電験三種(第三種電気主任技術者)「法規」のうち、地絡電流と接地抵抗の計算(B種・D種、非接地系)の問題です(大分類:電気施設管理(計算)・重要度A)。一問一答4問 → 五肢択一12問の順に解き、解答・解説は各問題の下を開いて確認してください。
一問一答(○×)
重要度:A 難易度:★★☆
問1:中性点非接地方式の三相3線式高圧電路で1線が完全地絡したときの地絡電流は、1線当たりの対地静電容量をC、角周波数をω、線間電圧をVとすると、3ωC×(V/√3)で表される。
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正解:○
1線完全地絡時、健全2相の対地静電容量を通じて流れる電流の和が地絡電流となり、Ig=3ωCE(E=V/√3は相電圧)=√3ωCVです。
重要度:A 難易度:★★☆
問2:電気設備の技術基準の解釈に基づき、B種接地工事の接地抵抗値の算定に用いる高圧電路の1線地絡電流を計算式で求めた結果が2.3Aであった場合は、2Aとして扱う。
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正解:×
計算式による値は小数点以下を切り上げるので3Aとして扱います。2Aとするのは、計算結果が2A未満となる場合です(電技解釈第17条第2項第2号ロ)。
重要度:A 難易度:★★☆
問3:B種接地工事が施された変圧器の低圧電路に接続された機器で地絡が生じたとき、D種接地工事を施した機器の外箱の対地電圧は、低圧電路の対地電圧をB種接地抵抗とD種接地抵抗で分圧したうちの、D種接地抵抗にかかる電圧として求められる(その他のインピーダンスは無視する)。
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正解:○
地絡電流はB種接地抵抗RBとD種接地抵抗RDの直列回路を流れるので、外箱の対地電圧はV×RD/(RB+RD)です。
重要度:A 難易度:★★☆
問4:中性点非接地方式の三相3線式電路で1線が完全地絡すると、健全相の対地電圧は相電圧のまま変わらない。
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正解:×
1線完全地絡時は地絡相の対地電圧が0になり、健全相の対地電圧は線間電圧(相電圧の√3倍)まで上昇します。
五肢択一
重要度:A 難易度:★★☆
問5:公称電圧6,600V、周波数50Hzの中性点非接地方式の三相3線式高圧配電線がある。1線当たりの対地静電容量は0.8μFである。この配電線の1線が完全地絡したときの地絡電流[A]の値として、最も近いものはどれか。ただし、その他の定数は無視する。
- 0.96
- 1.66
- 2.87
- 4.98
- 5.75
【第5問:正解と解説】
正解:3
正解は3です。
Ig=3ωC×(V/√3)=√3ωCV=√3×2π×50×0.8×10⁻⁶×6,600≒2.87A
1:誤り。ωCE(1線分)で計算しています。健全2相の電流の和で3ωCEです。
2:誤り。ωCVで計算し、√3を掛けていません。
3:正しい。
4:誤り。3ωCVで計算しています。電圧は相電圧V/√3を使います。
5:誤り。地絡電流を2倍しています。
重要度:A 難易度:★★★
問6:公称電圧6,600V、周波数50Hzの中性点非接地方式の三相3線式高圧配電線がある。1線当たりの対地静電容量は0.8μFである。この配電線の1相が1,000Ωの抵抗を介して地絡した。その他の定数は無視する。
(a) 地絡電流[A]の値として、最も近いものはどれか。
- 3.97
- 3.81
- 2.87
- 2.29
- 1.64
【第6問:正解と解説】
正解:4
正解は4です。テブナンの定理により、地絡点から見た等価回路は相電圧E=6,600/√3≒3,810.5Vの電源に、地絡抵抗Rg=1,000Ωと3線一括の容量性リアクタンスXc=1/(3ωC)≒1,326Ωが直列に入った回路です。
Ig=E/√(Rg²+Xc²)=3,810.5/√(1,000²+1,326²)≒2.29A
1:誤り。相電圧ではなく線間電圧で計算しています。
2:誤り。静電容量のリアクタンスを無視しています。
3:誤り。地絡点の抵抗を無視した完全地絡の値です。
4:正しい。
5:誤り。抵抗と容量性リアクタンスを算術和で足しています。ベクトル和(√(R²+X²))で求めます。
重要度:A 難易度:★★★
問7:公称電圧6,600V、周波数50Hzの中性点非接地方式の三相3線式高圧配電線がある。1線当たりの対地静電容量は0.8μFである。この配電線の1相が1,000Ωの抵抗を介して地絡した。その他の定数は無視する。
(b) このときの中性点の対地電圧[V]の値として、最も近いものはどれか。
