場合、債権者は反対給付の履行を拒むことができない(536条2項)。自ら原因を作った債権者を保護する必要がないため。


重要度:A 論点:手付

問70:売買契約における手付に関する次の記述のうち、民法の規定によれば、正しいものはどれか。

  • A:買主が自ら契約の履行に着手していても、売主が履行に着手していない場合には、買主は手付を放棄して契約を解除することができる。
  • B:買主は、相手方が契約の履行に着手した後であっても、手付を放棄して契約を解除することができる。
  • C:売主が契約を解除するには、買主に対し手付と同額を提供すれば足り、現実の提供は不要である。
【第70問:正解と解説】

正解:A
【解説】
・A:正しい。557条1項ただし書。手付解除が制限されるのは「相手方」が契約の履行に着手した後であり、解除しようとする者自身の着手は解除の妨げにならない。【試験対策】判定基準は常に「相手方の着手」の一点。「自分が着手したから解除できない」「相手が未着手でも解除できない」はいずれも主体のすり替えによるひっかけ。
・B:誤り。相手方が履行に着手した後は、手付解除できない(557条1項ただし書)。
・C:誤り。売主による解除は、手付の倍額を現実に提供する必要がある(判例)。「同額」「現実の提供不要」がいずれも誤り。


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