重要度:A 論点:債権
問31:Aを売主、Bを買主として甲建物の売買契約が締結された場合に関する次の記述のうち、民法の規定によれば、正しいものはどれか。
- A:引き渡された甲建物が契約の内容に適合しない場合、Bは、Aに帰責事由がなければ、目的物の修補を請求することができない。
- B:甲建物の品質に関する契約不適合を理由にBが損害賠償を請求するには、Aに帰責事由があることが必要である。
- C:Bが契約を解除するには、Aの責めに帰すべき事由が必要である。
- D:引渡し後に甲建物が当事者双方の責めに帰することができない事由により滅失した場合、Bは代金の支払いを拒むことができる。
【第31問:正解と解説】
正解:B
・A
【選択肢解説】誤り。追完請求(修補・代替物引渡し等)に売主の帰責事由は不要である。ただし、契約不適合が買主の責めに帰すべき事由による場合、買主は追完を請求できない(562条2項)。
・B
【論点】契約不適合責任における救済手段ごとの要件の違い。【考え方】追完請求・代金減額請求・解除はいずれも売主の帰責事由を要しないが、損害賠償請求のみ債務不履行の一般原則(415条)により売主に帰責事由が必要となる。【選択肢解説】損害賠償には帰責事由が必要であるため、本記述が正しい。「どの救済手段に帰責事由が要るか」の一点で4肢すべてが構成される、改正民法の代表的な出題パターン。
・C
【選択肢解説】誤り。解除に債務者の帰責事由は不要である。ただし、債務不履行が債権者の責めに帰すべき事由による場合、債権者は解除できない(543条)。
・D
【選択肢解説】誤り。引渡しにより危険はBに移転しており、引渡し後の双方無責の滅失についてBは代金支払いを拒めない。
重要度:B 論点:債権
問32:A・B・Cの3人が、Dに対して600万円の連帯債務を負っている場合(負担部分は各3分の1)に関する次の記述のうち、民法の規定によれば、正しいものはいくつあるか。なお、連帯債務者の一人について生じた事由が他の連帯債務者に対して効力を生じる旨の別段の意思表示はないものとする。
ア DがAに対して裁判上の請求をした場合、B・Cについても時効の完成が猶予される。
イ DがAに対して債務の全額を免除した場合でも、B・Cは600万円の連帯債務を免れない。
ウ AがDに対して600万円を弁済した場合、B・Cの債務も消滅する。
エ AがDに対して有する600万円の債権で相殺した場合、B・Cの債務も消滅する。
- A:一つ
- B:二つ
- C:三つ
- D:四つ
【第32問:正解と解説】
正解:C
・A
【選択肢解説】正しいものは三つであるため、「一つ」は誤り。
・B
【選択肢解説】「二つ」も誤り。
・C
【論点】連帯債務における絶対的効力事由と相対的効力事由。【考え方】令和2年施行の改正により、別段の意思表示がない限り、請求・免除・時効の完成は相対効となり、弁済等・更改・相殺・混同は全ての連帯債務者の利益のために効力を生ずる。記述ごとにどちらの効力かを判定する。【選択肢解説】ア:誤り。請求は相対効であり、Aへの裁判上の請求はB・Cの時効の完成猶予をもたらさない(改正前の絶対効の知識は旧法トラップ)。イ:正しい。免除も相対効であり、他の債務者の債務は消滅しない。ウ:正しい。弁済は全ての連帯債務者の利益のために債務を消滅させる。エ:正しい。相殺も全ての連帯債務者の利益のために債権を消滅させる。以上により正しいものはイ・ウ・エの三つ。
・D
【選択肢解説】アが誤りであるため「四つ」ではない。

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