- 2,294
- 3,043
- 3,811
- 5,270
- 5,337
【第7問:正解と解説】
正解:2
正解は2です。中性点の対地電圧V0は、地絡電流が3線一括の静電容量を流れることによる電圧です。
V0=Ig×Xc≒2.294×1,326≒3,043V
1:誤り。地絡抵抗の端子電圧を求めています。中性点の対地電圧は静電容量側の電圧です。
2:正しい。
3:誤り。相電圧そのものです。完全地絡の場合の値です。
4:誤り。√3を余分に掛けています。
5:誤り。地絡電流に、地絡抵抗とリアクタンスの算術和を掛けています。
重要度:A 難易度:★☆☆
問8:高圧電路と低圧電路とを結合する変圧器に施すB種接地工事について、高圧側電路の1線地絡電流が8Aであり、混触時に1秒以内に自動的に高圧電路を遮断する装置が設けられている。電気設備の技術基準の解釈に基づく接地抵抗値の上限[Ω]として、正しいものはどれか。
- 600.0
- 150.0
- 75.0
- 37.5
- 18.8
【第8問:正解と解説】
正解:3
正解は3です。1秒以内に自動遮断する装置がある場合、B種接地工事の接地抵抗値は600/Ig以下です(電技解釈17-1表)。
600÷8=75Ω
1:誤り。分子の600をそのまま答えています。
2:誤り。1秒以内の場合の値を誤って1,200/Igで計算しています。
3:正しい。
4:誤り。300/Igで計算しています。これは1秒を超え2秒以下の場合です。
5:誤り。150/Igで計算しています。1秒以内に遮断する場合は600/Igです。
重要度:A 難易度:★★☆
問9:B種接地工事の接地抵抗値が20Ωの変圧器から供給される、対地電圧100Vの低圧電路がある。この電路に接続した機器の金属製外箱にはD種接地工事が施され、その接地抵抗値は80Ωである。機器内部で完全地絡が生じたときの外箱の対地電圧[V]の値として、正しいものはどれか。ただし、その他のインピーダンスは無視する。
- 20
- 50
- 80
- 100
- 125
【第9問:正解と解説】
正解:3
正解は3です。外箱の対地電圧=V×RD/(RB+RD)=100×80/(20+80)=80V
1:誤り。B種接地抵抗側の電圧を求めています。
2:誤り。電圧を半分にしています。
3:正しい。
4:誤り。分圧を考えていません。
5:誤り。抵抗の比を逆に使っています(100×100/80)。
重要度:A 難易度:★★☆
問10:B種接地工事の接地抵抗値が10Ωの変圧器から供給される、対地電圧100Vの低圧電路に接続した機器の金属製外箱にD種接地工事を施す。機器内部で完全地絡が生じたときに外箱の対地電圧を25V以下にするためのD種接地工事の接地抵抗値の最大値[Ω]として、最も近いものはどれか。ただし、その他のインピーダンスは無視する。
- 30.00
- 7.50
- 3.33
- 2.50
- 2.00
【第10問:正解と解説】
正解:3
正解は3です。外箱の対地電圧=100×RD/(10+RD)≦25 より、100RD≦250+25RD、75RD≦250、RD≦3.33Ω
1:誤り。B種側とD種側の電圧を逆にしています。
2:誤り。B種側の電圧75Vの比で計算しています(10×75/100)。
3:正しい。
4:誤り。100Vに対する比で計算しています(RB+RDに対する比で考えます)。
5:誤り。分母で電圧を足しています。
重要度:A 難易度:★★★
問11:線間電圧200V、周波数50Hzの三相3線式低圧電路があり、変圧器の低圧側の1端子にB種接地工事が施されている。接地されていない2線の1線当たりの対地静電容量はいずれも2μFである。このとき、B種接地工事の接地線に常時流れる電流[A]の値として、最も近いものはどれか。ただし、接地された1線の対地静電容量及びその他の定数は無視する。
- 0.073
- 0.126
- 0.218
- 0.251
- 0.377
【第11問:正解と解説】
正解:3
正解は3です。接地されていない2線の対地電圧はそれぞれ200Vで、位相差は60°です。各線の充電電流はωC×200≒0.1257Aで、そのベクトル和は√3倍になります。
I=√3×ωC×200=√3×2π×50×2×10⁻⁶×200≒0.218A
1:誤り。対地電圧を200/√3としています。接地されていない2線の対地電圧は線間電圧の200Vです。
2:誤り。1線分だけで計算しています。
3:正しい。
4:誤り。2線の電流を算術和で足しています。2線の対地電圧は60°の位相差があるため、ベクトル和は√3倍です。
5:誤り。3倍しています。
重要度:A 難易度:★★★
