電験三種(第三種電気主任技術者)「法規」のうち、絶縁耐力試験の計算の問題です(大分類:電気施設管理(計算)・重要度A)。一問一答3問 → 五肢択一7問の順に解き、解答・解説は各問題の下を開いて確認してください。
一問一答(○×)
重要度:A 難易度:★☆☆
問1:公称電圧6,600Vの電路の最大使用電圧は、6,900Vである。
解答を見る
正解:○
最大使用電圧=公称電圧×1.15/1.1=6,600×1.15/1.1=6,900Vです(電技解釈第1条)。
重要度:A 難易度:★☆☆
問2:電路にケーブルを使用する交流の高圧電路の絶縁耐力試験を直流で行う場合の試験電圧は、交流の試験電圧の1.5倍である。
解答を見る
正解:×
直流で行う場合の試験電圧は、交流の試験電圧の2倍です(電技解釈第15条第1項第二号)。
重要度:A 難易度:★★☆
問3:ケーブルの絶縁耐力試験において、試験回路に補償リアクトルを並列に接続すると、ケーブルの充電電流(容量性電流)の一部を打ち消すことができ、試験用変圧器に必要な容量を小さくできる。
解答を見る
正解:○
補償リアクトルの遅れ電流がケーブルの進み電流(充電電流)を打ち消すので、試験用変圧器が供給する電流が小さくなります。
五肢択一
重要度:A 難易度:★★☆
問4:公称電圧6,600V、周波数50Hzの三相3線式高圧電路に使用するケーブルについて、電気設備の技術基準の解釈に基づく交流の絶縁耐力試験を、3線一括と大地との間に試験電圧を加えて行う。ケーブルの3線一括の対地静電容量は0.45μFとし、その他の条件は無視する。
(a) 試験電圧[V]の値として、正しいものはどれか。
- 8,250
- 9,900
- 10,350
- 11,385
- 20,700
【第4問:正解と解説】
正解:3
正解は3です。
最大使用電圧=公称電圧×1.15/1.1=6,600×1.15/1.1=6,900V(電技解釈第1条)
試験電圧=最大使用電圧×1.5=6,900×1.5=10,350V(電技解釈第15条・15-1表)
1:誤り。公称電圧に1.25倍を掛けた値です。1.25倍は7,000V超の電路の倍率です。
2:誤り。公称電圧6,600Vにそのまま1.5倍を掛けた値です。最大使用電圧に換算していません。
3:正しい。
4:誤り。6,600×1.15×1.5で、1.1で割っていません。
5:誤り。直流で試験する場合の値(10,350V×2)です。
重要度:A 難易度:★★★
問5:公称電圧6,600V、周波数50Hzの三相3線式高圧電路に使用するケーブルについて、電気設備の技術基準の解釈に基づく交流の絶縁耐力試験を、3線一括と大地との間に試験電圧を加えて行う。ケーブルの3線一括の対地静電容量は0.45μFとし、その他の条件は無視する。
(b) この試験に必要な試験用変圧器の容量[kVA]の値として、最も近いものはどれか。
- 5.0
- 9.6
- 13.9
- 15.1
- 26.2
【第5問:正解と解説】
正解:4
正解は4です。
試験電圧 Vt=6,600×1.15/1.1×1.5=10,350V
充電電流 Ic=2πfCVt=2π×50×0.45×10⁻⁶×10,350≒1.463A
必要容量=Vt×Ic=10,350×1.463≒15,140VA≒15.1kVA
1:誤り。静電容量を1線分(0.15μF)で計算しています。問題の0.45μFは3線一括の値なので、そのまま使います。
2:誤り。試験電圧を公称電圧×1.25(8,250V)で計算しています。
3:誤り。試験電圧を6,600×1.5(9,900V)で計算しています。
4:正しい。
5:誤り。単相の試験回路なのに√3を掛けています。
重要度:A 難易度:★★☆
問6:公称電圧33,000Vの三相3線式電路(中性点非接地式)の電線にケーブルを使用する。この電路の交流による絶縁耐力試験の試験電圧[V]の値として、正しいものはどれか。
- 41,250
- 43,125
- 47,438
- 51,750
- 86,250
【第6問:正解と解説】
正解:2
正解は2です。
最大使用電圧=33,000×1.15/1.1=34,500V
試験電圧=34,500×1.25=43,125V(7,000Vを超え60,000V以下の電路。10,500V未満の場合は10,500V)
1:誤り。最大使用電圧に換算していません。
2:正しい。
3:誤り。1.1で割っていません。
4:誤り。倍率を1.5倍としています。7,000Vを超え60,000V以下の電路は1.25倍です。
