宅地建物取引士 権利関係 択一式(初級) 第65問〜第67問|債権

重要度:A 論点:弁済③(弁済の提供)

問65:弁済の提供に関する次の記述のうち、民法の規定によれば、正しいものはどれか。

  • A:債権者があらかじめ受領を拒んでいる場合、債務者は口頭の提供(弁済の準備をしたことを通知してその受領を催告すること)をすれば足りる。
  • B:弁済の提供をしても、債務者は債務不履行責任を免れない。
  • C:弁済の提供は、いかなる場合であっても現実にしなければならず、口頭の提供では足りない。
【第65問:正解と解説】

正解:A
【解説】
・A:正しい。493条ただし書。債権者があらかじめ受領を拒んでいるとき、または債務の履行に債権者の行為を要するときは、口頭の提供で足りる。【試験対策】提供の方法=原則「現実の提供」、例外「口頭の提供」(受領拒絶・債権者の行為必要時)。
・B:誤り。弁済の提供をすれば、債務者はその時から債務を履行しないことによって生ずべき責任(債務不履行責任)を免れる(492条)。
・C:誤り。原則は現実の提供だが、債権者があらかじめ受領を拒む場合等は口頭の提供で足りる(492条・493条)。「いかなる場合であっても」という言い切りが誤り。


重要度:A 論点:相殺①(相殺禁止)

問66:相殺に関する次の記述のうち、民法の規定によれば、正しいものはどれか。

  • A:悪意による不法行為に基づく損害賠償の債務の債務者は、その債務を受働債権として相殺をすることができる。
  • B:悪意による不法行為に基づく損害賠償の債務の債務者は、その債務を受働債権として相殺をすることができない。
  • C:相殺をするには、双方の債務がともに弁済期にあることが常に必要である。
【第66問:正解と解説】

正解:B
【解説】
・A:誤り。509条1号により、悪意による不法行為に基づく損害賠償債務を受働債権とする相殺は禁止される。
・B:正しい。509条1号。悪意(積極的な害意)による不法行為の損害賠償債務者は、これを受働債権として相殺できない。ただし被害者側(債権者)から相殺することは可能。【試験対策】相殺禁止=「悪意の不法行為」「人の生命・身体の侵害による損害賠償」を受働債権とする相殺は加害者側からはできない。差押え禁止債権も同様。
・C:誤り。相殺には自働債権が弁済期にあることが必要だが、受働債権は弁済期の利益を放棄できるため、必ずしも弁済期にある必要はない。「常に必要」という言い切りのひっかけ。


重要度:B 論点:相殺②(時効消滅債権・差押えと相殺)

問67:相殺に関する次の記述のうち、民法の規定によれば、正しいものはどれか。

  • A:差押えを受けた債権の第三債務者は、差押え後に取得した債権による相殺を、常に差押債権者に対抗することができる。
  • B:時効によって消滅した債権は、いかなる場合であっても相殺に用いることができない。
  • C:時効によって消滅した債権であっても、その消滅以前に相殺適状にあった場合には、その債権者は相殺をすることができる。
【第67問:正解と解説】

正解:C
【解説】
・A:誤り。差押え後に取得した債権を自働債権とする相殺は、原則として差押債権者に対抗できない(511条1項)。ただし、その債権が差押え前の原因に基づいて生じた場合は、差押え後に他人の債権を取得したときを除き、対抗することができる(同条2項)。「常に対抗できる」という言い切りが誤り。
・B:誤り。時効消滅前に相殺適状が生じていれば、消滅後でも相殺できる(508条)。「いかなる場合であっても」という言い切りのひっかけ。
・C:正しい。508条。時効消滅前に相殺適状が生じていれば、消滅後でも相殺できる。当事者は相殺適状の時点で決済されたと期待するのが通常であるため。


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