問12:公称電圧6,600V、周波数50Hzの中性点非接地方式の三相3線式配電線から受電する高圧需要設備がある。1線当たりの対地静電容量は、零相変流器より配電線側(配電線全体)が1.0μF、需要設備側が0.1μFである。需要設備側(零相変流器の負荷側)で1線完全地絡が生じた。その他の定数は無視する。
(a) 地絡点に流れる地絡電流[A]の値として、最も近いものはどれか。
- 6.84
- 3.95
- 3.59
- 1.32
- 0.36
【第12問:正解と解説】
正解:2
正解は2です。
Ig=3ω(Cs+Ca)E=3×2π×50×(1.0+0.1)×10⁻⁶×(6,600/√3)≒3.95A
1:誤り。線間電圧で計算しています。
2:正しい。
3:誤り。配電線側の静電容量だけで計算しています。地絡点には両側の電流が流れ込みます。
4:誤り。1線分(ωCE)で計算しています。
5:誤り。需要設備側の静電容量だけで計算しています。
重要度:A 難易度:★★★
問13:公称電圧6,600V、周波数50Hzの中性点非接地方式の三相3線式配電線から受電する高圧需要設備がある。1線当たりの対地静電容量は、零相変流器より配電線側(配電線全体)が1.0μF、需要設備側が0.1μFである。需要設備側(零相変流器の負荷側)で1線完全地絡が生じた。その他の定数は無視する。
(b) 零相変流器で検出される零相電流[A]の値として、最も近いものはどれか。
- 0.36
- 1.20
- 3.59
- 3.95
- 6.22
【第13問:正解と解説】
正解:3
正解は3です。構内で地絡した場合、零相変流器を通過するのは配電線側の対地静電容量から流れ込む電流です。
I0=3ωCsE=3×2π×50×1.0×10⁻⁶×(6,600/√3)≒3.59A
1:誤り。需要設備側の静電容量による電流です。構内地絡の場合、零相変流器を通るのは配電線側からの電流です。
2:誤り。1線分で計算しています。
3:正しい。
4:誤り。地絡電流全体です。需要設備側の静電容量を流れる分は零相変流器を通りません。
5:誤り。相電圧でなく線間電圧で計算しています。
重要度:A 難易度:★☆☆
問14:高圧電路と低圧電路とを結合する変圧器の低圧側にB種接地工事が施され、その接地抵抗値は20Ωである。高圧側と低圧側の混触時に1線地絡電流6Aが接地線に流れたとすると、低圧電路の対地電圧の上昇値[V]として、正しいものはどれか。
- 208
- 150
- 120
- 26
- 3
【第14問:正解と解説】
正解:3
正解は3です。対地電圧の上昇=Ig×RB=6×20=120V
1:誤り。√3を掛けています。
2:誤り。B種接地抵抗の基準式の分子150と混同しています。
3:正しい。
4:誤り。電流と抵抗を足しています。
5:誤り。抵抗を電流で割っています。
重要度:A 難易度:★★☆
問15:公称電圧6,600V/210Vの変圧器の低圧側にB種接地工事を施す。高圧側電路の1線地絡電流は3Aで、混触時に高圧電路を自動的に遮断する装置は設けられていない。低圧側の対地電圧は100Vとし、その他のインピーダンスは無視する。
(a) 電気設備の技術基準の解釈に基づくB種接地工事の接地抵抗値の上限[Ω]として、正しいものはどれか。
- 50
- 100
- 150
- 200
- 450
【第15問:正解と解説】
正解:1
正解は1です。遮断装置がない場合はRB≦150/Ig=150/3=50Ω(電技解釈17-1表)
1:正しい。
2:誤り。300/Igで計算しています(遮断装置がない場合は150/Ig)。
3:誤り。分子の150をそのまま答えています。
4:誤り。600/Igで計算しています。
5:誤り。150×Igで計算しています。
重要度:A 難易度:★★★
問16:公称電圧6,600V/210Vの変圧器の低圧側にB種接地工事を施す。高圧側電路の1線地絡電流は3Aで、混触時に高圧電路を自動的に遮断する装置は設けられていない。低圧側の対地電圧は100Vとし、その他のインピーダンスは無視する。
(b) B種接地工事の接地抵抗値を(a)の上限値とした場合、低圧電路に接続した機器内部で完全地絡が生じたときに外箱の対地電圧を25V以下にするための、外箱のD種接地工事の接地抵抗値の最大値[Ω]として、最も近いものはどれか。
- 150.0
- 100.0
- 25.0
- 16.7
- 12.5
【第16問:正解と解説】
正解:4
正解は4です。RB=150/3=50Ω。外箱の対地電圧=100×RD/(50+RD)≦25 より、75RD≦1,250、RD≦16.7Ω
1:誤り。B種側とD種側の電圧を逆にしています。
2:誤り。D種接地工事の原則の上限値を答えています。
3:誤り。接触電圧の値をそのまま答えています。
4:正しい。
5:誤り。100Vに対する比で計算しています。
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