5:誤り。直流で試験する場合の値です。
重要度:A 難易度:★★☆
問7:公称電圧3,300V、周波数60Hzの高圧電路に使用するケーブルの絶縁耐力試験を、3線一括と大地との間に交流の試験電圧を加えて行う。ケーブルの3線一括の対地静電容量が0.6μFのとき、ケーブルに流れる充電電流[A]の値として、最も近いものはどれか。
- 2.03
- 1.17
- 1.12
- 0.98
- 0.39
【第7問:正解と解説】
正解:2
正解は2です。
試験電圧 Vt=3,300×1.15/1.1×1.5=5,175V
充電電流 Ic=2πfCVt=2π×60×0.6×10⁻⁶×5,175≒1.17A
1:誤り。√3を掛けています。
2:正しい。
3:誤り。試験電圧を公称電圧×1.5で計算しています。
4:誤り。周波数を50Hzとしています。
5:誤り。静電容量を1線分(3分の1)にしています。3線一括の値をそのまま使います。
重要度:A 難易度:★★☆
問8:公称電圧6,600V、周波数60Hzの高圧電路に使用するケーブルの絶縁耐力試験を、3線一括と大地との間に試験電圧10,350Vを加えて行う。ケーブルの3線一括の対地静電容量は1.2μFである。試験には、定格出力20kV·A(定格電圧10,350V)の試験用変圧器と、定格電圧10,350V・定格電流1.5Aの補償リアクトル(試験回路に並列に接続)を使用する。その他の損失や電流は無視する。
(a) ケーブルに流れる充電電流[A]の値として、最も近いものはどれか。
- 0.75
- 1.56
- 2.99
- 3.90
- 4.68
【第8問:正解と解説】
正解:5
正解は5です。
Ic=2π×60×1.2×10⁻⁶×10,350≒4.68A
1:誤り。2πを掛けていません。
2:誤り。静電容量を1線分にしています。
3:誤り。公称電圧で計算しています。
4:誤り。周波数を50Hzとしています。
5:正しい。
重要度:A 難易度:★★★
問9:公称電圧6,600V、周波数60Hzの高圧電路に使用するケーブルの絶縁耐力試験を、3線一括と大地との間に試験電圧10,350Vを加えて行う。ケーブルの3線一括の対地静電容量は1.2μFである。試験には、定格出力20kV·A(定格電圧10,350V)の試験用変圧器と、定格電圧10,350V・定格電流1.5Aの補償リアクトル(試験回路に並列に接続)を使用する。その他の損失や電流は無視する。
(b) 試験用変圧器の定格出力を超えないように試験を行うために必要な補償リアクトルの最少台数として、正しいものはどれか。
- 1台
- 2台
- 3台
- 4台
- 5台
【第9問:正解と解説】
正解:2
正解は2です。
試験用変圧器の定格電流=20,000/10,350≒1.932A
補償が必要な電流=4.68-1.932≒2.75A
補償リアクトル1台1.5Aなので、2.75/1.5≒1.83 → 切り上げて2台
1:誤り。1台(1.5A)では補償が足りず、試験用変圧器の電流が定格を超えます。
2:正しい。
3:誤り。必要な台数より多い台数です(最少台数を問うています)。
4:誤り。充電電流の全量(約4.68A)を補償リアクトルだけで打ち消そうとした台数です。
5:誤り。必要な台数より多い台数です。
重要度:A 難易度:★★☆
問10:絶縁耐力試験で、変圧比が105V/12,600Vの試験用変圧器を使用し、高圧側に10,350Vの試験電圧を加える。このときの試験用変圧器の低圧側(1次側)に加える電圧[V]の値として、最も近いものはどれか。
- 127.8
- 105.0
- 99.2
- 98.6
- 86.2
【第10問:正解と解説】
正解:5
正解は5です。
1次側電圧=10,350×105/12,600≒86.2V
1:誤り。比の組み方を誤っています。
2:誤り。定格の1次電圧のままです。
3:誤り。1.15を余分に掛けています。
4:誤り。変圧比を逆にとり、試験電圧を105で割っています。
5:正しい。
「電気施設管理(計算)」の他の論点
- 需要率・負荷率・不等率と最大需要電力
- 変圧器の損失と効率(全日効率・トップランナー変圧器)
- 力率改善と進相コンデンサ・直列リアクトル
- 電圧降下と配電線路の計算
- 地絡電流と接地抵抗の計算(B種・D種、非接地系)
- 架空電線路の強度計算(風圧荷重・弛度・支線)
- 発電関連の計算(水力・太陽光・設備利用率)
- 高調波の計算
- 絶縁抵抗・漏えい電流の計算
- 短絡電流と遮断容量(%インピーダンス法)
- 接地抵抗の測定と接地極