【情報セキュリティマネジメント】システム構成と信頼性、深追いしなくてよい範囲がある|稼働率・RAID・クラウド

シンクライアント、RAID、負荷分散、SaaSなど、システム構成には多くの用語がありますが、SGで高度な設計まで学ぶ必要はありません。

この記事では、処理やデータをどこに置くか、故障時にどう動くか、性能・信頼性を何で測るかの三つに整理します。SGとFEの学習範囲を分けて整理します。

読み終えると、どこまで学べば十分かを判断できます。

先に結論:SGではどこまで学ぶか

論点 SGで押さえる範囲 深追いしない範囲
処理・構成 バッチ/リアルタイム、シンクライアント、仮想化、負荷分散 詳細設計・製品設定
信頼性設計 フォールトトレラント、フェールセーフ、フールプルーフ 冗長方式の実装詳細
ストレージ RAID 0・1、バックアップとの違い RAID 5・6・10、SANの詳細
信頼性計算 RASISのA、MTBF、MTTR、基本稼働率、直列構成 並列・混合構成、逆算
クラウド SaaS・PaaS・IaaSの提供範囲 責任分界・契約評価
性能 レスポンスタイム、スループット チューニング

フェールソフトはVer.4.1の用語例に名称の明示がないため、補助概念として扱います。

1.処理・構成は「どこで動くか」を見る

バッチ処理はデータをまとめて処理し、リアルタイム処理は要求に応じて直ちに処理します。

シンクライアントは、処理や業務データを主にサーバ側へ集約する構成です。端末へのデータ保存を抑えられますが、認証、端末対策、通信保護、サーバ側対策は残ります。

仮想化では、一台の物理サーバ上で複数の仮想マシンを動かせます。論理的に分離されても物理基盤を共有するため、物理障害の影響を同時に受けることがあります。

負荷分散は複数サーバへ要求を振り分けます。可用性の向上に役立ちますが、ロードバランサやDBが単一障害点なら十分ではありません。

2.故障時の考え方とRAIDを区別する

用語 判断の中心
フォールトトレラント 故障しても機能を継続する
フェールセーフ 故障時に安全側へ移す
フールプルーフ 人が誤操作しにくくする

RAID 0は複数ディスクへ分散して書き込み、冗長性はありません。RAID 1は同じデータを複製し、二台構成なら一台の故障時も残る一台で継続できます。

RAIDはディスク故障への備えで、バックアップの代わりではありません。誤削除や暗号化も複製先へ反映され得ます。

3.MTBF・MTTR・稼働率は基本式まで

  • MTBF:正常に稼働した時間の平均
  • MTTR:故障後の修理・復旧時間の平均
  • 稼働率:利用可能な状態であった割合

SGシラバスにはRASISRAS技術も明示されています。本記事では、直接問題に必要なRASISのA(Availability:可用性)と稼働率の関係だけを押さえます。

稼働率 = MTBF ÷(MTBF + MTTR)

MTBFが950時間、MTTRが50時間なら、950÷1,000=0.95です。

全装置が動く必要のある直列構成では、故障が独立している前提で稼働率を掛けます。0.9の装置を二台直列にすると、0.9×0.9=0.81です。

レスポンスタイムは要求から結果までの時間、スループットは単位時間当たりの処理量です。

4.クラウドは提供範囲で見分ける

形態 主に提供されるもの
SaaS 完成したアプリケーション
PaaS アプリケーションの開発・実行環境
IaaS 仮想サーバ、ストレージ、ネットワークなどの基盤

本記事は提供範囲までを扱います。提供者と利用者の責任分界は「クラウドの責任共有モデル」で補います。

5.どこで補うか

  • ベストエフォート型:「ネットワークの基礎」
  • バックアップ方式:「データ保護とバックアップ」
  • RTO・RPO: 「事業継続とBCP」
  • 並列・混合構成や逆算: FE「稼働率の計算、基本の型は3つ」
  • 構成要素の深掘り: FEシステム構成要素教材

市販参考書で補う場合は、FE向けの「システム構成要素」の章が対応します。

よくある取り違え

誤った考え方 正しい整理
RAID 1があればバックアップは不要 誤削除や暗号化は複製先へも反映される
RAID 0は冗長性がある 分散して書き込むだけで冗長性はない
フェールセーフは故障しても機能を継続する 機能継続はフォールトトレラント

まとめ

  • SGでは構成・信頼性の基本的な識別と計算まで押さえる
  • RAID 0は冗長性なし、RAID 1は複製だがバックアップとは別
  • 稼働率はMTBF÷(MTBF+MTTR)、直列構成は独立を前提に掛け算する
  • SaaS・PaaS・IaaSは事業者が提供する範囲で見分ける
  • 応用計算や詳細設計はFE教材へつなぐ

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  • C7-T04:クラウドの責任共有モデル
  • C5-T10:データ保護とバックアップ
  • C6-T06:事業継続とBCP

本記事は、2026年8月3日時点のSGシラバスVer.4.1を基準に作成しています。

参考資料

  • IPA「情報セキュリティマネジメント試験(レベル2)シラバス Ver.4.1」
  • NIST SP 800-145「The NIST Definition of Cloud Computing」(2011年9月)

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